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参院選、自民圧勝から一夜明け マーケットの反応は冷静

2013年07月22日 16時04分 JST | 更新 2013年07月22日 17時00分 JST
Reuters

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圧勝の安倍自民、市場は期待半分で慢心を警戒

この先3年間の安定基盤を手に入れた安倍晋三政権の行方を金融マーケットは冷静に見極めようとしている。いったんイベント通過の株売り・円買いが出ているが、政策推進期待が途切れたわけではない。

参院選勝利の実績を追い風に成長戦略などを実行段階に移すことが期待されている。懸念は自民党内に慢心が生まれ、経済第一主義が後退。かつてのような派閥政治に戻り、安倍政権が既得権者の壁を前に立ち往生することだ。また、政策の重心を経済から安全保障、憲法改正に移すのではないか、との疑念も根強くある。

<いったん材料出尽くし>

負けもせず、勝ちすぎもせず──21日投開票の参院選における与党勝利の「度合い」は材料出尽くし感が出やすい結果となった。自民党が65議席を獲得、公明党と合わせ参院の過半数の議席を確保し、衆議院と参議院の多数派が異なる「ねじれ」は解消されたが、自民単独で過半数を超える72議席には届かなかった。自民単独過半数ならサプライズだったが、予想通りの結果に「短期筋を中心に、それまで積み上げてきた円安・株高ポジションをいったん巻き戻す動きが出ている」(国内証券)という。

ただ、あくまでポジション調整の範囲内で、「ねじれ」を解消し政策を進めやすくなった安倍政権への期待感はあらためて強まるとの見方が多い。「株式市場にとってポジティブな材料であることは確かで、外国人投資家は衆参のねじれ解消を評価してくるのではないか。今後、ロングマネーなど腰の据わった海外資金が日本株に流入してくるとみられる」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)という。実際、22日の市場でも円高で輸出株はやや弱いが、「アベノミクス」を享受している内需株は堅調だ。

自民党が単独過半数を獲得するような圧勝なら先送りの可能性も出てくると懸念されていた来年4月の消費税増税についても、「適度な」勝利で懸念は後退している。10年長期金利は5月14日以来となる0.785%に低下。「中期財政計画を策定し、実質的に消費増税などが決定され、債券市場の安心感につながる結論が出るとみている」とJPモルガン証券チーフ債券ストラテジストの山脇貴史氏は話す。消費税増税が景気に悪影響を与えるおそれもあるが、金利の安定は経済成長に欠かせない。

<求められる早期の政策実行>

市場が懸念するのは、単独過半数までには至らなかったとはいえ、圧倒的な議席数を獲得し、最低でも3年間の安定政権を手に入れたことで、安倍政権がこれまでの経済第一主義を捨て、憲法改正などにまい進してしまわないかという点だ。憲法改正を進めるためには経済の安定が必要であるからこそ、経済第一主義は継続されるとの見方もあるが、「3年間は結構長い。(株高による)見せかけの景気回復が続けば、どう変わるかわからない」(国内証券)と疑いの目は晴れない。

第1、2の矢である金融緩和や財政支出については反対が少なかったが、第3の矢である成長戦略は医療や農業など既得権益に切り込むことが必要になる。「表向きは経済第一主義の看板を掲げていても、中身が伴わなければこれまでの政権と同じになってしまう。既得権者の抵抗に逆らってでも、政策実行に必要な法案の整備や思い切った予算を付けることができるのか、憲法改正などだけに注力してしまわないか、市場は見ている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)という。

日銀による上場投資信託(ETF)の購入増額を期待する声も株式市場にはあるが、投資家が本当に期待するのは成長戦略などを実行段階に着実に移していくことだ。

派閥や既得権益からの抵抗を抑え、政策を実行していくには、高い支持率が必要になるが、ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次氏は、そのためには株高を維持することだと指摘する。「個別の政策がそれほど動いていないなかで消費主導で景気が持ち直しているのは株高のおかげだ。株価が下落し支持率が低下すれば自民党内での派閥も再び動き始める。株高の維持が安倍政権のカギを握る」という。

日本経済が堅調だとしても、世界経済は依然不安定であり、海外からの売りが押し寄せる可能性がある。米国経済は堅調だが、量的緩和策(QE)の縮小がどういう形で影響が出てくるかは不確実性が大きい。中国の構造改革は中期的には歓迎される動きだとしても、信用収縮が続けば、短期的には混乱も予想される。安倍政権に与えられた3年間は長いようで短い。株高基調が続いている間に、政策を早期に実行していくことが求められている。[東京 22日 ロイター]

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