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【2014衆院選】安倍自民党の大勝から2年、私たちの今を3人に聞く

2014年12月14日 02時13分 JST | 更新 2014年12月14日 02時15分 JST
時事通信社

安倍自民党の大勝から2年、私たちの今 3人に聞く

安倍自民党が大勝し、民主党から政権を奪還した2012年衆院選から2年。前回の選挙前、それぞれの暮らしから政治への思いを聞いた企画「わたしの違憲状態」に登場してもらった3人を訪ね、その後の2年間について尋ねた。変わらない人、好転した人、声を上げ続ける人。それぞれの思いを胸に14日、一票を投じる。


■月収10万円未満、無理して仕事

東京都練馬区の藤野雅己さん(45)は、肉体労働の派遣の仕事を続けている。店舗の内装工事の現場で、30キロの鉄骨を何本も運ぶ。「『パワー系ドサ回り』生活は相変わらずです」

12月第1週。月曜は千葉・富津の大型商業施設で閉店後に夜通し働いた。水曜には神奈川・藤沢へ。週末は引っ越し業者で荷出しのアルバイトをした。現場への交通費は自腹だ。電車より安いバスで行くことが多い。

冬場は現場の数が減りがちで、月収が10万円に満たないことも。「ブルーになりますよ、この時期は」。多少無理をしてでも仕事を入れるしかない。

腰痛が慢性化し、伸びきった膝の靱帯(じんたい)の痛みで時折まともに歩けなくなる。いまも保険証は持っておらず、病院にはかかれない。

2年前は現状を変えようと共産、社民に入れたが、自公政権にも「景気回復するかも」と淡い期待を抱いていた。だが「良くなったのは大企業や高所得者層だけ」と思う。自公政権は改正労働者派遣法案を提出。廃案になったが、働き手を3年ごとに代えれば、企業がずっと派遣社員を雇い続けられるようにする内容だ。「企業側の理屈以外の何ものでもない」と憤る。今回は「労働者の立場で経済を見てくれる党を応援したい」と、公約に目をこらす。(牛尾梓)

     ◇

〈2年前は〉 34歳のときに体調を崩して旅館勤めをやめ、派遣の肉体労働に。11年夏に病気になった時は保険証がなく、月収は5万円だった。

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■従業員増やし、売り上げ6割増

企業城下町・茨城県日立市で産業ロボット製造会社を経営する高橋一雄さん(66)は、安倍政権の2年間について「おおむね期待通り」と言う。

2年前は、製造業の経営者仲間から「円高で会社がもたない」という愚痴をよく聞いた。アベノミクスが誘導した円安について「民主党政権にはなかった実効的な政策だ」と評価する。ゴルフに行く回数も、2008年のリーマン・ショック前のように増えてきた。2年前に新工場を稼働させ、従業員もこの間に10人近く増やした。売り上げは2年間で6割増したという。

ただアベノミクスの恩恵だけとは思わない。独自技術の開発に力を入れ、自動車部品工場だけでなく5年ほど前から食品メーカーなど異業種とも取引を始めた。「新しい挑戦が成長を生む。政治が後押しを」と願う。

官僚支配の打破を願って09年は民主党に入れたが、政権運営に失望し、12年は自民を支持した。格差の拡大が指摘されていることについては、「経済がどん底からはい上がる過渡期なので仕方ない」と言う。自社では従業員の賃上げを続けてきた。「成長が見込める分野を見抜いて大胆に投資する。そんな経営力のある政治家が増えてほしい」。見極めて投票しようと考えている。(岡雄一郎)

     ◇

〈2年前は〉 産業ロボット製造会社を営んで30年。同じ日立市内の製造業者は20年前から4割減り、経営者仲間は「息子に後を継がせない」と言う。

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■秘密法・集団的自衛権「おかしい」

東京都武蔵野市の劇団員紫野明日香さん(46)は今も毎週、首相官邸前の反原発デモに足を運ぶ。2年前は「デモは特殊な人がやること」と思っていた。今では「黙っているのは賛成していることと一緒」と思う。

集団的自衛権の行使容認が閣議決定された翌日の7月2日。高校3年生の娘の風花さん(18)宛てに自衛隊から入隊の勧誘の資料が届いた。「あまりのタイミングに気味が悪くなった」

原発再稼働の手続きは進み、特定秘密保護法が施行された。「おかしいと声を上げるようになったら、他にもおかしいことだらけだと気づいた」。秘密法や集団的自衛権に反対するデモにも参加するようになった。仲間も増え、ツイッターは7600人のフォロワーがいる。風花さんもデモに加わる。放課後には制服のまま、学生イベントへ。「若い人たちが声を上げ、広がりを感じている」と言う。

自民党は前回衆院選で「原子力に依存しない経済・社会構造の確立」とうたいながら、選挙後に方針を転換した。大飯原発を再稼働させた民主党が「2030年代原発ゼロ」と公約を立てても、信用できない。「選挙の時だけいいことを言うんだ、と怒りがある。筋を通してくれる党を見極めないと」

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〈2年前は〉 原発事故後、娘をどう守ろうかと不安になり、反原発デモに参加するようになった。デモへの締め付けが厳しくなったと感じる。

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(朝日新聞社提供) 

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