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10歳、感動の「2分の1成人式」には批判も? どんなイベント?

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小学4年生の定番イベント「2分の1成人式」


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「2分の1成人式」という行事をご存知でしょうか? 

成人つまり20歳の2分の1にあたる10歳、小学校4年生の三学期の参観日に行われることが多い行事です。各地の小学校に広まってきたのはここ15~20年ぐらい前からでしょうか。「自分も小学生の頃にやった」という方もいらっしゃるでしょうね。

子どもに自分の育ってきた10年の歴史を振り返らせたり、親への感謝の手紙を書かせたり、学校によっては「2分の1成人証書」の授与、校長先生や保護者代表の祝辞、合唱などが行われるそうです。10歳ときりのいい年齢になったことを、ひとつの節目として位置づけ、子ども自身が自分の成長を振り返り、育ててくれた人の感謝するセレモニー、というのはすばらしいことのように思えますが......

実はこの行事には、批判も多くあります。だって両親がそろっていて、愛されて育っていた子ばかりではないから。教室という小さな単位で見ても、離婚、死別、虐待など、さまざまな事情を抱える子が存在しています。

その子の生まれ育った環境や、今の境遇をあからさまにしてしまうことで、差別や別れなど不幸な記憶を思い出させてしまったり、いじめにつながったりという可能性はゼロではないでしょう。そんなリスクがあるにもかかわらずなぜ多くの小学校で2分の1成人式を行うのか。

私が参加した2分の1成人式の様子と、そこでの体験を交え実態をお話します。

「2分の1成人式」開催に向けた綿密な根回し


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私には3人の娘がおり、全員が同じ近所の公立の小学校に通っていました。のんびりとしたいい雰囲気の学校でした。現在大学生の長女のとき(9年前)は2分の1成人式はまだなく、高校生の次女のとき(7年前)が初回、三女のとき(5年前)には「4年生の最後の授業参観でやるもの」と、すでに定番化していました。4年生の5月、次女のときも三女のときも、最初の保護者会で年間行事の通達と同時に先生からの「お手紙」が渡されました。

「来年の1月の授業参観では2分の1成人式があるので、家族の誰かが絶対に来てください。今から調整すれば、いくら何でも休めないなんてことはないでしょう」といったことが書いてあり、口頭でも「お忙しいでしょうがこの日だけは来てください」と要望がありました。

正直「え、学校が会社休めなんていっていいの?」と驚きました。「授業参観くらいで休めないという考えの人もいるだろうに」とも思いました。どんなに忙しくても、ずっと前から予定が決まっていれば数時間の休みは取れるものですが、学校がそこまで踏み込んで問題にならないものか心配になりました(幸い、クレームを付ける親はいなかったようです)。

そこまで踏み込むとはどういうことか。「たかが成人式ごっこ」と内心バカにしていた私は、学校側のただならぬ気迫を感じました。

「2分の1成人式」当日は、子どもの成長に感動の嵐


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さて、学校からキチンと通達されていたこともすっかり忘れていた三学期。授業参観の少し前に、子どもから改めて「招待状」を渡されました。「ぜひ来てください」と書かれています。さらに「先生に絶対おうちの人にきてもらってねって言われた。うちだけ来ないのはイヤだから、お母さん絶対きて」とプレッシャーをかけてきます。

ここまで言われると行かないという選択肢はありません。当日、教室に入ると、いつもより大勢の保護者の姿がありました。ママたちだけでなく、お父さんやおじいちゃんおばあちゃんらしき人の姿もちらほら。顔見知りのお母さんたちも、なんだかそわそわ。「何をやるのかしらね」とひそひそ話したりしていいました。他の学年は普通の授業参観。4年生だけがそれぞれの教室で「2分の1成人式」が執り行われました。

まず先生のあいさつがあり、子どもたちの歌がありました。「10歳までいろいろあったけど育ててくれてありがとう、これからもよろしく、未来を見ていこう」的な歌詞で、早くもすすり泣いているお母さんもいました。私も赤ちゃんの頃のことなどを思い出し、ちょっと涙腺が緩みました。

メインイベントは、ひとりひとりの発表。子どもたちが「育ててもらった感謝の気持ち」と「将来の夢」を語りました。将来の夢は男の子はサッカー選手、女の子はお菓子屋さんお花屋さんが多かったように記憶しています。大きな声で堂々と語る子もいれば小さな声で恥ずかしそうに読み上げる子も。そしてそれを聞いている保護者は泣いたり笑ったり...... あんなに小さかった我が子がこんなに立派になって、とあっさり感動させられてしまいました。

結局は大人のための行事?


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授業参観の後、保護者会がありました。

そこで先生は「誰か一人でも保護者が来られない子がいたら、2分の1成人式はとりやめて、普通の授業にしようと学年担当で申し合わせていました。学年全員が保護者に感謝の気持ちを伝えることができてとても良かった」とおっしゃっていました。お母様でもご両親でもなく「保護者に」です。

そして「ひとりひとり環境は違うけれど、これまで生きて来れたのは誰かが育ててくれたから、ということを子どもたちに理解して欲しかった」とも。

両親がそろっていない子、つらい思い出のある子もいるということを踏まえて、セレモニーを設計したそうです。そこまで配慮して考えるのも大変だったろうなと思います。感謝するとともに、ただでさえ過剰労働気味の先生方の負担を考えると、これって本当に必要な行事だったのかな? という疑問が一瞬頭をよぎりました。

主役の子どもにとってはどんな行事だったのでしょうか。「2分の1成人式どうだった?」と思い出を聞いてみると、現在高校2年生の次女は「『意味なくね?』と思ってた。いやだった」、三女は「覚えてないな」と言い放ちました。先生はあんなに苦労して、親はあんなに感動して泣いたのに。結局は、先生と保護者の自己満足、大人のための行事なのでしょう。

批判もあり、子どもへの効果もよくわからない2分の1成人式ですが、それでも個人的には「あり」だと思っています。4年生を過ぎると男女とも精神的にも肉体的にも「子ども」時代は終わりに近づき、思春期、反抗期もすぐにやってきます。2分の1成人式の感動は、その後の怒濤の日々を乗り越える支えのひとつになってくれたのです。

【ライター 曽田 照子】
書籍、広告、WEB、フリーペーパー、情報誌など、多彩な媒体に執筆。
著書
「ママが必ず知っておきたい!子どもに言ってはいけない55の言葉」メイツ出版
「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたとき読む本」中経の文庫
「お母さんガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気を失う言葉66」学研パブリッシング等。

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