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さくらリポート7月、8地域で景気判断上方修正【争点:アベノミクス】

2013年07月14日 19時07分 JST | 更新 2013年07月14日 19時07分 JST
Reuters

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日銀は4日に支店長会議を開催し、各支店の景気報告をまとめた「地域経済報告(さくらリポート)」を公表した。その中で東北を除く8地域の景気判断を前回4月よりも上方修正し、公共投資や金融緩和による円安・株高の影響で、個人消費など内需を中心に景況感の改善が鮮明になった。

ただ、中国向け輸出に先行き不安があるほか、賃金の明確な上昇は確認されておらず、景気の今後の足取りは不透明な点もある。

支店長会議の冒頭で黒田東彦総裁は、日本経済について「順調に回復への道筋をたどっている」と述べ、物価についても「次第にプラスに転じていく」とあらためて強調した。4月4日に開始した異次元緩和から3カ月がたち、「効果はしっかりと働いている」と自ら評価した。

さくらリポートは前回4月調査で全9地域の判断を引き上げており、2期連続で8地域以上が上方修正するのはリーマンショック前の2009年7、10月調査以来、3年9カ月ぶり。判断を据え置いた東北は、前回調査でも判断を「回復しつつある」としており、震災復旧関連を中心に他地域よりも強めの認識を示していた。

地域経済改善は、2012年度補正予算や2013年度本予算の執行に伴う公共投資の増加や、株高を受けた消費マインド改善など、内需が堅調に推移していることが要因。為替円安や海外需要の持ち直しを受け、輸出・生産が増えているとの回答も目立った。

需要項目別にみると、公共投資は全地域が「増加」と回答しており、個人消費は消費者マインドの改善を背景に、百貨店の高額品や自動車、旅行などが好調だった。企業の景況感が改善する中、設備投資も5地域が判断を引き上げた。

堅調な内需と輸出の持ち直しを背景に、生産は北陸、中国を除く7地域が判断を上方修正。自動車が好調な輸送機械や、建設関連需要の増加を背景に金属製品や窯業・土石などから「増加傾向」「持ち直し」との声が聞かれた。

会見した櫛田誠希・大阪支店長は、近畿地方の景況感について「3カ月前はムードや期待先行の改善だったが、次第に実体経済の裏付けを伴ってきており、景気回復への手応えを口にする経営者も増えてきている」と強調した。宮野谷篤・名古屋支店長も、自動車関連など輸出企業が多く存在する東海地区経済に「円安・外需回復の効果が出ている」と語った。

ただ、景気の改善ペースはまだら模様となっている。東海地方は北米向け自動車生産の好調などで、雇用需給は改善しているが、所得は横ばいとなっている。宮野谷・名古屋支店長によると「中堅中小企業の受注は回復し業況判断は改善しているが、製造コスト上昇などでなかなか収益が回復していない」と指摘した。

円安による競争力回復で液晶など電子部品の輸出は回復しつつあるが、中国経済の減速が新たな課題。「中国向けの鉄鋼・化学・機械出は弱く、今後も急速に輸出が増える感じはない」(櫛田大阪支店長)との指摘もあった。

(伊藤 純夫 竹本 能文 編集;田巻 一彦)

*内容をさらに追加して再送します。

[東京 4日 ロイター]