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私は2人の孫がいるおばあちゃん、HIV患者です。でも人に感染させることはありません

2017年07月22日 15時29分 JST | 更新 2017年07月22日 15時32分 JST

SAMANTHA DAWSON

多くの場合、人々はよく私に最初に「どうしてこうなったのか」「どうやってHIVに感染したのか」と質問します。おそらく、HIVはしばしば性行為と結びつけて考えられることが多く、私が異性愛者の女性だからでしょう。しかし、答えは簡単です。ゲイか異性愛者かに関係なく、他の多くのHIV患者と同じように、セックスをしたからです。

私がHIVと診断されたのは、2008年3月19日。私は交際中で、彼と安全でないセックスをしました。しかし、HIV患者の7人に1人と同じように、彼は自分がウイルスに感染していると知らなかったんです。

私は性感染症にかかっていたのでクリニックに通っていて、そのときにHIV検査を受けました。頭の中では本当に必要なのか、と考えましたが、自分のリスクは低いと思っていたからです。でも、ともかく受けることに決めたんです。

そのとき、そこで診断が下りました。それは全くショックなことでした。まるで部屋を漂う雲のように感じ、何を考え感じたらいいのかよく分かりませんでした。いとこがクリニックに一緒に来ていましたが、私が告げた時、彼女は悲鳴を上げ、ショックと混乱で泣き叫びました。彼女は、私に"死刑宣告が下った"ように感じたそうですが、それは私も同じでした。

離別していた元夫に病気のことを告げると、彼は3ヶ月間、私の面倒を見てくれました。そのとき、私はいわゆる不安障害と摂食障害を発症しました。もし当時の私の写真と今を比べたら、おそらく私だと認識できないでしょう。私はサングラスと大きな帽子で自分の姿を隠しました。

私は、幸運にも周囲のサポートがありました。治療を受けていた病院の健康アドバイザーは、なんと私のママとパパに(病気を)告げるときに一緒に付いてきてくれました。

私は、ママが「神よ、娘は死にます」と言ったのを覚えています。初めて診断されたときのように、HIVを抱えた私が生きることはできない、とママは思っていたのです。

診断から3年後、私は支援ワーカーに出席するよう説得されて、ロンドンでの集まりで、他のHIV陽性の女性に会いました。これは私にとって重要な瞬間でした----。私と同じ立場の他の女性と会って、体験を共有したのです。

私は自分がHIV患者だと分かってから、しばらく交際していませんでした。(自分を)全然魅力がないと感じていたからです。全然魅力的でないと感じているとき、あなたは他の人からの承認が必要だと思うでしょうが、私が承認を求めたときはダメージを受けました。交際は、HIV患者にとって一番難しいことのひとつかもしれませんが、それはただ、いまだに私たちの長期的な健康状態についての無知と汚名のせいです。

Smantha Dawson

ヘルスケアに関することで、私は多くの汚名に直面しました。多くの場合、HIVに関する人々の知識のなさと時代遅れの考えは、間違った情報が伝達され、あなたがリスクとして扱われることを意味しています。

あるとき、看護士が私の部屋に薬を投げ入れました。彼女は私から(HIVに)感染するかもしれないと恐れて中に入りたくなかったのです。私は多くの医療専門家から、数えきれないほどこう聞かれました。「どうしてHIVに感染したのですか」、「ドラッグを使っているのですか」、そして、「あなたはセックスワーカなの?」と。

私に違った扱いをする理由はありません--。というのも、私はHIVを感染させられないからです。これは、人がまだ信じられず、理解できない主な事実のひとつです。私は有効なHIV治療を受けているので、人に感染させることはありません。HIV患者で、有効な治療を受けていて、感染性のない何万人もの人も同じです。これは、治療が血液中のウイルス量を非常に低い水準、つまり「検出できない」水準に減らすので、もはやウイルスを感染させることはないのです。

これは、HIVの流行開始以来もっとも大きな進展のひとつですが、みんなこの事実を知りません。つまり、HIVに感染することなく、HIV患者とセックスができ、交際でき、子どもも持てるのです。非現実的に聞こえるかもしれません----これは本当です。そして、全員がこれを知れば、私たちはHIVにまつわる汚名を止められるでしょう。

診断を受けてから5年後、私は有効なHIV治療を開始しました。私が開始したときは、感染させられなくなることが目的ではなく、寿命を延ばして健康的に暮らし、私が社会の一部だと感じ、再びもっと「普通に」なることが目的でした。

しかし今は、(HIV研究の)パイオニアであるPARTNER研究が2016年に発表した研究結果(一方がHIV検出不可能で、もう一方がHIV陰性かつ全く感染していないカップル間での、コンドームをつけない5万8000例のセックスを研究した内容)は、私は健康で、調子も良好で、感染させることはないと自信をもっていえるものです。

現在、診断から10年後、私は自分のHIVの状況についてとてもオープンです。私の娘と息子を含む家族の全員が知っていて、私のかわいい2人の孫も知っています。孫はまだすべてをしっかり理解してはいませんが。

当初、私はいつも彼らを第一に考えていて、とくに今年13歳になる孫娘にはそうでした。彼女がその年齢に達する頃、彼らはいろいろと話し始めます。私は13歳の子たちにHIVについて話すために学校に行ったことがありますし、子供たちが互いに付き合っているのも見たことがあります。ひとりの男の子が、私にサルとセックスをしたことがあるのかと尋ねたことさえあります。彼は集会から立ち去るように言われたが、彼を責めることはできません。彼は、そう言われてきたのかもしれないのだから。

筆者(左)と友人

これはまた、HIVに関する無知との戦いも明らかにします。世の中の人々の態度や意識が医療の進歩に合わせて最新の情報に追いつくには、まだまだ多くのことが必要です。

ちょうど先月、ある調査によると、40%の人が効果的なHIV治療を受けている人との会う際に不快感を抱き、意外にも、効果的な治療を受けている人々がHIVを感染させることはない、ということを9%の人しか知りませんでした。

私たちは科学で間違った思い込みに挑戦する必要があります。HIVは、もはや普通に幸せで長生きする生活を妨げるものではなくなりました。だからこそ私は、HIVの慈善団体「テニス・ヒギンズ・トラスト」のキャンペーンを支持しています。このキャンペーンは、偏見を破り、HIV感染を止めるのをサポートすることを目的としています

2人の孫をもつおばあちゃんのサマンサ・ドーソンは、HIVとともに生きていて、誰かに感染させることはないということを、私はみんなに知ってもらいたいです。

「Life Less Ordinary 」(ちょっと普通じゃない人生)は、ハフポストイギリス版のブログシリーズ(英語)で、風変わりで素晴らしい人生経験を紹介しています。

ハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。