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「逃げようとするとISに処刑される」イラク軍がモスル西部の奪還作戦を開始、35万人の取り残された子供たち

2017年02月19日 23時52分 JST | 更新 2017年02月19日 23時52分 JST
Zohra Bensemra / Reuters
Smoke rises after a rocket landed in the middle of the Iraqi rapid response forces' position during a battle against Islamic State militants in the south of Mosul, Iraq February 19, 2017. REUTERS/Zohra Bensemra

過激派組織「イスラム国」(IS)が占拠するイラク第2の都市モスルの奪還に向け、イラク軍は2月19日、同市西部での新たな作戦を開始した。イラク軍は1月までにモスル東部を制圧したが、続けて西部を奪還することで、国内からIS拠点の一掃をめざす。ロイターなどが報じた。

イラク北部にあるモスルは首都バグダッドに次ぐ北部の都市。モスルは2014年6月にISが占拠。同年7月、最高指導者のバグダディ容疑者はモスル市内の大モスクでイスラム国家の「カリフ(イスラム教の最高指導者)」を宣言。「首都」と称するシリアのラッカと並ぶ重要な拠点となっている

イラク軍は10月、米軍などの支援を受けてモスル解放作戦を開始。1月にイラク政府は、「東部を制圧した」と宣言したが、ISの激しい抵抗を受け、西側には進軍できなかった。

BBCによると、今回の作戦でイラク軍は、アメリカ軍などによる空爆支援を受けながら、西側への進軍を開始した。 アメリカ主導の有志連合軍のスティーブン・タウンゼント司令官は、モスル西部には狭い通りが多く戦車が通れないため、東側での戦闘よりも厳しさが増すことを示唆。「モスルは厳しい戦いになる」などと語った。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、すでにモスル内の6複数の村を制圧したとされる。

取り残された子供たち。「逃げようとしたらISに処刑される」

一方、国連はモスル西部には約75万人の市民らが残っていると推定する。ISは密集する住宅地区で応戦態勢を整えているとみられ、ISが人間の盾をつかって抵抗を続けることが予想される

子供支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」によると、モスル西側には約35万人の子供が取り残されており、戦闘の銃撃などに巻き込まれる可能性が高いという。17日に発表されたプレスリリースで、同団体は次のように記し、一般市民の避難路の確保が必要と訴えた。

「モスル西側に住む家族にとって、逃げることは、選択肢のひとつではないといいます。 もし彼らが逃げようとすると、ISの戦闘機や狙撃兵による射撃、地雷などの危険にさらされます。先日は、逃げようとした9人家族全員が撃たれと聞きました。(中略)

ここに残るなら爆撃、集中攻撃、そして飢餓…逃げようとすれば処刑、銃撃。モスル西側の子供たちにとって、今のこの状況は、非常に難しい選択です」


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モスルから逃げる人々


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