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スーパーチューズデー、なぜ誰もトランプ氏に勝てなかった? 出口調査分析【アメリカ大統領選】

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TRUMP
Republican presidential candidate Donald Trump, accompanied by New Jersey Gov. Chris Christie, left, takes questions from members of the media during a news conference on Super Tuesday primary election night in the White and Gold Ballroom at The Mar-A-Lago Club in Palm Beach, Fla., Tuesday, March 1, 2016. (AP Photo/Andrew Harnik) | ASSOCIATED PRESS
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2016年アメリカ大統領選で、2大政党の候補者選びの最大の山場となる「スーパーチューズデー」(3月1日)に、特に衝撃的な展開はなく、ヒラリー・クリントン氏(民主党)とドナルド・トランプ氏(共和党)が大きく優位に立った。テッド・クルーズ氏(共和党)もまずまずだったが、マルコ・ルビオ氏はふるわず、ルビオ氏に決めたかった共和党にとって悩みの種となった。

■大きな驚きのないスーパーチューズデー

スーパーチューズデーの州で、最も出口調査と結果との開きが大きかったのはオクラホマだった。出口調査ではドナルド・トランプ氏が有利と出たが、結果はテッド・クルーズ氏が6ポイント上回って勝利した。民主党のオクラホマ州の調査は調査主体によって異なっていたが、バーニー・サンダース氏が10ポイント差で勝利を収めた。

■トランプ氏は予想通り強かった

統計学者のネイト・シルバー氏は、ウェブサイト「538(FiveThirtyEight)」でこう述べた。

どの候補者が予想を覆すかが盛んに議論されているが、538(FiveThirtyEight)のようなウェブサイトが予測した選挙前の平均得票と、実際の各候補者の得票率を比較してみると興味深い」と話す。事前に平均投票率を公開した8州(アラバマ州、アーカンソー州、ジョージア州、マサチューセッツ州、オクラホマ州、テネシー州、テキサス州、バージニア州)では、クルーズ氏が4.4ポイント上回り、ルビオ氏もわずかに調査結果より高かった。トランプ氏の数字は、予測と全く一致している。

■「アウトサイダー」のイメージがトランプ氏の追い風に

ABCは、1日の出口調査をもとに、以下のように分析した。

「アウトサイダー」の候補者を強く求める雰囲気が、1日に共和党の予備選・党員集会があった全ての州に共通している。どの州でも、有権者の半分が「政治的インサイダー」よりアウトサイダーに人気があった。ドナルド・トランプ氏は、「アウトサイダー」支持の有権者によって、インサイダーを粉砕した。テッド・クルーズ氏、マルコ・ルビオ氏といった上院議員が、経験を好む票を分け合っている。

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テッド・クルーズ氏

■福音派(エバンジェリカル)が支えるクルーズ氏

ABCはさらに、以下のように解説した。

南部のほどんどの州では有権者10人中7、8人がキリスト教福音派(エバンジェリカル)で、テキサス州では10人中6人、バージニア州では過半数、マサチューセッツ州、バーモント州で約4分の1が福音派だ。これまでのところ、福音派はテッド・クルーズ氏の最高の支持基盤の一つだ。ただ、トランプ氏も、ネバダ州では福音派の支持でクルーズ氏を上回り、ニューハンプシャー州とサウスカロライナ州ではクルーズ氏とかなり競り合った。

■性別・人種・年齢で分断された民主党

CBSは以下のように指摘した。

クリントン氏は、彼女の元上司(オバマ大統領)を受け入れて予備選挙シーズンの大半を過ごしたが、データからは、この戦略が功を奏していると読み取れる。CBSニュースの出口調査では、ほとんどのスーパーチューズデー州で、民主党有権者の過半数が、次期大統領もオバマ大統領の政策を引き継ぐことを望んでいる。サウスカロライナ州での圧勝に続き、クリントン氏は黒人有権者に支持され、南部の州の人気ぶりを見せつけた。

一方、サンダース氏は、北東部以外の地域や非白人層の支持獲得に苦労している。サンダースの拠点・バーモント州を除く全ての州で、クリントン氏が女性票を惹き付けた。また特に南部の州で、彼女が男性票を集めたことも注目に値する。しかし、彼女はすべての州でミレニアル世代(1980~2005年ごろに生まれた世代)の支持を得られず、この世代の多くがサンダース氏を支持し続けている。テキサス州は、スーパーチューズデーの州で唯一、ヒスパニック・ラテン系が実質的な組織票を持っている。テキサス州で投票したヒスパニックのうち、ほぼ10人に7人(67%)はクリントン氏を支持し、サンダースに投票したのは33%だった。

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■代議員数が意味するものは?

まだスーパーチューズデーの州の代議員すべてが割り振られたわけではないが、全体像はかなり明確だ。クリントン氏とトランプ氏がかなり優位に立っている。スーパーチューズデーの州だけでも、この記事の執筆時点で、クリントン氏は453人、サンダース氏は284人の代議員を獲得している。誓約で拘束されない「特別代議員」を追加すると、クリントン氏554人、サンダース氏291人となる。

一方、スーパーチューズデーの州で、これまでトランプ氏が203人の代議員を獲得し、クルーズ氏は144人と、マルコ・ルビオ氏(71人)の倍以上の支持を得ている。まだ民主党の155人、共和党の187人の割り振りが残っている。全体ではクリントン氏が544人で、349人のサンダース氏をリードしており、これが特別代議員を含めると1001人対371人と劇的に増える。全体ではトランプ氏は285人、クルーズ氏は161人、ルビオ氏87人だ。

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マルコ・ルビオ氏

■ルビオ氏、3州で代議員を獲得できず

共和党では、代議員を獲得するために最低限の票獲得を候補者に課している州がある。アラバマ州、テキサス州、バーモント州で、ルビオ氏は得票率が20%に達せず、代議員を獲得できなかった。このルビオ氏が失った代議員は、20%以上を獲得したトランプとクルーズに割り当てられた。ルビオ氏は、多くの州で上位2候補に近い位置にいるにもかかわらず、代議員数でトランプ氏とクルーズ氏に大きく差をつけられている理由がここにある。テキサス州で代議員獲得に必要な最低限の票を得られなかったのは特に痛い。ルビオ氏はこの州の代議員155人の5分の1すら獲得できず、1人の代議員も得られなかった。クルーズ氏とトランプ氏が、この夜の最大の戦利品を分け合った。

■「党が決断しない」

ジョージタウン大学のハンス・ノエル准教授は、ニューヨークタイムズでこう指摘した。

共和党のリーダーたちがそんなにドナルド・トランプ氏を嫌っているなら、なぜ彼らはトランプ氏を阻止しようと動かなかったのか? できるはずだ。私は2008年に共著『党が決断する(The Party Decides)』で、党の指導者たちが大統領候補の選出に大きな影響を持っていると主張した。だが、今年の選挙は、私たちの説に合致していない。

トランプ氏は明らかにフロントランナーだが、党の主流派に嫌われている。先週までは、全国的に著名な共和党員は誰も彼を支持していなかった。もう一人の有力候補、テッド・クルーズ氏も、共和党の指導者たちに人気がない。党の指導者たちはいろいろ画策してきたが、最近までほとんどなんの措置も取ってこなかった。彼らの本命はようやくマルコ・ルビオ氏に落ち着いたように見えるが、予想よりもかなり遅い。ルビオ氏が勝っても、せいぜい私たちの著書が部分的に当たっていたと言えるぐらいだ。理論が間違っていたのか、あるいは少なくとも、党の指導者たちはなぜ調整できないことがあるのか、より綿密に考える必要がある。

考えられる説明としては、政治的環境が変わったのかもしれない。その一つは、これまで目立たなかった予備選が、多くのテレビ放映討論会で注目を浴びるようになり、より多くの視聴者と多くのメディアにさらされていることが挙げられる。あるいは、党が崩れているのかもしれない。これらの障害がなかったとしても2016年に共和党の指導者が候補者を調整するのは特に困難になりつつある。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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