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異常気象によって蝕まれる日本の国土

2014年08月21日 14時21分 JST | 更新 2014年10月20日 18時12分 JST

読売新聞の伝えるところでは、死者39人・不明7人、救助難航...広島土砂崩れとの話である。昨年の大島では台風第26号により土石流が発生し、その結果、36人が死亡、22人が重軽傷を負い、3人が行方不明となっている。今回の広島の被害規模も昨年の大島に匹敵しそうな状況だ。私も含めて大方の日本人は、台風でもない局地的な集中豪雨に過ぎず、地盤が雨に弱い風化花崗岩であるにしても、ここまでの被害は全く想像していなかったに違いない。

広島市北部の安佐北、安佐南両区で20日未明、局地的に猛烈な雨が降り、10か所以上の土砂崩れが発生、多数の住宅に土砂が流れ込んだ豪雨災害で、21日午前0時現在、死者は39人、行方不明は7人になった。

今回の災害の意味するもの

局地的な集中豪雨による土砂災害で、ここまで被害が拡大した事実の示唆するものは大きい。先ず、台風ならばフィリッピン沖で発生してから日本上陸まで、台風の辿るコースをトレースし準備をする充分な時間がある。しかも、風速や降雨量といった被害に直接的な影響を与える内容も事前に知る事が可能である。

一方、今回の様な集中豪雨についていうと、気象庁のある程度の予報はあってもどちらかといえば、突然発生して、気が付いたら甚大な被害が生じていたといったところではないか?事実、国内メディアのニュースに接する限り、寝ている内に土石流に襲われ、生き埋めになった結果命を落とされた様である。集中豪雨の怖いのは、今回の広島に限らず、日本の何処で起こっても不思議がない点であり、いきなり何の前触れもなくやって来る事である。

早期避難しか被害を防げない

個人として土石流に襲われたら生き埋めになるしかない。従って、「死ぬのが嫌なら出来るだけ早く安全な場所に避難すべし」という単純明快な結論となる。地方行政は、気候変動によって従来では想像出来なかった規模の集中豪雨が、同様想像出来なかったスピードで地域住民を襲うという事を念頭に早めの「避難勧告」を発令するしかない。今回の様に、広島市「避難勧告遅かった」...既に被害出た後では勿論話にならない。

避難場所は安全でなければならない

避難場所が安全でなければならないのは当り前の話である。しかしながら、実は避難場所ではなかった? 広島市ハザードマップを検証、土石流発生地から400メートルの避難所もを読むと、行政のお役所仕事に命を預けるのはリスクの高いギャンブルである事が一目瞭然である。平素から多少自宅から距離があっても、安全が確保されている避難場所を選んでおき、災害が迫れば早めに自宅を出て余裕を持って避難すべきであろう。

集中豪雨の背後にある異常気象

上記は、飽く迄異常気象によりもたらされた集中豪雨から住民が身を守るための対処療法に過ぎない。集中豪雨の背後にある異常気象根治のためには地球温暖化ガス(二酸化炭素)排出の削減に努めるしかない。しかしながら、日本は地球温暖化ガス(二酸化炭素)を排出しない原発を停止させ、液化天然ガスや石油、石炭といった大量に地球温暖化ガスを排出する火力発電により原発の穴を埋めようとしている。これでは、地球温暖化ガス(二酸化炭素)の大量排出により、今回の集中豪雨の背後にある異常気象は益々重篤化する。

電力行政のみならず、地球温暖化ガスを大量に排出する輸送機なども、動力を化石燃料依存の内燃機関からモーターに切り替え、そのエネルギー源となる電力を二酸化炭素を排出しない原発に切り替えるなどの施策が、今後必要となるのは明らかである。

注目すべき、アメリカ「THE PRESIDENT'S CLIMATE ACTION PLAN」

一番分り易い実例として、オバマ大統領の提唱するTHE PRESIDENT'S CLIMATE ACTION PLANを参照する。重篤な旱魃に悩むアメリカの指導者としてこれ以上の二酸化炭素(地球温暖化ガス)の排出増加が許されず、削減に向け舵を切る事が待ったなしであると主張している。

特に15pageに個別に明記されている、「Conserving Land and Water Resources」、「Maintaining Agricultural Sustainability」、「Managing Drought」、「Reducing Wildfire Risks」、「Preparing for Future Floods」を一読すれば、アメリカ経済、アメリカ社会、アメリカ国民の生命・安全、を守るためには環境保全が最早待ったなしの状況であり、地球温暖化ガス排出削減がその一丁目一番地である事が容易に理解出来る。

アメリカはいうまでもなく日本の同盟国であり、日本の安全保障の基軸である。一方、TPP交渉も年内には決着見通しで、日米は外交、安全保障、通商、投資の各分野で更に関係を深化させる事になる。これに加え、日本はエネルギー戦略、地球温暖化対策でもアメリカに歩み寄るべきで、その事が日本の国益に叶うと思う。