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「EC×ポップアップストア」で、既存のビジネスモデルに風穴を

2016年12月02日 23時32分 JST

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これほど好意的に受け入れられるとは、正直思っていませんでした。アナウンスを開始して、2カ月で50店舗を突破──。私が運営しているファッションブランド『ファクトリエ』の提携ショップは今、北海道から沖縄までの全国規模で広がりを見せています。

卸や商社といった中間業者を完全に排除する『ファクトリエ』の仕組みは、従来の流通構造を大きく覆しており、見方によってはアパレル業界のタブーに踏み込んでいるとも捉えられかねません。賛同することに二の足を踏むショップも多いのではと危惧していたのですが、どうやら杞憂だったようです。

■日本の良いものを発信するからこそ、地域パートナーが不可欠

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既存のセレクトショップさんのスペースを活用するポップアップストアの構想は、以前から頭の中にありました。『ファクトリエ』の商品は、ぱっと見のデザイン性よりも、素材や縫製への細やかなこだわりが特徴。HPでもディティールを詳しく説明していますが、やはり触れてこそ本当の良さが伝わるものであり、10月に名古屋と元町に直営店をオープンさせたのもそこに理由があります。

ただ、「日本の工場を世界ブランドへ」というビジョンを具現化させるためには、ECと直営店の展開だけでは時間が掛かります。アイテム数がある程度出揃った今、提携を呼びかけるタイミングが訪れたのではないか。一つ一つのお店に丁寧にお声がけをスタートしたところ、全国各地の有力店が次々と賛同を示してくれました。

■「WIN×WIN」モデル。ショップ側にも多くのメリットが

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(島根県出雲市にあるgrappino店内の様子)

セレクトショップ側にもメリットはあります。

まず、直営店と同じように、店頭でサンプルを試着してiPadで購入するというECでの販売形態を採っているため、在庫を抱えるリスクがありません。私たちはメディアへの露出を積極的に図っているため、ファクトリエのHP経由、または「ファクトリエ 京都」といった検索ワードによる新規ユーザーの流入も見込めるでしょう。

職人の技が随所に行き届いていたり、使えば使うほどに味が出たりと、ユーザーにPR出来るポイントがたくさんあるため、お店にもともと並んでいた商品プラス追加購入につながる「顧客単価の向上」にも最適。安価ではありませんが、市場に流通している同じクオリティのアイテムの半額程度であることを伝えることで、購買のハードルを下げられます。

■地域の活性化、ひいてはアパレル業界の正常化へ

ポップアップストアの拡大には、今後もより力を入れていきます。洋服が欲しくなったとき、行きつけのショップに足を運び、『ファクトリエ』のアイテムに触れることが日常になる。そんな風景が日本各地に増えていけば、ビジョンの実現に近付くだけでなく、地域の活性化、ひいてはアパレル業界の正常化にもつながっていくと考えています。

従来の流通構造を覆しているのにもかかわらず、早くもこれだけの賛同を得られているということは、既存の仕組みに違和感を覚えている人たちが潜在的にあふれていることの証左。ECとポップアップストアを掛け合わせるという新しいビジネスモデルで、既存のビジネスモデルに風穴を開けていきます。