都知事選応援で「原発ゼロの代案は出さない」 小泉元首相の考える『政治トップの役割』とは

小泉純一郎元首相と「原発ゼロに代案を出していないじゃないか」との批判に、逆ギレしている。「一人や二人で代案を出せと言う方が無責任」としたうえで、「どんなに批判されても、一人で代案なんか出さない」と述べた。
時事通信社

小泉純一郎元首相が「原発ゼロに代案を出していないじゃないか」との批判に、反論している。

小泉元首相は1月27日、東京都知事選に出馬する候補者の応援演説において、原発をゼロにした後の社会について考えるべき点は多数あると指摘。「一人や二人で代案を出せと言う方が無責任」としたうえで、「どんなに批判されても、一人で代案なんか出さない」と述べた。その背景には、政治トップは具体案を出すのではなく、方向性を決めることが重要とする考えがあるようだ。

■小泉元首相が指摘する、脱原発後の「複雑な議論」とは

小泉元首相は原発ゼロの代案について、広く深い議論が必要だとしている。原発立地地域における原発に変わる産業振興や、40〜50年かかるといわれる廃炉作業に従事する人材育成の点など、今ある原発を無くすという視点だけに絞っても、複数の議論があるとするためだ。

更に小泉元首相は、原発に代わる代替エネルギーについても、太陽光や風力だけてなく、地熱、バイオマスなど、多数の手段が存在することを紹介している。

小泉元首相はこれらの複数の具体案について、今決めるべき段階ではないと切り捨てている。方向性を決めたあとに、より進んだ議論をすべきというのが、小泉元首相の考えだ。

■小泉元首相が考える、政治の役割とは何か

小泉首相は「日本中に知恵がある」としてと息巻く。「一人の政治家や、一つの政党が決めるべきではなく、大勢の人々の英知を集めて決めていけばよい」として、複数の案があることを理解し、原発を進めるのか、やめるのかを決断するのが、政治トップの役割だと演説する。

「原発はこれからも必要なんだという専門家と、原発ゼロでもやっていけるという人が議論しても、まとまらない。国民がどちらを選ぶのかを決めるのが、現段階なんだ。

国民の大きな声がある。今まで夢だと思っていた『自然を資源に変える』という社会づくり、国づくりができる。そのきっかけをもっているのが、今回の都知事選なんだ。

国民の声を、政権に届けて欲しいという声がある。届けられると思うからやっているんだ」

(YouTube「小泉純一郎元総理 東京都知事選応援演説」より 2014/01/27)

小泉元首相は1月23日にも、脱原発以外の点に関しては、「脱原発以外の点に関しては、誰が都知事をやっても変わらない」と演説しており、脱原発を国に対して進言できる人物を、今回の都知事選で選ぶことができると訴えている。

【※】「脱原発」に進めるかどうかを決めるのが政治トップの役割とする小泉元首相の考えについて、あなたは賛成しますか。ご意見をお寄せください。

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