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「育休男子.jp」の社員が語る育休生活の醍醐味と自社運営の託児スペースへの担当者の思い 「ワークスアプリケーションズ」を包む子育てを応援する文化

2016年08月26日 23時34分 JST

ラシク・インタビューvol.55

ワークスアプリケーションズ リクルーティングDiv. 髙橋 俊晃さん

ワークスアプリケーションズ 経営企画Div. 牛丸 侑香里さん

ワークスアプリケーションズ 経営企画Div. 谷口 裕香さん


企業内託児スペース「WithKids」を開設することを今年6月に発表したワークスアプリケーションズ。安心して働き続けられる制度として知られる出産・育児支援制度「ワークスミルククラブ」などを実践してきた同社が、「自社運営」という形で理想の育児環境の提供を目指し、保育スタッフの採用に業界最高水準の待遇を用意したことはかなり話題となりました。また、同社には、9ヵ月間の育児休職中に育休について情報発信する「育休男子.jp」(http://育休男子.jp/)を立ち上げている男性社員がいます。今回は、「育休男子.jp」の髙橋俊晃さんから、育休取得の理由や実際の経験談を、企業内託児スペース「WithKids」のプロジェクトメンバーの女性お2人には、立ち上げの背景や思い、目標などを伺いました。


育休を取っただけの人にはなりたくない

復帰後、仕事への意欲と育児の狭間で感じるジレンマ


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写真:(左より)牛丸さん、谷口さん、髙橋さん


ラシク編集長 宮﨑(以下、宮﨑):まず髙橋さんに、育児休業についてお伺いしたいと思います。育休を取られていた期間はどのくらいになりますか。

髙橋さん(以下、敬称略):子どもは2015年6月に誕生し、妻は産休・育休と合わせて1年弱の休みを取りました。僕は7月半ばに育休に入り、9ヵ月間取得しました。4月に子どもが保育園に入園し、1週間の慣らし保育を経て僕は4月の2週目に復帰し、妻はその1週間後に復帰しました。

宮﨑:ご夫婦共に復帰して数ヶ月が過ぎたわけですが、今の思いは?

髙橋:子どもの風邪や熱が続き、毎週のように病院通いが続いた時もあり、キッズラインのベビーシッターマッチングサービスなども利用しながらしのいでいるというのが現実です。

子どもの急な体調不良などの緊急時には、子どものお世話をしながら僕が在宅で仕事をするというようなこともありますが、やはり思うように両立はできませんよね。また、妻は時短勤務での復帰なので、どうしても妻の方に負担がかかりがちです。僕も「ただ9ヶ月育休を取っただけの人にはなりたくない」と思っているので、できる限り僕も子どものお世話をみたい。ただ、仕事が好きですし、やりたいプロジェクトもたくさんあるんです。ありがたいのは、同僚が僕を「ブランクがある人」という目で見ていないことですが、だからこそのもどかしさも感じています。

「お父さん、お仕事は?」という奇異な目も

「育休中」という事実が分かると評価が真逆に


宮﨑:ご夫婦一緒に育休を取られていた期間の助け合いや分担のご様子はどうでしたか?

髙橋:周りのパパ・ママたちからは「2人で休みを取って育児をするんだから余裕があるんじゃない?」とよく言われたんですが、実際はそんなことは全然なくて...。何しろ初めての子どもですし、命を預かっているということをものすごく感じて。半年ぐらいたってようやく、「少し余裕が出てきたかなあ」と思えるようになりました。

9ヵ月育休を取って育児をしていると、授乳以外のことはすべてこなせるようになるので、妻の私への期待値がどんどん上がっているなと感じますね。世間一般からは「すごい」「頑張っている」と見られることでも、「できて当然でしょ」という感じで(笑)。

あとよく言われる、「お母さんは母性があるから夜中でも赤ちゃんが泣くと起きるけど、お父さんは起きない」的な神話はウソだということがよく分かりましたね。僕、普通に起きましたもん。つまり、これは母性云々の話ではなく、当事者意識の問題だと思っています。

育休中は、両親学級や子育て広場などの地域のママ・パパコミュニティには、夫婦と子ども、家族3人で出かけることが多かったので、居心地の悪さのようなものを感じることはあまりなかったですね。それでも、平日息子を連れていると、公共施設の受付の方に「お父さん、お仕事は?」と聞かれたり、マンションの管理人さんに「仕事はどうしたの?」と聞かれたり。無職なのに明るい顔をしている、そんな何者か分からないような奇異な目で見られることがあるんですよね。それが一転、育休を取得していると分かると評価が真逆になるんです(笑)。だから、なるべく早めに自分から「今育休中なんです」と言うようにしていました。

卒論のテーマは「男性保育士の現状と課題」

学生時代から家庭を大事にするパパになりたかった

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写真:髙橋さんの育休中の様子

宮﨑:何でも学生時代から「育休を取ろう」と考えていらしたとか。

髙橋:そうなんです。当時は、「ワークライフバランス」という言葉が出始めてきたころで、自分の将来の仕事と家庭を考えると、「家庭を大事にするパパになろう」というなんとなくの思いがありました。2005年に書いた卒論のテーマは「男性保育士の現状と課題」で、フィールドワークとして保育園の現場に取材に行ったり、男性保育士さんにインタビューしたりしました。保育や子育ての新しい施策を国も色々打ち出しているように見えますが、今言っていることは既にその当時から言われていたことだと、現場を見た経験からも感じます。要は国が真剣にやろうとしているかどうかなんですよね。

社会人3年目の24歳の時に、今の会社に転職したのですが、その理由は、ワークライフバランスの観点というわけではなく、より自分の力を高められる環境、正しいことを正しいとより明確に表明できる企業風土などを求めての転職でした。転職したのが2008年なので、育休を取ったのは入社8年目のことですね。

男性でも育休を取れることを知らない人の多さに驚き

育休中から『育休男子.jp』で情報発信


宮﨑:育休を取ろうとしたときや、取ったことに対する周りの反応はいかがでしたか?まずは奥様、そして上司、同僚の方々...。

髙橋:色々な場で一番よく言われたのが、「(育休を取らせてもらえるなんて)いい会社ですね」という言葉ですね。それに対して妻が「"いい会社"だからじゃない。自分で決めて取ったあなたがえらいんだ」って、もう何年ぶりかという感じでしたが、ほめてくれたんです(笑)。これは嬉しかったですね~。そんな妻ですが、僕が育休を取ると言い出した時には、「え?本当にそんなに長く取るんだ」と、どちらかというと驚きを持ったような受け止め方でしたね。

上司のことは信頼していましたし心配もなかったのですが、なかなか言い出すタイミングをつくれなくて。安定期に入ってからにしようかとか、でもそれを待っていると、来期の自分の仕事の担当も決まってきてしまうというような状況で。また、言えないまま年を越したくないと思って、年末の忘年会の2次会で上司に「実は子どもが生まれる予定です。1年ぐらい育休を取りたいと思っているんです!」と。上司も「おお、それはよかった!分かった!」と、そんな雰囲気でした。

当初漠然と「1年ぐらい」と思っていましたが、仕事のきりが良いタイミングということで新年度4月復帰にしたので9ヵ月間になりました。育休を取ることに対しては同僚からも、「いいね」、「すごいね」という反応が多かったですね。もともと自己の裁量に応じて働くことができ、休暇を取得しやすい文化がある会社だと思います。ただ一方で、「うちの会社って、男性が育休を取れる制度があるんだ」という声も多かったんです。世の中一般としても言えると思いますが、育児・介護休業法という国の制度によって取得ができるということ、給付金が出ることなどを知らない人がすごく多いんです。

宮﨑:そんな驚きが、『育休男子.jp』で発信を始められた背景にもなっているのですか?

髙橋:たくさんの時間を子どもと一緒にいられるのに、なぜみんな育休を取らないんだろうと思っていたところに、そもそも育休を取れることを知らない人が多いということ、それに伴い「育休を取る」という概念すらないことを実感しました。実際、僕は男性で育休を取ったからこそ、自らが発信することで社会を少しずつでも変えていければ、と思いました。頭の体操も兼ねて、ありもののブログではなく、自分でサイトを作りました。育休パパからのリアクションもあれば、お母さん方からのリアクションもあったり。リアクションがあることで、発信している意義も感じますね。

宮﨑:仕事に復帰される際、ブランクは特に感じませんでしたか?

髙橋:技量としてのブランクはそれほど感じていません。若干あったとしても、すぐにキャッチアップできると思っています。言うなれば、チームとして仕事をしていく中で、みんなが共有している去年の経験を、自分が知らないことに寂しさを感じることが、たまにありますね(笑)。「ここで苦労したんだよね」「そうそう」ってみんなが話している時に「俺、いなかったよー」と感じるのが、寂しいようなもどかしいような。でもそれも、すぐに取り戻していけるものだと思っています。

お世話を密にしていると日々愛情が増していく

育休は得難く充実した時間だった

宮﨑:育休を取って、どんな点が良かったと思いますか?

髙橋:やはり息子が日々育っていく様子を見られるのがすごく嬉しくて楽しくて。密に過ごしているから一層、日々愛しさが増すんですよね。もちろん、なぜ泣いているのか分からなくて何時間もあやしたり、今オムツを変えたばかりなのにウンチをされるなんていう、子育てあるあるもたくさん経験しましたけど。抱っこしていると、1歳になった今よりも、あんなにちっちゃかった生後3ヵ月ぐらいの方が、ずっしりと重く感じるんです。それだけ僕も力が入っていたんでしょうね。

それも、最初から当事者意識を持って育児に取り組めていたからこそ、感じることだと思うんです。

もう1つは、ワンオペができるようになることですよね。1人でも、子どものことや家の中のことを回せる。僕は9ヶ月間の育休を取りましたが、みんながみんな育休を取らなくてもいいと思っています。それぞれの家庭のスタイルがありますから。でも、土日は夫婦で完全分担をしてみるとか、たまには妻が1日自由に出かけられる日を作って夫が家事育児を担当するとか、育休を取らなくても工夫をして、お父さんも家事や育児のひと通りのことができるようになっていると安心ですよね。

育休を取ったことで、今まで接することがなかった人たちとの出会いもたくさんありました。地域の子育てコミュニティで会うパパ、ママたちから始まり、国のイクメン推進イベントなどで出会った経営者の方々もいます。「保活ってやっぱり超大変!」ということも身をもって体験しました。社会を見る目と視野がすごく広がりましたね。

男性は、育休を取らない理由を色々言いやすいんです。僕は社内でも「育休取るといいよ」と言っています。子育てにがっつり向き合った時間は、本当に得難い充実した時間でした。

出産育児によって影響を受ける女性のキャリア

女性が進む道の選択肢を増やしたい

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写真:毎年300名超の社員とその家族が集まるスポーツイベントである「わくわく♪運動会」に参加する谷口さん親子

宮﨑:次に、ワークスアプリケーションズさんが今年の冬にオープンを予定している企業内託児スペース「WithKids」についてお伺いしたいと思います。今までも提携している保育園があったと伺っていますが、企業内に託児スペースを作ることになった理由は?

経営企画・牛丸侑香里さん(以下、牛丸):2004年から、弊社独自の出産・育児支援制度である「ワークスミルククラブ」をスタートしました。これは、社員自らが発案して具現化した制度で、ママ社員が働き続ける上でぶつかる様々な問題を解決して"働くことを楽しむ"ために、妊娠判明時点から出産後子どもが小学校を卒業するまでの約12年間、段階的なサポートを行うものです。特徴的な内容としては、「職場復帰特別ボーナスの支給」、「妊娠判明時から、子どもが3歳に達した後の3月末まで育児休業の延長が可能」、「子どもが小学校を卒業するまで選択できる短時間勤務制」などがありますが、その他のひとつとして、会社が提携する託児所に入所する際の支援も行っています。

当社には、「クリティカルワーカーに活躍の場を」という企業理念があって、すべての制度や風土は、全社員が活躍し続けられる環境を提供するという考えが土台になりたっています。その中で、女性社員はどうしても、出産育児によってキャリアにダイレクトな影響?