NEWS

橋下徹市長が「チャレンジ特区」を提案=能力主義・競争主義を全面に打ち出す【争点:アベノミクス】

2013年09月12日 15時19分 JST | 更新 2013年09月22日 16時52分 JST

橋下徹大阪市長は9月11日、政府が募集している「国家戦略特区」案に対し、能力主義を推し進める競争型の「チャレンジ特区」案を、大阪市と大阪府が共同で内閣府に提出すると発表した。大阪府の御堂筋エリアに進出する企業に対し、労働者に一定の報酬を支払えば、労働時間の規制を緩和したり、企業の判断で労働者を解雇しやすくするという内容だ。

【関連記事】

安倍政権は日本再興戦略(成長戦略)において、「国家戦略特区」の創設を位置づけた。国家戦略特区とは、地域を区切ったなかで大胆な規制改革や税制の優遇措置を行うというもので、世界一ビジネスをしやすい環境を作ろうと創設され、特区の案は広く自治体や民間企業から募集するとした。

大阪府・市の資料によると、チャレンジ特区の案は「御堂筋エリアを対象に、能力主義・競争主義に果敢にチャレンジする高度な能力を持つ内外の人材や、そうした人材を求める企業が集まる条件を整備するため、労働法制の緩和を図る」というもので、一定額以上の年収のある人を対象に、法律でしばりのある労働時間の上限規制(1日8時間、週40時間)を適用しないとしたり、解雇回避努力などを行った後でしか解雇できない規定を除外するなどの内容になっている。加えて、特区内で働く高能力・高収入従業者への所得税の緩和を行うことも盛り込んでいる。

橋下徹大阪市長は、11日午後のぶらさがり記者会見において、チャレンジ特区について次のように語った。

「メディカル特区よりも御堂筋特区(チャレンジ特区)のほうが、ちょっと大胆な話だ。今までの日本には無い。


朝日新聞や毎日新聞が大反対しそうな特区ですが、能力主義・競争主義というものを全面に打ち出して、一定の報酬以上の労働者には、労働法制は適用しないというもの。


全国としては、企業と労働者の関係で言うと労働者のほうが弱いので、労働者を守っていくという法制度は絶対に必要であるが、労働法で守られなくてもいいよという人もいるでしょう。


高度人材など、報酬というインセンティブで集まってくる人がいたら、そのような人材を求めて企業も集まってくるだろう。業種などの規制はもうけない。


能力主義や競争主義については批判も受けるかもしれないが、そういう人たちが国内にいることも確かだし、外国人にも門戸を開く。そういうエリアを作りたい。」


(YouTube「【2013.9.11】橋下徹 大阪市長 登庁時 ぶらさがり取材」より。 2013/09/11)

11日に記者会見を行った松井一郎知事も、「高度人材ですから、低所得のみなさんにはいらない。自分に自信があって高所得者の高度人材に対して、仕事でミスマッチだったら入れ替わるというもの。厳しい生活をする人のためのものではない」と述べ、高度人材の流動化のためであると強調した。

どのくらいの年収の人が対象になるのかという質問には、「僕ら以上の人でしょう。頭のなかには1000万という数字もあるが、お金の話はこれから。国とのやりとりの中で議論していくこと」と話した。

高度人材については、企業側としては「20代〜30代で年収400〜700万円という、経営者クラスと言うよりは、若手でこれからの会社を支える人材を欲しているとも捉えられる」との見方もできるため、記者からは「最も層が厚い、中間層も含まれるのか」という質問も出ていた。これについても、松井知事は「これから」と発言している。

また、松井知事はこの特区案が認められるかどうかについては「アベノミクスの3本目の矢の、一番重要な規制緩和の分野ですから、われわれも大胆な提案をしているが、この程度の提案は当然取り入れていただかないと、1本目・2本目の矢の効果が発揮できないのではないか。ぜひ認めていただきたい」と自信を見せた。

なお、雇用の規制緩和については経団連からも法規制の見直しに関する政策提言が行われており、安倍首相も成長戦略において、雇用維持型から労働移動支援型への転換を打ち出している。

政府は、提案の中から候補を10月上旬をめどに絞り込み、10月中旬には「第1次実施特区」を決定したいとしている。「チャレンジ特区」が認められるかに、注目が集まる。

労働法制の規制緩和を、国家戦略特区に限り認めることについてあなたはどう考えますか。ご意見をお寄せください。

関連記事

ニュースで見る橋下徹市長 画像集