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インドに「菜食マクドナルド」がオープン:抗議の声も

2013年07月02日 00時05分 JST
Getty
DELHI, INDIA - DECEMBER 01: McDonalds fast food restaurat at Connaught Place, a luxury shopping area in the city centre of New Delhi on December 01, 2012 in Delhi, Delhi, India. (Photo by EyesWideOpen/Getty Images)

「ハンバーガーの旗手」として世界的に知られているMcDonald社が、同社初のベジタリアン・レストランを2013年にインドで2店オープンさせると、BBCが報じている

フィナンシャル・タイムズ紙の記事によれば、McDonald社は、シーク教の聖なる都市アムリトサルにある黄金寺院の近くと、カトラ(Katra)というインド北西部の小さな町に、肉を扱わない店舗を準備するようだ。カトラは、インドで2番目に人が訪れるヒンズー教の巡礼地である、ビシュノデビ寺院に近い。

McDonald社はインドで店舗数を拡大しようとしている。同社の広報ラジェッシュ・マイニ氏はAFPに対して、「インドは、その潜在力を考えると最優先国のひとつであり、われわれはこの国の市場で成功するための基盤作りを進めている」と述べている。同社は、今後3年間でインドにおける店舗数を倍増させる計画だという。

「今のところ、インドはまだとても小さな市場だ。インドにはまだ271店舗しかないが、世界全体では3万3000近くある」と、マイニ氏はBBCの記事でも語っている。[日本の店舗数は2011年で約3300]

インドにあるMcDonald社のレストランでは、もともと牛肉や豚肉を提供していない。代わりに子羊や鶏肉、魚、野菜などを使っている。例えば、マック・アルー・ティキ(香辛料の入ったマッシュポテトのパティを揚げたもの)や、マック・スパイシー・パニール(インドの伝統的なチーズのパティ)といったメニューだ。これは、ヒンズー教徒は牛を食べないし、イスラム教徒は豚を食べないからだ。

2001年の国勢調査によると、インドは人口の約80%がヒンズー教徒であり、イスラム教徒も13%を越えている。

しかし、たとえ「菜食マクドナルド」であっても、歓迎しない人々はいる。ヒンズー教国家主義者グループの「スワデーシー・ジャガラン・マンチ」(ガンジー等が提唱した「スワデーシー」(国産品愛用)を現在も提唱する組織)は、McDonald社のカトラへの出店計画について、「ヒンズー教徒を侮辱」しようとするものだとして反対すると語っている

スワデーシー・ジャガラン・マンチのS.グルムーティ共同議長は、「この計画は、金儲けだけではなく、ヒンズー教徒を故意に侮辱しようというものだ。牛の屠殺と関係がある組織ではないか。彼らは牛を屠殺しているとわれわれが発表すれば、人々はそこで食事をしないだろう。断固として戦うつもりだ」と述べている。

McDonald社がヒンズー教徒の怒りを買ったのは今回が初めてではない。

2001年5月には、McDonald社の「レストランの窓が割られ、ロナルド・マクドナルドの像が牛糞まみれにされ、ヒンズー教国家主義者の政治家たちは、McDonaldチェーンをインドから追放せよと呼びかけた」。これはMcDonald社が、ビーフ味のフライドポテトを巡って、米国で訴訟を起こされたのを受けてのことだった。

2001年のニューヨークタイムズ紙の記事によると、McDonald社のフライドポテトは、レストランで植物油で揚げられているが、その前に牛肉調味料で味付けされていたことが発覚。「意図的に顧客に誤解させた」として、米国のヒンズー教徒とベジタリアンを代表するかたちで、McDonald社への集団訴訟が起こされたという。

しかしMcDonald社は、米国で同社のフライドポテトがベジタリアン向けだと主張したことはなく、また、インドとフィジーのフランチャイズ店やイスラム教国の店舗では、牛肉や豚肉やそれらの副産物は使っていないと主張した

[Dominique Mosbergen(English) 日本語版:緒方亮/ガリレオ]