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世界トップのオンライン新聞「Mail Online」、若者世代で人気急伸のバイラルメディア「Elite Daily」を買収

2015年02月01日 00時58分 JST | 更新 2015年02月01日 01時10分 JST

訪問者数世界一のオンライン新聞を所有する英「Daily Mail」が、若者世代で人気急上昇のバイラルメディア米「Elite Daily」を買収した。買収額は約4700万ドルと見られている。

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Daily Mailが運用する「Mail Online」は、英ABC(the British Audit Bureau of Circulation)が公表した2014年12月の月間ユニークビジター数で約2億人に達しており、世界トップの新聞社サイトと見なされている。

一方の「Elite Daily」は20代前半の若者たちが2012年に立ち上げたばかりのサイトであるが、ミレニアル世代のハフィントンポストをうたい文句にバイラルメディアとして急成長し、現在のグローバルの月間ユニークユーザー数が7400万人になったと主張している。従業員数は65人になったという。

Mail Onlineはゴシップやエンターテイメント記事中心の典型的な大衆新聞サイトである。NYタイムズによると、わいせつ記事満載の軟派新聞である。ネットでは柔らかいコンテンツが受けるようで、1年半ほど前に紹介したように、「世界で最も人気の高い新聞サイト「Mail Online」、勢いが止まらない」のは確かである。

ただ浸透している層はどうもオジサン読者が中心で、若者にはあまりリーチしていないようだ。そこで、若者読者を一気に囲い込もうとして、ミレニアル世代で人気急上昇のElite Dailyを買収することになったのだ。

またDaily Mailは昨年末に、米市場向けにDailyMail.comを立ち上げている。Mail Onlineサイトで既に、米国の月間ユニークビジター数を約7000万人も抱えており、新聞社サイトランキングで全米2位にのし上がっている。読者の重なりの少ないElite Dailyを加えることにより、全米トップの新聞社サイトになりそう。

さらに、米国のニュースサイト市場では、バズフィードやハフィントンポストとの3すくみの争いが始まるのかもしれない。Daily Mail北米のトップのJon Steinberg氏(バズフィードの前社長)は、Elite Dailyを獲得することによりDaily Mailを" Time Warner とか Viacom."にしていきたいと鼻息が荒い。

Elite Dailyの特徴は、バイラルメディアと称されるように、ソーシャルメディアからの流入トラフィックが多いことだ。昨年6月のデータでは、トラフィックの70%がソーシャルサイトから流入しており、50%~55%はフェイスブックからであった。

フェイスブックにおけるパブリッシャーサイトのバイラル度ランキングを、メディア分析会社NewsWhipが発表しているが、その最新版(2014年12月データ)を以下に掲げる。記事のバイラル性の指標としては、Interaction総数(=Comment数+Share数+Like数)を用い、各パブリッシャーサイトについて1か月間に投稿した全記事のInteraction総数(表のTotalFB)をはじき出している。

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(ソース:NewsWhip)

FB Totalのランキングでは、Elite Dailyが7位でMail Online(dailymail.co.uk)が11位であった。シェア数(Shares)も同じであった。半年前の昨年6月には、Elite Dailyが10位であったがMail Onlineは8位であった。シェア数の変化を見ても、Elite Dailyは昨年6月の1,857,432件から12月の2,233,076件と増やしているのに対して、Mail Onlineは2,233,840件から2,057,852件と減らしている。

つまり、Elite Dailyはソーシャルメディアでのバイラル度を高めて、若いユーザーからのアクセスを増やしている。逆に、Mail Onlineは、若者からのトラフィック増に苦戦しているようだ。今回のElite Daily買収により、Mail Onlineが若いユーザーをどれくらい取り込んでいくかは興味深い。

◇参考

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(2015年1月31日「メディア・パブ」より転載)