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RCトゥーロンに移籍した五郎丸歩選手とともに日本代表で戦った田中史朗選手が語る日本人選手が海外で活躍するポイント

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まもなく第4節を迎えるラグビー フランスリーグ「TOP14」(WOWOWにて放送中)。RCトゥーロンに所属するFB(フルバック)五郎丸歩選手と昨年のワールドカップでともに日本代表として戦い、また日本人で初めてスーパーラグビーでプレーしたSH(スクラムハーフ)田中史朗選手(パナソニックワイルドナイツ)に、「TOP14」やフランス代表、フランスラグビーの印象、さらに日本人選手が海外で活躍するポイントなどを語ってもらった。

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◆「TOP14」のSHは世界屈指のゲームコントロール


――「TOP14」の印象についてお聞かせください。

「今年の2月、香港でハイランダーズの一員としてSO(スタンドオフ)ダン・カーターの所属するラシン92と親善試合をしました。試合には出場できませんでしたが、フランスのチームはやはりFWでゴリゴリ押していくなという印象を受けましたね。それに、カーターもそうですが、個々の能力の高い選手が揃っています。」

――田中選手は2011年ワールドカップではフランス代表と対戦していますね。

「今シーズンから五郎丸選手と同じRCトゥーロンに移籍したSOフランソワ・トゥラン=デュックや、前フランス代表キャプテンでトゥールーズのFL(フランカー)ティエリー・デュソトワールのプレーが印象に残っています。試合をしている時はあまりプレッシャーを感じませんでしたが、気が付いたら点差が開いてしまっていました。

フランスのラグビーは、やはりFWが強いのが特徴だと思います。僕たち日本代表の前スクラムコーチだったマルク・ダルマゾ(現・RCトゥーロンスクラムコーチ)もそうでしたが、セットプレーをしっかりとやっていると思います。」

――田中選手と同じSHについてはどうでしょうか。

「2011年に対戦した時にフランス代表の先発だったディミトリ・ヤシュビリのように、球さばきが上手い選手が多いと思います。ゲームコントロールは世界でもトップクラスなのではないでしょうか。」

――ご自身は「TOP14」でプレーしたいと考えたことはありますか。

「もちろん、ラグビー選手である以上、オファーがあってチャンスがあればやってみたいとは思っています。FWを動かしてチャンスを作るプレーを目標にしたいと思うので、もし「TOP14」でプレーする機会があればですが、コミュニケーションなど難しいとは思いますが、FWを使うことを覚えたいですね。」

――同じ日本代表のチームメイト、五郎丸選手がRCトゥーロンに移籍しました。田中選手も日本人で初めてスーパーラグビーに挑戦されましたが、海外のクラブでプレーする時のお気持ちを聞かせてください。

やはり、日本の代表として恥ずかしくないプレーをしよう、常に集中してレギュラーになろうという気持ちで臨んでいます。今、能力がある若い選手がたくさんいます。僕たちがダメだと、日本人選手はできないと思われてしまい、そういう若い選手たちの道を閉ざしてしまうことになります。

もちろん、しんどい部分もありますが、僕らが頑張って、次の世代の選手が挑戦してくれればまた道が続きます。五郎丸選手にも、日本人の価値をもっと上げてもらえるようにフランスでの活躍を期待したいですね。

◆五郎丸選手はキックでゲームチャンスを作れればレギュラーに


――そんな五郎丸選手が「TOP14」で活躍する鍵はなんでしょうか。

キックが彼の武器なので、どうゲームチャンスを作るかがキーになると思います。僕の印象としては、五郎丸選手はセットプレー中心のヨーロッパの方が南半球のスーパーラグビーより向いている気がします。

また、スーパーラグビーのボールが日本のトップリーグと違ったので、調子をつかめなかったようです。「TOP14」のボールはわかりませんが、違うのであれば早く慣れるために練習が必要になるでしょう。

――ポジション争いも熾烈になってくると思います。

FBのレギュラーポジションに、ウェールズ代表のリー・ハーフペニーがいて、彼は世界でも五指に入る選手です。総合力は彼の方が上なので、やはりランニングスキルをつけないとチャンスは少なくなるでしょう。

ですが、さっきも言ったように彼の武器はキックなので、可能性はやはりキックにあると思います。プレースキックももちろんですが、ペナルティの時のタッチキックや相手が蹴ってきた時のリターンキックなど、味方にチャンスを与えられるようなプレーができれば、信頼をつかめるのではないかと思います。

――五郎丸選手に続いて、どんどん日本人選手も「TOP14」に続いていってほしいところですが、SHとして通用すると思う選手はいらっしゃいますか。

パナソニックのチームメイトの内田啓介は力があるので、是非チャレンジしてもらいたいですね。それから、茂野海人(NECグリーンロケッツ)や流大(サントリーサンゴリアス)のような若い選手にも経験をしてほしいなと思っています。


――それが日本のラグビーのレベルアップにも繫がるということでしょうか?

そうですね。去年のワールドカップもそうですし、この夏のリオオリンピックで活躍した男子7人制ラグビー日本代表もそうでしたが、ラグビー日本代表が結果を残していることで、選手の意識も高くなっていると思いますし、実際にトップリーグのレベル自体も上がってきています。

――今秋、日本代表のヘッドコーチには、ハイランダーズでも指揮官だったジェイミー・ジョセフが就任します。

彼は非常にスマートですし、何と言っても人徳があります。かつて僕がパナソニックでも一緒にプレーしたトニー・ブラウンなど素晴らしいスタッフを集めてくれるので、日本代表にとってもプラスになるので楽しみです。

――最後に、ご自身の目標を教えてください。

まずは目の前の1試合1試合に集中したいと思います。あまり先を見ると足元をすくわれてしまいますし、年齢的にも前に出すぎてしまうといいプレーができません。まず1試合、しっかりやってから、次の1試合を見据える。それを続けていって、気持ちが折れなければ2019年のワールドカップが見えてくるというところでしょうか。

田中史朗(たなか ふみあき)
1985年1月3日生まれ。パナソニックワイルドナイツ所属。
2007年に三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニックワイルドナイツ)に入社し、1年目から活躍。日本選手権優勝を経験、トップリーグの新人賞を受賞。
2008年からは日本代表として活躍し、2011年ワールドカップ ニュージーランド大会へ出場。2012年には、日本人初となるスーパーラグビーのハイランダーズとプロ契約を結んだ。166センチ、72キロ。キャップ数54。ポジションはスクラムハーフ。

■詳しくは、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!
http://wowow.bs/rugby