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なぜ「カンボジアで学校を作ってきた」二階堂ふみは就活で落ち続けたのか? ~映画「何者」

2017年01月09日 00時57分 JST

就活を題材にした映画「何者」

これは、2012年に早稲田田大学在学中の小説家、朝井リョウが書いた小説を原作にした映画です。

この夏就活が終わったばかりの研修生が「あれは、リアルですよ...」と言ってたことからもわかるように、2010年代の就活の様子がかなり克明に描かれています。

登場人物は、今の大学生にいそうな6人。

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新潮文庫「何者」朝井リョウ 表紙

この中で、特に特徴的なのが、二階堂ふみ演じる「意識高い系女子」

彼女はアメリカの大学に留学したり、途上国でボランティアをしたり、経験を積み重ねているが故に、自信満々で就活に臨んでいます。

グループディスカッションで「アメリカに留学したときの経験から言うと...」「カンボジアで学校を建てた時には...」といった発言をするシーンも登場するのですが、内定はなかなかとれません。心の中で見下していた地味目な有村架純にも先を越され...。

彼女の何が問題なのでしょうか?

■ボランティアや留学体験をどや顔で話すのは自爆行為

まず、大前提として、留学やボランティアは、悪いことではありません。

それ自体は、貴重な経験ですし、身につけられることもたくさんあり、若い人にはぜひチャレンジしてもらいたいと思っています。

しかし、留学やボランティアの経験は、企業に求められているものと微妙に異なるという問題があります。

面接官が一番知りたいことは「この人が自分の会社に入ってどのように活躍してくれるか?」ということです。

そして、その活躍が求められる舞台はビジネス、つまり「お客さんにサービスを提供してお金をもらう」ことです。

留学は、お金を払って、サービスを受けることです。

ボランティアは、お金をもらわず、サービスを提供することです。

どちらも、ビジネスとは根本的に違うことなので、この体験を話されても、あなたがビジネスの世界でどう動いてくれるかがよく分からないのです。

ましてやそれをどや顔で話されても「この人、ずれてるなー」と思われてしまうのです。

例えば、我々が運営している海外インターンシッププログラムで、日本のカレーをカンボジア人に売ってみよう!ということになり、無料試食会をすると、カンボジア人の人は「美味しい」と言ってくれます。

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しかし、実際に値段をつけて売り始めると来てくれない。

それは、カンボジア人は基本いい人なので、無料でくれた人に、お世辞で、美味しいと言ってくれただけだったからです。

実は、美味しいとは思っておらず、自分でお金を払ってまで食べたいとは思っていなかったのです。

これと同様に、ボランティアであげたものを喜んでもらったり、留学で先生に褒められたりというのは、このお世辞の域を出ない場合が多いのです。

一方的に喜んでもらうことと、相手に対価を払ってもらった上で喜んでもらうのは大きな違いがあるわけです。

■相手からお金をもらえる人材、それがビジネスで役に立つ人材

ビジネスは、売れないと分かってからが勝負です。

いかにしてお客さんの本音を聞くか、いかにしてお客さんが好むものに改良するかを考え抜き、実行し、お客さんにお金を払ってもらえるところまでたどり着くのがビジネスなのです。

こちらが頑張っても、相手の満足に達していなければお金はもらえないことは多いです。

そこであきらめずに、頑張るだけではなく、考え、行動し、改善し、目標に到達するところがビジネスなのです。

そして、就活の面接官が知りたいことは「あなたがビジネスの場で戦力になるか」なのです。

「アメリカ留学の話を書いたエントリーシートは落ちたり通ったりでしたが、サムライカレーのことを書いたエントリーシートはひとつも落ちませんでした」

という卒業生の体験談がそれを物語っています。

ボランティアも留学も、非常に価値がある体験です。しかし、それをそのまま「ビジネス」の力を試される場である就職活動に持ち込むのは効果的ではありません。

就活に臨む人は「お客さんからお金をもらう」ビジネス体験を積んでおくことをおすすめします。

これは、冷静に考えると当たり前のことなのですが、実際にできている人は社会人でも多くありません。ましてや、大学でこのスキルを身につけている人は、かなりの「レア人材」だといえます。

こういう「レア人材」になることが、今後の就職戦線そして、社会人生活を生き抜いていくことのキーになります。