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「宇宙庁」2017年度設置 安全保障に重点 自民党が提言

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DAICHI H2A
(画像はイメージ)「だいち2号」の打ち上げに成功したH2Aロケット24号機=2014年05月24日午後、鹿児島・種子島宇宙センター | 時事通信社
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自民党が、政府に対し「宇宙庁」の設置を提言することが分かった。現行の宇宙開発戦略本部に代わり、文部科学、総務、経済産業など各省にまたがる宇宙予算を一元的に取り扱うことが目的とされる。しかし、提言は安全保障に焦点をあてて議論している自民党の内部委員会からのものであり、内容に偏りも見られる。MSN産経ニュースなどが6月5日、報じた。

提言案では、内閣府に設置されている宇宙開発戦略本部の機能を強化した宇宙庁を内閣府の外局として設置し、宇宙関係予算を一括計上するよう政府に促している。政府の国家安全保障会議(NSC)で、宇宙における安全保障の基本的な考え方を示す「国家安全保障宇宙戦略」のほか、2030~50年を見据えた「長期的宇宙インフラ整備計画」を策定することを求めている。

 

(MSN産経ニュース『「宇宙庁」3年後めどに設置 NSCで宇宙戦略策定を 自民提言案判明』より 2014/06/06 08:18)

政府に提言する自民党の宇宙総合戦略小委員会は、現行の宇宙政策について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究開発のみ担当し、実利用を推進する部門がないなど省庁間の縦割りによる課題が生じていると指摘。国家として目指すべき戦略を決めて戦略的に予算を割り振ることで、民間投資を呼び込んだり、各国と渡り合う競争力を持たせるような事業に変革させることができると主張している。

■安全保障面からの議論が中心の「自民党・宇宙総合戦略小委員会」

宇宙総合戦略小委員会は、「安全保障に立脚した宇宙戦略のあり方」に重点をおいている部門であるため、会合も安全保障面からの議論が中心となっている。

提言内容でも安全保障に重きが置かれており、「国家安全保障宇宙戦略」の策定のほか、JAXAが防衛省などと連携して国家安全保障宇宙戦略を実行に移す態勢を整備することや、日米防衛協力の指針(ガイドライン)見直しの際に、宇宙政策を明確に位置づけることなどが盛り込まれる見込みだ。

■日米関係強化のために宇宙を利用したいとする安倍首相

近年、宇宙利用をめぐる安全保障への関心が世界的に高まっている。安倍首相も今後の宇宙政策は「産業振興」と共に「日米協力・安全保障」が要になると明言している。

4月下旬に来日したアメリカのオバマ大統領と安倍首相の首脳会談でも、宇宙での防衛協力を推進することで一致しており、5月6日には宇宙ゴミなどの監視を行う「宇宙状況監視(SSA:Space Situational Awareness)」で日米が協力することが決まった。

今回自民党が提出するのはあくまでも提言であるため、政府政策としてまるごと採用されるわけではないとみられるが、日米関係をより強固なものするために、安倍首相は宇宙分野を利用する姿勢があると分析する報道もある。

米国は財政難に直面。一方で中国は昨年、無人探査機の月面着陸を成功させるなど米露を猛追している。米政府にとっては経費負担を共有するとともに、衛星が破壊された場合など安全保障上のリスク分散という観点からも、宇宙技術を蓄積してきた同盟国の日本は貴重なパートナーだ。

こうした思惑が安全保障での対米貢献策を模索する安倍政権と合致、宇宙からの海洋監視では3月に初の机上演習を実施するなど、日米の宇宙協力は急進展している。

 

(MSN産経ニュース『超高速で飛ぶ「宇宙ごみ」 米に情報提供、安保協力深化』より 2014/05/08 11:36 )

長期を見据えた宇宙戦略には科学技術の発展という観点も欠かせない。今後の宇宙分野の予算がどのように配分されるかにも、注目したい。

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