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「トランプ氏は様々な要求してくる」 ビル・トッテン氏、日米首脳会談を語る

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トランプ次期アメリカ大統領(右)と握手を交わす安倍首相=2016年11月

安倍晋三首相は2月10日(日本時間11日未明)、アメリカのトランプ大統領との初の日米首脳会談に臨む。首脳会談で安倍首相は日米同盟の重要性や、双方に有益な経済関係の構築を目指す方針を確認したい考えだ。

一方、経済分野では、日本の金融・為替政策などを批判してきたトランプ氏。その姿は、経済が好調だった日本に対して1980年代にアメリカで広まったジャパン・バッシングを彷彿とさせるという声もある。

ハフィントンポストは、日本でコンピューターソフト会社「アシスト」を経営するかたわらユニークな日米文化論を展開してきたアメリカ出身のビル・トッテンさん(75)に取材。トッテンさんは「日本はアメリカの言うことになんでも降参する。トランプは今後、いろいろと要求してくると思う」と話し、日本はアメリカと適切な距離を置いた方がいいとの考えを示した。

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インタビューに応えるビル・トッテンさん=東京都港区

——まず、大統領に就任してからのトランプ氏をどう見ていますか。

トランプは時々変なことも言うけれども、ざっくばらんで、思っていることを素直に語ります。私は、そこはとても気に入っています。安倍首相や、オバマ(前大統領)などアメリカの政治家は書かれたものを読み上げるだけでしょ。トランプが今、批判されているのも正直すぎるからです。

彼がこれからいい大統領になるかどうか分からないけれど、少なくても、ヒラリー(クリントン)がなるよりもだいぶマシだった。ヒラリーでなければ誰でもいいとも思っていました。

アメリカは民主主義の国です。メディアや大手企業は誰もトランプを応援しなかったけれど、彼は白人ブルーカラー層にアピールして勝ちました。それが民主主義の結果です。私はトランプに期待しています。

——トッテンさんは、もともと共和党を支持しているのですか。

いや、そうではなくて、僕は割と「左」です。でもヒラリーは戦争好きの「右翼」ですよ。オバマ大統領の時に国務長官を務めましたが、彼女は中国とロシアに対して攻めると何度も言っていました。彼女が大統領選で負けたのは、それも一因だとされています。

——トランプ氏はメキシコとの国境沿いに壁を作る計画で、議論を呼んでいます。

それはトランプが、大統領選で自分が支持を受けたアメリカ人労働者を守ろうと考えているからです。一方、大企業は労働力として移民を受け入れたいと思っていて、企業は壁に反対しています。

アメリカは不法移民にも無料の医療診療や行政サービスを提供し、後にアメリカ国民になれる特典を認めています。だから、ますます多くの不法移民がアメリカに密入国してくるのです。トランプは選挙期間中、壁を作って移民を入れないことを公約にしてきました。これは、選挙に勝つための宣伝文句としてうまかったです。トランプは2期目も当選するため、今後も公約を実行していくでしょう。

——イスラム圏7カ国からの入国を一時禁止にもしました。

イスラム教はしっかりとした宗教です。テロを起こすのはごく一部の人。アメリカが中近東に対する爆撃をやめれば、アメリカの問題は解決します。爆撃で地域の治安が不安定になり、アメリカに向かう移民や難民が増えていますがこれが収まり、テロが起きることもなくなります。

テロリストはむしろアメリカ人の方でしょ。IS(イスラム国)を支援している人や、911(アメリカ同時多発テロ)以降はアフガン、シリア、イラク、リビアの市民に対して空爆をして、命を奪っています。

移民や難民を受け入れるかどうかは、それぞれの国が決めることです。日本は難民を受け入れる政策を取っていませんよね。

——環境政策についても批判の声があります。オバマ前政権が環境破壊につながるなどとして認めなかった石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を推進する大統領令にトランプ氏は署名しました。石炭への規制も撤廃する方針のようですが。

私はトランプの環境政策には反対します。一方、メキシコからの輸入品に新たに20%課税する案はとてもいいと思います。

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——ところで、安倍首相がトランプ氏と首脳会談をします。日米が連携したインフラ投資などでアメリカを中心に70万人の雇用を創出し、4500億ドル(約50兆円)の市場を生み出す「日米成長雇用イニシアチブ」を示すとみられています

安倍首相は御用聞きですね。金を渡し始めたら、後になっても、もっとよこせと言われるでしょう。悪循環です。

——在日米軍の駐留経費について、公約通り、日本により多くの負担を求めてくるでしょうか。

私は、どうしてアメリカが日本の防衛のための金を使うのか疑問を持っていて、アメリカは日本にもっと要求してもいいと思っています。日本がそれを嫌がるなら、中国とロシアと仲良くして、アメリカは基地を持っていけと言うしかありません。

——トランプ氏はアメリカ第一主義を掲げ、日本との貿易赤字を問題視しています。1980年代、経済が好調だった日本はアメリカからバッシングを受けましたが、それを思い起こさせるような雰囲気も感じます。でも、日本の状況は80年代とは違います。日本に厳しく接する意味はあるんでしょうか。

意味はありますよ。日本はアメリカの言うことになんでも降参するから。

80年代の日本叩きはみせかけのもので、実際は、日本国民をだましてアメリカの通商代表の要求を受け入れさせるよう、日本政府が計画的に調整したものだったと思っています。

——そのアメリカの態度は今も変わってないんですか。

変わってないですね。人間は勝てそうな相手を責め続けるんです。今までの日本の降参の履歴を見ると、トランプは今後、いろいろと要求してくると思います。

——これからの日米関係はどうしていったらいいと考えますか。

アメリカとは、ワンオブゼムの国として付き合い、ほかの国とも仲良くした方がいいです。今の日本はアメリカの植民地みたいな行動をとっています。かつての首相だった田中角栄や佐藤栄作のころは、もっと独立しようとする姿勢を示していたんですよ。

ビル・トッテン(Bill Totten)アメリカ・カリフォルニア州立大卒。南カリフォルニア大で経済学博士。ロックウェルやシステム・デベロップメントに勤務後、1972年、日本でコンピューター用のソフトを販売する「アシスト」を設立、現在は同社会長。「日本はアメリカの属国ではない」など日米関係の著書多数。かつてTBS系「ブロードキャスター」のコメンテーターも務めた。06年に日本国籍を取得。京都市に在住。


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