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2014年に世界で起こった「5つの良い変化」

2014年12月28日 00時03分 JST

2014年も残りわずかとなったが、世界は危機や混乱に見舞われ、惨事や紛争、病気のニュースが見出しを飾る1年となった。

しかし、悪いニュースのせいで良いニュースが注目されない場合も多いとはいえ、2014年にも良い変化はあった。隣人を助けようとする個人や組織の努力や、以前には考えられなかったような平和な政治的移行、具体的な進歩があったのだ。そのうち5つをまとめてみた。

1.コンゴ民主共和国でエボラが終息

アフリカ西部では、医療機関や支援組織がエボラ出血熱の拡大阻止に向けて必死の努力を続けているが、アフリカ中央部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)では、同国政府や地元自治体などによる懸命の努力と迅速な対応が功を奏した。世界保健機関(WHO)は11月21日、同国のエボラ出血熱は終息したと公式に宣言したのだ(陰性と診断された患者が最後に確認された後、観察期間の42日が経過し、この間新たな感染者は発生していなかった。それまでの死亡者は49名、感染者は、疑い例も含め66名だった)。

アフリカ西部のエボラはギニアから広がったと考えられているが、コンゴで8月に発生が確認されたのは、それとは異なる亜型のウィルスだ。なお、終息宣言はナイジェリアやセネガルでも出されている

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キューバ医療チームの一員である看護師のダリラ・マリチネスさんが訓練中、テントの中に入ろうとしているところを撮影したもの。2014年9月24日、キューバの首都ハバナにある訓練所でのひとコマ。 (AP Photo/Ladyrene Perez, Cubadebate)

2.「アラブの春」が始まったチュニジアで、民主化の希望

アフリカ北部のチュニジアでは11月23日、大統領選が実施された。候補者はいずれも過半数を獲得できなかったため、上位2名の候補者による決選投票が12月に開催されることになったと報道されている

チュニジアで起きた革命がアラブ諸国に飛び火し、暴動へと発展してから3年以上が経つ。中東およびアフリカ北部ではその影響がいまだくすぶり続けているとはいえ、混乱が起きた国々では現在、民主的かつ自由な社会実現への希望は打ち砕かれたも同然だ。独裁政権が復活を遂げ、デモは抑え込まれ、全面的な対立へと状況が悪化しているためだ。

しかし、チュニジアならびに同国の大統領選は例外だ。平和的で安定した民主主義が実現するかもしれないという、慎重ながら前向きな見方がされている。チュニジアでは2010年12月、失業中の若者が警察に抗議して焼身自殺したことをきっかけにして、「ジャスミン革命」と呼ばれる民主化運動が起き、それが、中東全体の「アラブの春」へと広がった。そして2011年1月、23年間続いたベンアリ政権が崩壊。同年10月には、新憲法のための「制憲議会」の議員を選出する史上初の自由選挙が行われるなど、民主化プロセスが進められてきた。

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2014年10月26日には、「革命」後初の国会選挙も行われた。投票を終えたチュニジア人女性が、投票をしたという印である「染めた指先」を見せている。同国北部ベンナラスで撮影された(なお、チュニジアでは独立以来、教育の普及のほか、女性の権利保障と社会進出を重視した法整備が進められてきた。一夫多妻制の禁止や、夫の一方的決定による離婚の禁止等が保障されている)。(AP Photo/Aimen Zine)

3.同性婚が増加中

米シンクタンクのピュー研究所は先ごろ、「同性婚を法的に認めるべきかどうか検討する政府が世界中で増え続けている」という報告書を発表した。アメリカでは、現在32の州が、同性カップルに結婚許可証を発行している。平等を求める闘いが勢いを増しているといえるだろう。。

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ペンシルベニア州フィラデルフィア在住のショーン・ローレンスさんが、市内にある独立記念館周辺で開かれた同性婚集会の場で旗を掲げている様子。2013年6月26日に撮影。(AP Photo/Matt Slocum, File)

4.インドでポリオが根絶

かつては世界中を苦しめたポリオだが、今年になってインドなどがポリオ根絶を宣言し、いまだに流行しているのはアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国のみとなった。

CNNの報道によれば、インド国内にはごく最近の2009年時点で741人のポリオ感染者がおり、世界全体の感染者数1604人の半数近くを占めていたという。

その後、毎年1億7000万人の子どもにワクチンを投与するという国際プロジェクトが展開された結果、世界保健機関(WHO)は2014年3月、インドの他にも東南アジアの10カ国がポリオを根絶したと宣言した(1988年の推計35万人から、2013年には406人になったと発表。ただし、2カ月後である5月、WHOはパキスタンやシリアなど10カ国で感染者が増加しているとして、ポリオ緊急宣言を発表した)。

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インドでは、3年前にポリオと診断された少女ルクサール・カートゥーンちゃんを最後に、新たな症例は確認されていない。ルクサールちゃんは1歳半でポリオと診断されたが、治療を受けて寛解。現在は、ポリオ根絶の象徴的存在としてテレビに出演するなど、すっかり有名になった。2014年1月9日、自宅のあるシャパラ村でルクサールちゃんを撮影。 (DIBYANGSHU SARKAR/AFP/Getty Images)

5.中国が環境問題で大きく政策転換

中国は2014年11月、世界を変えるような大規模な政策転換を行なった。アメリカのオバマ大統領と北京で行った共同宣言において、二酸化炭素(CO2)排出量を減らしていくとする削減目標を発表したのだ。中国は「2030年前後」をピークとして削減する一方、米国は2025年までに、2005年比で26―28%減らす方針。なお、欧州連合(EU)はすでに、2030年までに1990年比で最高40%削減することを発表している。日本は、震災前には「2020年までに1990年比で二酸化炭素の排出量を25%削減する」という目標を掲げていたが、現在の目標は、2020年までに2005年比で3.8%削減、1990年比だと3%増加できる内容になっている

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北京の人民大会堂で開催された昼食会の席上、乾杯後に飲み物を口にするバラク・オバマ大統領(左)と、習近平国家主席。2014年11月12日に撮影。 (AP Photo/Greg Baker, Pool)

文末スライドショーは、エボラ熱を生き抜いたリベリアの人々を紹介している。

この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。

[日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]

The Survivors: Portraits Of Liberians Who Recovered From Ebola

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