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日本政策学校 Headshot

「従来の枠から脱出しよう」

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6月5日 日本政策学校では9期生の入学式が行われ、金野索一学長による特別講義がありました。
以下、そのサマリです。

従来のわが国は、公共セクターに過度に依存していたが、少子高齢化や多国籍大企業の台頭により、公共セクターの相対的地位への移行が不可避となった。今や、公共・民間・NPOの3つのセクターが対等な社会がもとめられ、そこで垣根を超えて政策を展開するのが、トライセクターリーダーである。日本人には、歴史・条件・利益より考えて、トライセクターリーダーとなる必要性、可能性が十分にあり、このリーダーシップを発揮していただくことを私たちは期待している。


◇学校設立の動機

日本には、優秀な人材が多いというのは、世界的に賞賛されているところである。

しかしこの人材は偏っており、政治の分野における人材は乏しい。それを痛感した私は、この学校の設立を決意した。

この学校では、受け身的な学びでなく、主体的に何かをつかみ取ろうという姿勢を期待している。そして、ひとつの論点を正反対の立場で議論することで、主義・主張を超えて考えていくことを希望している。

◇トライセクターリーダーとは

日本の立法は、いまも明治以来の中央集権システムをそのまま継承している。

すなわち7~8割の立法は内閣によるもので、ほとんどの法律は、国民の代表ではなく、試験で選抜されたエリートによってつくられている。したがって、病院であれ、学校であれ、法律は消費者・生活者の側ではなく、提供者の側に有利なものになっている。

しかし、今日の社会にあっては、もはやひとつのセクターだけに依存するのは限界であり、公共・企業・非営利の3つのセクターが、全体の視点でとらえて行動することが必要となる。

すなわち現代のような少子高齢化社会においては、税収が減少し、従来と同様の公共サービスが展開できなくなる。

加えて、多国籍大企業の台頭によって、公共セクターを従来の絶対的地位から、民間のセクターと対等な地位(相対的地位)へと移行することが不可避となる。

具体的な例をあげると、介護の問題がある。これは従来、税金で賄われていたが、今や、公共・民間・NPOの3つが、それぞれのセクターを超えて提供している。そこに競争が生まれて活性化につながり、新しい資本主義へと発展していく。また、セクターを超えて補てんし合うことで、社会全体が充実していく。

この多様化された流れにおいて、異分野の組織やひとと対話と施策を重ねながら政策を考えるのが、トライセクターリーダーである。

◇トライセクターリーダーとなる必要性と可能性

日本人がリーダーシップを発揮する必要性について考えると、

1、江戸時代において日本は、貨幣経済に依存することなく、『もの作り』による共生と助け合いの生活を基本としていた。(歴史)
2、日本人は有色人種の国のなかで唯一の先進国で、地理的、宗教的に中立であり、加えて武器に依存していない。(条件)
3、日本は、食糧、エネルギーを外国に依存することが不可欠である。すなわち、世界平和の恩恵を最大に享受する国である。(利益)

これら歴史・条件・利益という3つの点よりとらえても、分野のみならず、時間・空間を超えて広く物事を考え、リーダーシップを発揮することが、私たちには必要かつ可能であることが、明確にうかがわれる。

この学校に入学されたみなさまには、自分のあり方、方向性を認識して、既存のものを超え、セクターを超えて学び、行動に移していただくことを切に望んでいる。

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金野索一氏のプロフィール
 金野索一(こんの さくいち)

一般財団法人日本政策学校 学長 
多摩大学経営大学院(MBA) 客員教授  
嘉悦大学 客員教授  日本女子経営大学院 理事
 コロンビア大学国際公共政策大学院修士課程修了

「大前アンドアソシエーツ」取締役
「ビジネスブレークスルー」 取締役
「ネットキャピタルパートナーズ」共同創業者、取締役
「アースセクター」代表取締役(現任)
 
「政策学校・一新塾」運営会社ブレークスルー代表取締役
「アタッカーズビジネススクール」運営会社ブレークスルー代表取締役
「ビジネスブレークスルー経営大学院大学」取締役
「日本政策学校」創設者、代表理事(現任)
「日本女子経営大学院」創設者、理事(現任)

講義データ (2016年6月5日に開催された、日本政策学校第9期入学式・開講記念講義「戦略的日本人」より)