福岡の保育士刺殺、婚約者が遺影に「結婚してください」涙の別れ

「まだ現実味がない。太陽みたいな子だった」
朝日新聞社

刺され重体だった28歳保育士が死亡 福岡

福岡市南区のアパートで保育士の肱岡(ひじおか)綾音さん(28)が刺され意識不明になっていた事件で、肱岡さんが22日夜、治療を受けていた病院で死亡した。県警が発表した。県警は、殺人未遂などの疑いで逮捕した住所不定で職業不詳の冨士田(ふじた)清治容疑者(47)の容疑を殺人などに切り替え、23日に福岡地検に送検する。

肱岡さんは15日夜、同区南大橋1丁目のアパート2階の自室前で倒れているのが見つかった。県警は、肱岡さん方に侵入し、肱岡さんを刃物で刺して殺害しようとしたとして21日に冨士田容疑者を逮捕した。事件前後には付近の防犯カメラに冨士田容疑者とみられる男が映っていた。

捜査関係者によると、これまでの捜査で2人に接点は見つかっていないという。

また、現場に落ちていた、凶器とみられる包丁は、事前に冨士田容疑者が100円ショップで購入したとみられることも判明。県警は窃盗などの目的で肱岡さんの部屋に侵入し、鉢合わせした場合は包丁を示して居直るつもりだった疑いがあるとみている。(緒方雄大)

(朝日新聞デジタル 2016年10月23日 00時43分)

遺影に「結婚してください」涙で別れ 福岡の保育士刺殺

福岡市南区のアパートで保育士の肱岡(ひじおか)綾音さん(28)が刺されて死亡した事件で、肱岡さんの葬儀が25日、市内で営まれ、親族や友人が最後の別れを惜しんだ。

葬儀には保育園の同僚や友人、肱岡さんの婚約者らが参列し、弔辞を読み上げた。参列者によると、婚約者は遺影に向かって「結婚してください」と声をかけ、多くの人が涙を流していたという。

幼い頃を知る男性(54)は「まだ現実味がない。太陽みたいな子だった」。別の男性は「友達や親族らの弔辞を聞いて、これほどみんなから愛され信頼されている子だったんだというのを改めて知った」と話した。友人の女性は「ありがとう」と伝えたといい、「明るい人だった。悔しい」と涙を浮かべた。

福岡県警によると、肱岡さんは15日夜に自宅アパートの玄関先でうずくまっているのが見つかり、22日夜に死亡した。県警は、21日に出頭してきた住所不定、職業不詳の冨士田清治容疑者(47)を逮捕し、殺人などの容疑で調べている。2人に接点はないという。(伊藤繭莉、宮谷由枝)

(朝日新聞デジタル 2016年10月25日 23時43分)

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(朝日新聞社提供)

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