ニュース

原発、汚染水漏れで運転停止 - アメリカ・パリセード原発

2013年05月08日 22時23分 JST | 更新 2013年05月08日 22時23分 JST
Alamy

米ミシガン州南西部にあるパリセード原子力発電所は5月5日(現地時間)、作業員らが貯水槽からの水漏れを発見したため運転を停止した。この貯水槽では、過去1年以内に2度の水漏れを起こしているが、当局は差し迫った危険はないと述べている。

AP通信によると、同発電所を所有するEntergy社の広報は、「原発の作業員や地域住民の健康と安全への影響は全くない」と声明を出した。

AP通信は次のように伝えている。

「この貯水槽は2012年にも水漏れを起こしている。そのとき同発電所は、貯水槽の水漏れの修理のために運転を停止しなければならなかった」と、米国原子力規制委員会(NRC)の広報ヴィクトリア・ミトリング氏は述べている。

2012年の水漏れでは、発電所の制御室まで水が浸出していた。今回の運転停止は、2012年の停止時に設定された1日の水漏れ量の上限である38ガロン(約144リットル)を超えたために実施された。

地元ラジオ局「Michigan Radio」の報道によると、5日の水漏れにより、「"微量の"放射性物質を含む水が79ガロン(約299リットル)」がミシガン湖に流出した、とNRCは推計しているという。当局は、流出した水の放射能濃度を正確に把握していないとされる。

ハフィントン・ポストのライアン・グリム(Ryan Grim)記者は2012年8月、共和党議員によって指名されたNRC委員であるウィリアム・オステンドルフ氏が、パリセード原子力発電所の安全問題についての調査を妨害したとして、2012年にNRCから調査を受けたと報じた

同記事によると、2012年5月31日に、当時のNRC委員長であったグレゴリー・ヤツコ氏がパリセード原子力発電所を訪問した際に、「放射能を含む可能性のある相当な量の水が制御室に流れ込んでいた」が、その事実が隠されていたことが後から判明した。ヤツコ委員長が事実調査を命じた後、オステンドルフ氏は「調査員のトップであるシェリル・マクラリー氏を、数人のNRC職員のいる前で怒鳴りつけ」、そんな調査はリソースの無駄だと述べたと言われている。

[翻訳注:「Michigan Radio」の報道によると、貯水槽は制御室の天井上にあるもので、30万ガロン(約113万リットル)の水を貯めており、緊急冷却と燃料交換作業のときに使われるという。同貯水槽の修理は1年半で3回目。同原発は、2012年2月の水漏れ事故を含めて、2011年9月以降9回停止しており、米国でも最も安全性評価が低い原発のひとつとされる。

なお、ヤツコ氏は2009年5月13日、バラク・オバマ大統領によってNRC委員長に任命された。2011年3月の福島第一原子力発電所事故発生後、原発の安全性に関して強硬な姿勢で臨んだことが産業界からの反発を呼び、2012年6月29日に退任した]

[US版で2013年5月6日に掲載した記事を翻訳しました]

[James Gerken 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]

関連記事

Top U.S. Renewable Energy Sources - 2011 (MOST RECENT DATA)