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安倍首相のコートジボワール訪問の背景

2014年01月11日 17時54分 JST | 更新 2014年03月12日 18時12分 JST

安倍首相がコートジボワールを訪問した。コートジボワールといってもアフリカの一体何処にあるのさえ分らない国民が大部分と思う。西アフリカ、サヘル地区に位置し、以前説明した東西イスラム回廊の西端に位置する。私は今回の下記日本政府による西アフリカ・サヘル地区への飢餓対策を高く評価している。

さらに首相は共同声明で、サハラ砂漠の南縁部で干ばつや飢餓が繰り返されているサヘル地域の難民支援に8340万ドルを新たに支出することも表明する。(アビジャン=小野甲太郎)

■西アフリカ、サヘル地区の食糧危機と飢餓問題は西側諸国の関心事

先ず認識すべきは西アフリカ、サヘル地区の食糧危機と飢餓問題はずっと西側先進国間の関心事でありながら、今日まで有効な対策が打てていない問題であるという事実である。私は一年半前に食糧危機と広がる飢餓を発表し、日本が救いの手を差し伸べるべきであると提案した経緯がある。

世界が日本に期待するのは、内政がきちんと出来るのは当たり前で、西アフリカの様な最貧国に救いの手を差し伸べる事である。結果、日本が世界の尊敬を集め、日本の安全保障に間接的に寄与するのだと思う。

■西アフリカ、サヘル地区支援は「一国平和主義」からの日本の決別を分かり易く世界にアピールしている

2014年、日本が求められる事になるのは「一国平和主義」からの転換で、私は従来の日本さえ平和であれば良い、世界で多数が飢えて餓死しても日本が豊かであればそれで良いといった姿勢では、日本はこれ以上やって行けないと説明した。そして、世界の平和と安定のために現実的な対応を行うべきであるとも主張した。今回の日本政府による西アフリカ、サヘル地区支援は日本の本気度を世界に示したと思っている。心強い限りである。

■何故、食糧危機や飢餓問題を放置してはいけないのか?

昨年アルジェリアで起きたテロ事件は、多くの日本人が犠牲者になると言う想定された中でも最悪の結果で終わってしまった。日本人の多くが行き場のない怒りを持て余し、暗澹たる気持ちに耐えた事と想像する。テロの実行犯は西アフリカ、サヘル地区に位置するバリを拠点に活動していたといわれている。仮に、バリに充分な食糧と医薬品があれば好んでテロ組織を受け入れるとは思えない。パレスチナのハマースレバノンのヒズボラが現地住民に受け入れられ、人気があるのは飢えて苦しむ貧困層に食料を与え、医療を施す等、貧しい人々に寄り添って来たからである。

人質を取っての身代金が原資であれ、麻薬の密輸で得た非合法な利益が原資であれ、飢餓や栄養失調で子供がバタバタと死んで行く地域の住人に取って食料の配給は滋雨に他ならない。これが、マリを筆頭に飢餓に苦しむ西アフリカ、サヘル地区でテロ組織が拡大を続ける背景である。

一方、きちんとした職があり、結婚し、子供に恵まれた若者がテロリストを志願するとはとてもでないが思えない。飽く迄、想像であるが、貧しい生まれで、貧困の中で育ち、成人した後も職がなく貧しく、将来に何の希望も持てない若者が、何かを変える事を期待してテロリストを志願するのではないのか?仮にそうであれば、こう言う若者に職業訓練と共に、職を与える事がテロ組織壊滅に直結する事になる。この辺りは、日本のODAが得意とするところと思う。

■問題を根治するためには地球温暖化対策が必要となる

BBCのSahel region of West Africa 'in permanent food crisis'は穀物価格高騰による飢餓であり、経済問題であると主張している。しかしながら、サヘル地区内で充分な穀物が収穫されておれば食糧危機は起こり得ず、飢餓もない。矢張り、直接的には旱魃に起因する域内収穫の減少を何とかする必要がある。未だ、科学者や専門家による論争はあるものの「地球温暖化ガス」に起因する旱魃というのが、最早世界的な定説なのではないのか? 仮にそうであれば、日本は率先して地球温暖化ガス削減の道を切り開くべきと思う。

さて、話は些か脱線するかも知れないが、この様な世界の状況を理解しておれば、地球温暖化ガス排出の増加に直結する、「脱原発」を都知事選の争点にする事が如何に国際的に見て非常識であるかご理解戴けると思う。都内ウオーターフロントにあるお洒落な高層マンションに住み、西アフリカ、サヘル地区の食糧不足や飢餓など自分達の知った事か、と考えている方も多数おられるに違いない。しかしながら、地球温暖化が進めば、ご自慢のウオーターフロントにあるご自宅も水没する。当然、不動産価格はそれ以前に暴落する事になるだろう。今、日本の有権者に求められるのは知的怠惰を排し、体系的に物事を理解する事だと、改めて思う。

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