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いま、なぜ営業女子がアツイのか 女性活躍目標を阻む特定部署の課題

2015年09月08日 17時44分 JST | 更新 2016年09月06日 18時12分 JST

 こんにちは、女性活用ジャーナリスト/研究者の中野円佳です。私は今年4月にチェンジウェーブという企業変革を手がける会社に転職したのですが、最近企業からの問い合わせが多いのが営業部門での女性の活躍推進についての相談です。どうして今、営業女子=エイジョが熱いのでしょうか。

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 前回紹介した「新世代エイジョカレッジ」は、リクルートホールディングス、サントリーホールディングス、日産自動車、IBM、キリン、三井住友銀行、KDDIの7社が合同で実施している取り組み。今年は2年目に入り、本日9月8日、まさに最終プレゼンが開かれているところです。

 会社名を見ると、ダイバーシティ推進企業として表彰経験があるような企業、女性比率が比較的高いような企業も入っているのですが、それでも課題感があったのが「営業」なのです。2014年度エイジョカレッジ参加者たちの分析によると、営業女性は入社10年で10分の1に減ってしまっていると言います。必ずしも退職しているわけではありません。営業を離れているのです。

 2014年度の「ワーマノミクス」というチームは、入社1~4年目の「第1の壁」は男女ともに元から営業が合わないなどの理由であるのに対し、4~10年目に「第2の壁」が存在すると指摘しました。この「壁」は、できれば営業を続けたいと思っているにも関わらず、ライフイベントを意識すると不安を感じてしまうというものだそうです。

 2015年度は、初回、営業にまつわる固定概念を洗い出すワークからはじまりました。その文言を見ると、やはり「バリバリの人しか上がっていけず、ライフイベントがあると続けられない」というフレーズがでています。このほか、「営業は足で稼ぐもので長時間働くことが必要」、「女性には任せられないという空気があり、クライアントに『男をつれてこい』と言われる」など、まだまだ営業の商習慣に女性にとってのハードルがあることがうかがえます。

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 一方で、経営側には、全社的なダイバーシティ推進のためにも、そして様々な経営改善のためにも営業で女性が増えていく意義があります。先日成立した女性活躍推進法により、企業は数値目標の設定と達成に向けた計画作成や公表が求められるようになります。でも、企業内を見渡すと、部署によって大きく数字が異なるのが現状。いわゆる人事・総務などの本社機能では女性管理職が多くても、「本丸」である営業部門でいかに女性に活躍してもらうかは、特に企業全体の課題になりつつあるのです。

 今年度のエイカレの中間プレゼンではリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長がご講演をされ、消費の決定権を持っているのは女性であるというデータを示していました。女性が社会進出をすればこの数値は変わるかもしれませんが、内閣府の「男女の消費・貯蓄等の生活意識に関する調査」によると日常的な買い物の74%は女性が意思決定をしています。残り26%は男性かと言うと、男女が共同で決めているというのが大半で、男性の意思決定はたった4.4%だそうです。

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昨年度は日産自動車の顧客満足度調査で、女性営業のほうが高い数値が出ているというデータも示されました。稼ぎ頭である営業部門で、せっかく採用し、育成してきた人たちが離脱してしまうのは人件費レベルでも企業にマイナスのはずです。受け止め側も真剣になる中、営業女子たちからはどんな提言が出てきて、それは果たしてインパクトを持ったのか。次回記事では2014年度の成果と2015年度の様子をご紹介したいと思います。