054 | パリで知る歩く喜び走る楽しさ。セーヌ川に寄り添い名所を巡る。

「普段、日本にいる時にはほとんど歩かない。なのに、パリに来てからは、時間があるとずっと歩いてる」。出張でパリにいらした方から、そんな声をよく聞きます。散歩するだけでも気持ちのいいパリですが、人通りも交通量もぐっと少ない日曜の朝は、ジョギングに最適です。フランスは、デパートを始めショップも日曜・祝日はお休みですし、観光で回るのも良いけれど混雑は必至。それならいっそのこと、朝ジョギングをして、ゆっくりとランチを楽しむ。これまでと違ったパリの過ごし方をしてみませんか?

「普段、日本にいる時にはほとんど歩かない。なのに、パリに来てからは、時間があるとずっと歩いてる」。出張でパリにいらした方から、そんな声をよく聞きます。散歩するだけでも気持ちのいいパリですが、人通りも交通量もぐっと少ない日曜の朝は、ジョギングに最適です。フランスは、デパートを始めショップも日曜・祝日はお休みですし、観光で回るのも良いけれど混雑は必至。それならいっそのこと、朝ジョギングをして、ゆっくりとランチを楽しむ。これまでと違ったパリの過ごし方をしてみませんか?

第1回目の今日は、セーヌ川を中心に行きたいと思います。セーヌ川沿いはエッフェル塔、オルセー美術館など見応えある建造物が目白押しなんです。それらを傍目に走るのは、本当に気持ちがいい。川岸には歩行者専用の道もあって、川の高さから見る景色はまた違った印象です。空も広く感じて、地元ランナーもたくさん走っています。そして最後はマルシェでゴール。セーヌ川沿いのパリの名所を巡るコースです。さぁ、走り始めましょう。

コンコルド広場から凱旋門に向って走り始めます。日曜の朝、人の少ないシャンゼリゼを走るのは爽快!

1つ目の交差点、左手にパリ万博の際に建てられたグラン・パレとプチ・パレがあります。間の道に入りましょう。正面には黄金のドームが輝くアンヴァリッド、手前には、豪奢なアレクサンドル3世橋が見えます。

グランパレが見えて来たら左へ。

正面にアンヴァリッドが見えて・・・

左手にプチパレを見ながら通り過ぎ・・・

セーヌ川に出たら右折。川沿いをそのまま走ります。並木道が気持ちいいです!

曲がってから2つ目の橋が、アルマ橋です。エッフェル塔撮影のベストスポットとされる場所!そのまま直進します。右手にはパレ・ド・トーキョー。歩行者専用の小さな橋の向こうにはケ・ブランリー美術館もあります。エッフェル塔の姿も徐々に迫ってきます。イエナ橋に着いたら、エッフェル塔を正面に見据えて橋を渡ります。橋を渡ったら、左折します。

先ほども通り過ぎた歩行者専用のドゥビリー橋を過ぎると、川岸に降りて行く道が左斜め前に見えます(エッフェル塔を左折してから、2つ目の川岸に下りる道です。1つ目は下りた先が行き止まりになっているので注意!)。そこを下って川岸へ。ここからオルセー美術館前まで、かつては車道だったところが、いまは歩行者専用道路になっています。ランナーもたくさん!二重構造になっているレオポール・セダール・サンゴール橋を筆頭に、川岸から見る橋には異なる角度からの美しさを発見できて、目を奪われているうちに走り進んでいる感じです。セーヌ川岸と書かれた標識を目印に、ここから下ります。

アレクサンドル3世橋も下から見るとまた違う表情。

最終地点が近づくと、右手にオルセー美術館の大時計が見えてきます。川沿いからだと建物上部だけが見えて、時計もより大きい印象です。左手には、ルーブル宮の先端が。地上の道路に出たらそのまま直進します。一本目の道、rue du Bacとの交差点を右折。道なりに進み、サンジェルマン大通りにぶつかったら、渡って、斜め左前のラスパイユ大通りへ。

500mほど行くと市場が出ています。これが有名な「ラスパイユのビオマルシェ」。ここでGOALです。チーズやハム、フルーツはもちろん、もしキッチン付きのホテルなら、ブルゴーニュから来ている卵専門の生産者から新鮮な卵を買って、遅めの朝食にオムレツを作るのもいい。疲れていたら、市場の端にあるレンヌ駅からメトロに乗るもよし、まだ元気があれば、野菜農家のフレッシュジュースを飲みながら、歩いて帰るのもよし...。

コンコルド広場からのこのコース、わずか6.5kmほどながら、見所満載。遊覧船に乗ってセーヌ川を下りつつの観光もいいけれど、川の流れと歴史的建造物に挟まれながら走り、風を感じる気持ち良さには、なんとも言えない高揚感があります。一度試したら、また走りたくなるし、新たな場所にもきっと足を伸ばしたくなりますよ!

川村明子

●かわむら・あきこ

1974年、東京生まれ。フードライター。大学卒業後、98年に渡仏。「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて料理・製菓・パン課程修了。フランスの食にまつわる記事を取材・執筆しながら、フランスと日本の食材を使った独自の料理を研究する。著書に、『パリのビストロ手帖』 『パリのパン屋さん』(新潮社)、『パリ発 サラダでごはん』(ポプラ社)。

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(「からだにいい100のこと。」より転載)

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