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ソーシャルメディア時代に育つ「評判を気にする子供たち」

2013年04月29日 14時24分 JST | 更新 2013年05月06日 20時28分 JST
Getty Images
On computer without parental control

13歳未満の子供の約4分の1がソーシャルメディアを使っており、それらは子供たちの価値観に大きな影響を与えていることが、4月18日に発表された新しい全国調査でわかった。

この調査を行ったロサンゼルスの団体「Children's Digital Media Center in Los Angeles(子供のデジタルメディア・センター)」の研究者によると、インターネットにアクセスし、写真にタグをつけて投稿したり、人と会ったり、有名人をフォローしたり、ブランドに「いいね!」を押したりを熱心に行っている子供は、テレビや映画を定期的に観たり、携帯電話を使ったりする子供と同様に、「評判」を重用視する傾向が強かったという。

「メディアを多く使う子供、それも、ソーシャルメディアを多く使う子供と、評判を重用視する子供とのあいだには、きわめて強い相関性があった」と、子供のデジタルメディア・センターの研究者ヤルダ・T・ユールス氏はハフィントン・ポストに語った。

「ソーシャルメディアは子供たちに対して、「いいね!」やコメント、聴衆や友達を求めるよう促し、子供たちはその通りになっている。私たちは社会として、こうした現象を考えてみる必要がある。私たちは子供が、熱心に読者を獲得しようとしたり、有名になろうとしたりすることを本当に望んでいるのだろうか」と、ユールス氏は問いかける。

ユールス氏はほかの研究者とともに、両親の許可を得て、全米の9歳から15歳までの子供330人以上に対してインターネットで調査を行った。質問内容は、各種のテクノロジーを使う頻度と、評判や共同体意識や親切さなどの特定の価値観が子供たちにとってどのくらい重要かだ。調査結果は、4月19日にシアトルで開催された米国発達心理学会の会議で発表された。

調査に参加した子供たちのうち、半分以上が13歳未満で、そのうち23%がソーシャルネットワークにプロフィールを登録していると答えた。Facebookはアカウント開設時に13歳以上であることを条件にしているにもかかわらずだ。

そして、13歳未満の子供のうち26%が、YouTubeのアカウントを持っていると暗に認めた。なお、「子供のオンラインプライバシー保護法」は、13歳未満の子供から、親への通知と同意なしにウェブサイトが集められる情報を制限している。

テレビや映画をよく見たり、携帯電話を使ったりする子供も、評判を重要視している。いっぽうで、テレビや映画を観ることと、地域社会や社会参加を大事にすることとのあいだには相関性はなかった。ソーシャルメディアにもこうしたパターンが認められた。

写真やビデオにタグをつけて投稿するといった行動は、「現在の評判」と「長期的な目標としての評判」の両方を重要視することと相関性があった。

「明確な因果関係はわからないが、子供たちは、最も頻繁に受け取るメッセージのようになっていく。ほとんどの人が健康的とは考えないような価値観へのシフトは、テクノロジーやソーシャルメディア、ポップカルチャーと絶え間なく接していることから来ている、ということは言えるだろう」と、ジム・テイラーは述べる。同氏は『Raising Generation Tech: Prepare Your Children for a Media-fueled World』(テック世代を育てる:メディアで動く世界に向けて子供たちに準備させよう)の著者で、ハフィントンポストのブロガーでもある(同氏はこの研究には参加していない)。

今回の調査は、ユールス氏が同僚とともに、価値観とメディアとの関係について行った3回目の研究にあたる。以前の研究では、9歳から12歳の子供に人気のあるテレビ番組の中で強調される価値観について、50年間にわたって追跡した。その研究によると、評判の重要視は、最初は平均以下だったが、そのうちに、人気の高いテレビ番組で強調される最も重要な価値になった。最も劇的な変化が生じたのは1997年から2007年にかけてで、これはインターネットの爆発的普及時期と重なる。

つまり現代の子供は、評判を重要視するようなテレビ番組を見て、さらにそれに加えて、日常的にインターネット上で友達や「いいね!」や共有を得るような「評判を求める行動」に参加しているのだ。

両親にとって大切なことは、子供たちにいつどのようにソーシャルメディアを使わせるかを慎重に考えるだけでなく、子供の前で自分自身がどのようにネットを使うかについても意識化し、制限することだと、テイラー氏は述べる。

「両親は、自分たちの価値観について考えてみる必要があると思う。子供たちにどんな人になってもらいたいのか、そのためにはどういう行動が必要なのか、何が障害になるのか、等について考えるべきなのだ」

[US版で2013年4月18日に掲載した記事を翻訳しました]

[Catherine Pearson 日本語版:松田貴美子、合原弘子/ガリレオ]

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