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シリアの化学兵器使用、「疑いの余地はほぼない」 アメリカ、軍事行動に備え駆逐艦を配備

2013年08月25日 21時21分 JST | 更新 2013年09月03日 00時03分 JST


アメリカ政府高官は8月25日、シリア首都ダマスカス郊外での化学兵器使用疑惑をめぐり、アサド政権が使用したことに「疑いの余地はほぼない」との認識を示した。高官は、政権側の化学兵器使用の根拠に関して「被害者の数や症状、アメリカと他国の情報機関(の分析)に基づいたものだ」と述べた。ただ、確定までには時間を要する見通し。時事通信が伝えた。

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アメリカのチャック・ヘーゲル国防長官は23日、バラク・オバマ大統領がシリアに対する軍事行動を選択した場合に備え、アメリカ軍部隊を移動させていることを示唆した。

ヘーゲル長官は「オバマ大統領は、国防総省に対して(シリアの)あらゆる事態を想定して選択肢を準備するよう指示した」と述べた上で「オバマ大統領が選択肢を検討したうえで、シリアへの軍事攻撃を行う可能性がある」と話した

国防総省高官は25日までに巡航ミサイル搭載の4隻目のアメリカ海軍駆逐艦を地中海東部に配備したことを明らかにした。国防総省当局者によると、地中海に新たに出動したのは巡航ミサイル搭載駆逐艦「ラメージ」。すでに展開中の同型駆逐艦「マハン」と交替予定だったが、マハンの一時的な任務継続も決まった。アメリカ海軍は地中海に常時、巡航ミサイル搭載の駆逐艦3隻を配備する。4隻態勢についてはアサド政権への圧力をにらんでいるとの見方もある

シリアのゾウビ情報相は、アメリカが軍事介入すれば「中東は火の海になる」と警告した。国営シリア・アラブ通信が25日までに伝えた

シリアのアサド政権と盟友関係にあるイランの軍高官も25日、「レッドライン(許容できない一線)を越えれば重大な結果につながる」と述べ、アメリカによる対シリア軍事介入をけん制した

■ シリア政府、国連調査団の現場立ち入りを認める 首都ダマスカスの死者355人に

シリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器攻撃により多数の市民が死亡したとされる疑惑で、シリア外務省は25日、国連調査団が直ちに現場に立ち入ることを認めるとする声明を出した。シリア国営テレビなどが報じた。ロイター通信によると、国連は同日、シリア入りしている調査団が26日に現場入りする予定だと発表した

シリア外務省は25日、国営テレビを通じて声明を発表し、現場地域への国連調査団の立ち入りを認めることを明らかにした。また国連は、調査団が26日に化学兵器攻撃の疑いがある現場に立ち入る予定と発表した

同国の国営テレビは24日、同市近郊で「テロリスト」が化学兵器を使ったとするアサド政権側の主張を伝えた。欧米諸国は事実確認と対応の協議を急いでいる。国営テレビは、政府軍が反体制派支配地域のジョバルに入った際、兵士数人が有毒ガスを吸い込んで呼吸困難に陥ったと報道。匿名の情報筋の話として、「テロリストがこの地域で化学兵器を使った」との見方を伝えた。アサド政権は反体制派の武装勢力をテロリストと呼んでいる。

調査先のダマスカス東方ゴウタでは政権側部隊と反体制派による交戦が続いており、調査実現には両者の停戦が不可欠だ。シリア反体制派も国連の調査を求めていることから、停戦に協力するとみられる

国際NGO「国境なき医師団」(MSF)は24日、同組織が医療援助をしているダマスカス県の三つの病院で、神経ガスの症状を示す患者を、21日午前中の3時間で約3600人受け入れたと発表した。355人は死亡したとされる。ただし、医師団の医師は「症状の原因がなんなのか、それを誰が使用したのかは、科学的には確認できない」と話している

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