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地球型惑星の数は、それこそ天文学的だ

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11月4日の記者会見では、アメリカ航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡の観測から新たな分析結果がいくつか明らかになった。それは驚異的な内容だった。

太陽に似た恒星約500億個うち約22%が、表面に液体の水を保持するのにちょうどよい軌道距離の惑星をもっていることが明らかになった。言い換えれば、そのような恒星の5つに1つは、いわゆる「アビタブル・ゾーン(生命の生存に適した宇宙の領域)」内に地球サイズの軌道周回惑星をもっていることになる。

この分析結果は、天文学者エリック・ペティグラ、アンドリュー・ハワード、ジェフ・マーシー (カリフォルニア大学バークレー校とハワイ大学の研究チーム) が発表したものである。これは、宇宙のどこかに生命が存在する確率を大いに高めるものだ。なぜかというと、私たちはそれを「生命」などと崇高な言い方をするが、その薄汚れた有機化学物質が存在する可能性は、それが発生し、繁栄するのに利用できる土地の量に比例するからである。議論は明白で、疑いようがない。あなたが、「生物学は神が投げつけた稲妻の一撃から生まれた」と確信していなければの話ではあるが。

ケプラー計画(2009年に打ち上げられた宇宙望遠鏡ケプラーによる惑星探査計画)以前には、恒星のうちのどれくらいの割合が生命居住可能な惑星をもっているかは、誰もわからなかった。だからこそ、この成果は重要であり、希望が持てる話題だ。なぜ希望が持てるかって?  よろしい、この定量分析の結果から導くことができる数字を検討してみることにしよう。

ここで、簡単な算数をやってみよう。ただし、算数が退屈になったときのために、この記事の最後の行に結論を書くことを約束する。その結果については、自分たちは宇宙で極めて重要な存在だと大げさに評価している人たちと対話するときに役立つだろう。

ある統計がある。すでに述べたように、太陽のような星すべてのうち22%は生命居住可能な、地球サイズの惑星をもっている。太陽に類似した星 、いわゆるG型主系列星(黄色矮星)とK型主系列星(橙色矮星) は天の川銀河のおよそ2000億個の星の20%を占めている。そうすると90億個の惑星が生命を維持できることになる。つまり、太陽の親類も生命が存在する惑星が存在できるように寄与している、ということだ。

しかし、銀河系に存在する恒星全体の4分の3は、M型主系列星、いわゆる「赤色矮星」である。赤色矮星はほの暗い、ちっぽけな星であり、太陽よりは若干小さく、そして、ずっと暗い。ハーバード大学の天文学者コートニー・ドレッシングとデイビッド・シャルボノーが最近行ったケプラーのデータの分析では、赤色矮星の16%がアビタブル・ゾーン内に惑星を持っている可能性を示している。掛け算をしてみよう。そうすると、生命が存在する惑星の候補として、さらに240億個の惑星を銀河のバーレル(樽)に投げ込むことになる。

これで私たちは、天の川に存在するすべての星の95%を説明してきたことになる。残りの5%は大きく、明るい恒星だ。それらの星は夜空を支配しているタイプの星であるが、悲しむべきことに稀にしか存在しないし、寿命も短い。生物学的に考えれば、そのタイプの星のことは忘れてよい。

さて、これで私たちは銀河系の真実に到達した。銀河系には少なくとも330億個の生命居住可能な惑星が存在している。これは最低ラインの数字である(我々は、映画「アバター」のなかの架空の衛星パンドラのような、惑星間物質で覆われた巨大な月を考慮していない)。もしそのような衛星も実際に存在するのなら、それだけで、ただでさえ驚くほどの数の生命居住可能惑星がさらにもっと増えることになる。

ところで本題に入る前に、過去の文書をちょっとだけ紹介しよう。1961年、12名の科学者がウェストバージニア州に集まり、宇宙の知的生命体についての考えをいろいろと議論した。このささやかな会合の議題は、主催者の天文学者フランク・ドレイクが考案した簡潔な方程式だった。それ以来、ドレイクの方程式は天文学の教科書に必ず書かれている。というのも、その方程式は、宇宙にどれだけの数の地球外生命が住んでいるかを決定するパラメーター(母数)を見事に集約させたものだからである。

この有名な公式の要素の1つに、無作為に選ばれた太陽系における地球のような惑星の平均数がある。1961年といえば、太陽以外の星の周囲を回る惑星が発見されるよりもずっと以前の時代なのだが、会合の参加者はその数字について公式には見解を述べることはしなかった。しかし、参加者は漠然と、ほとんどの星はそのような生命が存在できる場所をもっているだろうと推測した。現在では、彼らの楽観的な見方は、データによって証明されたように見えるし、また、たいへん洞察力に優れていたように思われる。彼らは先見の明があったか、とてつもなく頭が切れていたか、あるいは、宇宙人から密かに手掛かりをもらっていたのか。私はそのうちの2番目だと思う。

だから、今度あなたが街のネオンの輝きから抜けだして、天の川を見渡し、330億個以上の生命居住可能な惑星がどこかに存在しているという考えに思いを巡らしてほしい。しかし、これは天の川銀河という、いわばローカルな集団の話だ。私たちは全宇宙を見ることはできないが、私たちが見ることができる宇宙の部分には、大雑把に見ても1500億個の銀河が点在している。その銀河ごとに生命居住可能な惑星をそれぞれもっていることになる。だから、私たちが観察できる宇宙の中で、いま存在している惑星のうち、生命が存在する可能性があるものの数は、5000の10億倍の10億倍である。

これはきわめて大きな数字だ。この数字は、地球上のすべての人間の細胞の数よりも多い。

ここでお気づきになったろうか。そう、私たちは一般的にそうした数字を小数第2位までの数値として取り扱っている。その精度は本来合理的なものではない。そもそも「ハビタブル・ソーン」をどのように定義するかという議論も起こりうるだろうし、実際に、そうした議論もある。領域の境界の違いによって、合計の数値は大きくなったり小さくなったりするし、いずれの場合でもおおよそ2倍か3倍変動することになる。しかし、5000の10億倍の10億倍という数字を述べる場合には、実際に計算しているのはゼロの数 (この場合では21) である。

地球外生命体を探している人にとっては士気が上がる話だろう。この数値は次のように理解してもらいたい。パワーボール(アメリカの宝くじ)のくじ引きでは、1回のチケットで賞金を獲得する可能性は、およそ17万5000分の1である。私たちが見ることができる宇宙のなかで、地球が生命を抱える唯一の惑星であるとした場合、私たちの惑星は、4回連続でパワーボールの賞金を獲得するのと同じ確率で存在することになる。単に4回賞金を獲得するということではない。「4回連続」である。仮にそうであるなら私は断言する。私たちの故郷であるこの惑星は奇跡の産物である、と。

では、ここからが先に約束した「最後の行」である。私たちが住む水の惑星は、他の1500億個の銀河と似たような、何の特徴もない銀河に浮かぶ何千億個もの惑星のうちの1つである。あなたがどういうわけか地球が他のすべての惑星よりも特別な存在だと思い込んでいなければ、あなたは宇宙のどこかに住んでいるチューバッカやクリンゴン人と時折出会うことを期待できる。それだけではない。宇宙は生命があふれる海岸のようなものである可能性が極めて高い。宇宙では、生物は岩や雨と同じくらい自然の一部となっているだろう。

あなたは特別だろうか? 確かにそうだろう。しかし、間違いなく、あなたはひとりぼっちではない。

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