朝日新聞への投書めぐり嫌がらせ ネットで個人情報転載、自宅に電話も

28日付朝日新聞朝刊によると、同紙の投書欄に掲載された投稿がネット上に無断転載され、投稿者の住所や電話番号が書き込まれたという…
Man sitting in front of TV, talking on phone, rear view(silhouette)
Man sitting in front of TV, talking on phone, rear view(silhouette)
Getty

28日付朝日新聞朝刊によると、同紙の投書欄に掲載された投稿がネット上に無断転載され、投稿者の住所や電話番号が書き込まれたという。また、投稿者の自宅に嫌がらせの電話がかかってくるなどの被害も出ていると報じている。

問題になっているのは読者からの投稿を掲載している「声」欄。投稿が掲載された読者から、「自宅や勤務先に無言電話や嫌がらせの電話があった」との連絡が昨年秋ごろから編集部に寄せられていた。編集部が調査をしたところ、ブログやネット掲示板に投稿者の詳細な住所と電話番号の書き込まれる例が今年の春から続き、これまでに30人分の情報が掲載されたという。

嫌がらせを受けた読者は、安倍首相の改憲姿勢に疑問を呈するものや憲法9条を守りたいといった内容の投書をし、掲載されたという。後日、深夜に電話がかかってきて「売国奴」とののしられたり「お前の家はわかっているぞ」と脅迫めいたことなどを言われたようだ。

電話をかけた人間は、新聞に掲載された氏名や地域などの情報をもとに、ネット検索を使って投稿者を割り出したとみられる。

朝日新聞は「投書した読者の平穏な生活が脅かされる深刻な事態が生じている」として、転載された内容や個人情報の削除をブログ運営会社に求め、新聞紙面で朝日新聞東京本社の阿部俊幸・声編集長のコメントを掲載した。

阿部編集長は「新聞の投書欄に投稿した人の個人情報をネット上でさらし、嫌がらせの電話などをするのは卑劣。言論の封殺につながりかねない」とし、「異なる意見があるのなら、匿名で個人を傷つけようとするのではなく、堂々と述べるべき」と訴えた。

また、新聞に氏名などが掲載されていることについて、「投書した人が住む地域や年齢、職業は、発言する人の立場を伝える重要な情報。匿名の投書では無責任な意見が増える心配がある。実名で安心して意見を言える場、社会を守っていくことが大切」と説明した。

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