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広告を一切使わずあっという間に500万DLを達成した、Brainwarsという怪物スマホゲーム (川合雅寛 IT企業経営)

2014年10月19日 23時05分 JST | 更新 2014年12月19日 19時12分 JST

Brainwarsというスマホ脳トレ対戦ゲームをご存知だろうか? 今年5月にリリースしてから破竹の勢いで快進撃を続け、たった数ヶ月でなんと広告を使わずつい先日500万ダウンロードを達成してしまった、まさに「怪物」である。

■海外比率は脅威の95%超!

Brainwarsは今年1月に創業したトランスリミット社が開発した、スマホ型対戦脳トレゲームである。私も実際に遊んでみたが、簡単であるがゆえに速度が上がるとミスが増えてしまい、焦るためにどんどん失敗するという部分をいかにコントロールするかが鍵なゲームである。

対戦であるがゆえに相手との駆け引きもあるが、それらもすべて非言語で行われる事もあり、ダウンロードの内訳は海外比率95%という驚異的な数字である。実際に日本人と対戦できることは稀で、かなりの確率でアメリカ人か中国人との戦いとなる。

BrainWarsはこれまでに世界150ヵ国以上から利用され、海外ユーザ比率が95%以上を占める世界中から注目を集めているアプリとなります。現在は、8言語(日本語、英語、中文簡体字、中文繁体字、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語)に対応しており、更に4言語(ロシア語、ドイツ語、インドネシア語、スエーデン語)を追加する予定で、多言語化に力を入れております。

BrainWarsが累計500万ダウンロードを突破 トランスミット社プレスリリースより 2014/10/16

今月からはAndroid版もリリースしたことであっという間に1000万DL、下手すれば年内に1500万DLも夢ではないという観測記事も出ている。初期からの他言語化で成功したユナイテッドのCocoppaという先例もあり、業界内での期待値は非常に高い。

■高場社長はサイバーエージェントの社員

ここまで書くとたまたま当てただけだろと思われる方もいると思うので補足すると、高場社長はサイバーエージェントの元社員であり、Amebaピグの海外展開やガールフレンド(仮)などに携わっていた一人である。つまり、海外展開やソーシャルアプリでヒットさせるための素地はキチンとあったというわけだ。

日本でソーシャルゲームというとパズル&ドラゴン(パズドラ)やモンスターストライク(モンスト)等が思い浮かぶ方が多いかと思うが、パズドラはハドソンの山本氏を引き抜いていたり、モンストは元カプコンの岡本氏が担当していたりと、その道のプロがしっかり作りこんだからこその大ヒットを生んでいるわけだ。そこに今回の高場社長のように若年ながらもスマートフォンやソーシャル経験は長い経験者がチャレンジしたことで生まれたわけであり、いわば必然だといえる。

■500万DLとはどれぐらい凄いことなのか

では、500万DLをこの期間で達成することの凄さを調べてみた。ゲームの500万ダウンロードまでの速度を比較してみると以下のようになる。

   タイトル名 リリース  500万DL達成  達成までの期間 現在のDL数

   パズドラ  2012/02/20 2012/12/12 10ヶ月    3100万DL

   モンスト  2013/10/10 2014/04/04 6ヶ月     1400万DL

   Brainwars  2014/05/14 2014/10 5ヶ月     500万DL

つまり、パズドラの倍の速度であり、モンストの記録を1ヶ月更新していると言うことになる。LINE等のインフラに乗せていない且つ日本での利用率は6%程度と言うことで、ツムツム等のLINEゲームと比較しても驚異的であることは間違いない。

また、今年ニュースアプリのGunosyやSmartNewsがTVCMを出すことで漸くDL数が500万に達したが、広告費を掛けずに本当の意味でのバイラル(口コミ)だけでここまで来ていることも要素として大きい。もちろんアプリの性質が違うため比較に意味は無いのだが、それにしても十分に価値がある。

そういうこともあってか、先日LINEやユナイテッドといった会社と資本提携に至っている。

このようにすさまじい速度で成長するトランスリミット社を見ていると、日本も漸くこのレベルになってきたのかと感慨深いが、一つだけ懸念が私にはあった。

■ゲームは常に楽しませ続けなければいけない

実は8月のあるイベントで高場社長と名刺交換する事があった。その時は最速で200万DLを達成した直後ということもあってシリコンバレーのベンチャーキャピタリストの前でも堂々との語り口であったが、その際、一つだけ突っ込みがあった。それは「常に楽しませ続けられるのか?」である。

エンターテイメント系のアプリの場合、ユーザが飽きて離脱したら終わりである。そのためにはユーザが離脱しにくいような仕組みづくりが必要で、一般的にはフレッシュなコンテンツやイベントを定期的に仕掛けたり新しいゲームを実装していくのが慣例となっている。今は単純にユーザが急拡大しているため、離脱してもそれを上回る新規が取れておりアクティブユーザ数も安定していると思われる。

しかし、私もそうだが、少し遊んで離脱している層が少なからずいるのではないかということである。何故かと言うと、前から感じていたが対戦相手のマッチングの仕組みに少なからず不安があり、レベル的に近いものがいない場合はその時に遊んでいる相手を対戦相手としてマッチングさせるため、レベル上位者と初心者がマッチングしてしまい、勝負にならないということがまま起こる。

これを回避するためには、特訓モードかシングルプレイモードが必要となる。今のままではネイマール率いるブラジル代表にコテンパにやられたサッカー日本代表の様になってしまう人が続出しているのではないだろうか。

だからといって、Brainwarsの魅力が損なわれるわけでも快進撃が止まるわけでもない。トランスリミット社には引き続き世界共通のコミュニケーションを生み出していって欲しいと思う。

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川合雅寛 クロスリバー株式会社 代表取締役社長 兼 CEO