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トランプ陣営とロシア政府の接触をめぐる調査委員長が「一時離脱」 ホワイトハウスと近づきすぎた?

2017年04月08日 14時34分 JST
Anadolu Agency via Getty Images
WASHINGTON, USA - APRIL 4: Chairman of the House Permanent Select Committee on Intelligence and head of the Republicans investigation into the alleged connections between the Trump campaign and Russian officials, Congressman Devin Nunes (L), leaves a closed door meeting with Egyptian President Abdulfettah el-Sisi at the U.S. Capitol in Washington, United States on April 4, 2017. (Photo by Samuel Corum/Anadolu Agency/Getty Images)

アメリカ下院情報特別委員会は4月6日、2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプ大統領の選挙陣営とロシア政府の関係をめぐる調査を指揮していたデビン・ヌネス委員長が、一時的に退くとの声明を発表した。

トランプ大統領は3月4日、Twitterで選挙期間中にオバマ政権がトランプタワーを盗聴していたと主張した。

「ひどすぎる!」と、トランプ氏は書き込んだ。「勝利の直前のトランプタワーでオバマが「電話を盗聴」していたことが今分かった。何も見つからなかった。これはマッカーシズムだ!」

トランプ氏のツイート全投稿は以下の通り。

ひどすぎる!勝利直前のトランプタワーでオバマが「電話を盗聴」していたことが今分かった。何も見つからなかった。これはマッカーシズムだ!

新情報。ジェフ・セッションズが会っていたロシア駐米大使はこれまでに22回、去年だけで4回もホワイトハウスにオバマを訪ねていた。

現職大統領が選挙期間中に候補者の電話を盗聴するのは合法なのか?以前裁判所は却下した。最低新記録だ!

良い弁護士がいればきっと見事に立証できるはずだ。選挙直前の10月、オバマ大統領が私の電話を盗聴していたという事実を!

非常に神聖な選挙の進行期間中に私の電話を盗聴するとは、オバマ大統領も落ちたものだ。これはニクソンのウォーターゲート事件だ。悪い(それか病んでいる)奴だ!

トランプ氏はTwitterに連続して投稿し盗聴疑惑を広めたが、その裏付けとなる証拠は示さなかった。

トランプ氏も、トランプ政権も、この疑惑の根拠としたのは保守系メディアの記事のみで、スパイサー報道官は16日、FBIが複数の機関による共同調査を率い、トランプ政権関係者とロシア政府の接触の可能性を調べていると、匿名の情報筋の証言を引用した一連の報道を読み上げた。

上院情報特別委員会は3月16日、バラク・オバマ前大統領がトランプタワーを盗聴していたとするドナルド・トランプ大統領の主張を立証する証拠はないと発表した

下院情報特別委員会もホワイトハウスの要求に基づいてトランプ氏のツイートについて調査し、司法省から盗聴問題に関する報告を受け取った。共和党のヌネス氏と民主党のアダム・シフ氏の両委員長とも、その情報は大統領の説を裏付けるものではないと語った。

ヌネス氏は「Twitterを文字通りに受け止めるなら、明らかに大統領の誤りだ」と発言した

ヌネス氏は19日にも、「トランプタワーでの盗聴の物的証拠? いや、何もなかった」と、改めて否定した。「17日に入手した情報についても同様だ」

シフ委員長も「司法省の回答について機密報告を受けた。我々のほとんどが地元を離れた後に届いたものだ。しかしやはり、トランプ大統領がオバマ前大統領に盗聴されていたという主張を支持する証拠は何もない」と述べた。

ところがヌネス氏は22日になって、匿名の情報筋からの報告として、政権移行チームのメンバーの通信内容が外国人を対象にした当局の監視活動中に「偶然傍受された」可能性があると指摘した。ヌネス氏はその後、トランプ大統領と選挙チームが監視を受けていたと「確信を得る」にはより多くの情報が要ると述べ、発言を撤回した。

ヌネス氏はこの情報を、下院特別情報委員会に通知せずにメディアに公表し、ホワイトハウスに報告したため、同氏は23日に委員会のメンバーに謝罪。民主党からはヌネス氏を調査から外すべきだとの要求が出ている。

ヌネス氏がこの情報をもとにトランプ氏に報告したことで、同氏が公平な立場で当局の監視を証明できるのかという疑う声が高まっていた。

ヌネス委員長は4月6日、マイク・コナウェイ議員(共和党)を自らの後任に据え、トレイ・ゴウディ議員(共和党)とトム・ルーニー議員(共和党)を補佐役とすると述べた。

ヌネス委員長の撤退は、民主党の勝利と言える。民主党議員らは、ヌネス氏はトランプ氏と親しい関係にあり、捜査を監督する役職には不適格だと主張していた。ヌネス氏は6日、捜査指揮を離れるのは一時的な措置だと述べたが、復帰に関して詳細は明らかにしなかった。

ヌネス氏は声明の中で、複数の市民団体がヌネス委員長に倫理規定違反の疑いがあるとして議会倫理局に調査を求めたことに触れ、市民団体の主張は「全くのでたらめで、政治的な策略に基づくものだ」と述べた。

ヌネス氏が不関与を表明した直後、下院議会の倫理委員会は、ヌネス氏が機密情報を許可なく開示した疑惑を調査することになると表明した。倫理委員会による調査は、議会からの要請であり、ヌネス氏が言及したような外部の市民団体は関わっていない。

倫理委員会の声明では、ヌネス氏に対する調査を開始する根拠として内部規則の18(a)を引き合いに出した。この規則では、議会倫理局からの申し立てによる訴えや委任がなくても、「倫理委員会の所有する情報である限り、議員、連邦幹部、連邦職員に規程違反の疑いがあるとされる場合は調査の対象にできる」とされている。

ヌネス氏は、「虚偽の訴えを早急に取り下げるため、できるだけ早い時期に」倫理委員会で証言すると述べた。

ポール・ライアン下院議長(共和党)は声明で、ヌネス氏を信じているが、調査に関わらないヌネス氏の意向を支持すると述べた。

「今回の動きが、大統領選にロシアが介入した問題に関する下院情報特別委員会の調査が混乱するのは間違いない」と、ライアン氏は語った。ライアン氏は、ヌネス氏を委員長職から辞任させるべきとの民主党の要求を認めていない。

政府職員はヌネス氏の撤退についてコメントせず、今回の件について4月6日、「下院内部の問題だ」と語った。

下院情報特別委員会は、2016年の大統領選にロシアが介入した疑惑と、トランプ大統領の選挙チームと共謀した可能性について現在取り調べをしている議会の2つの委員会の1つだ。連邦捜査局(FBI)も独自の調査を実施している。

政権移行チームのメンバーだったヌネス氏は、下院倫理委員会の調査当初から物議を醸していた人物だった。下院倫理委員会内部での混乱はここ数週間のうちに異様な形で世間の注目を浴び、「911委員会」にならって独自の調査を実施できるよう、議会から独立した委員会を設置する要求が上がった。

ヌネス氏は3月中旬、オバマ政権が終わる直前の数カ月間、トランプ大統領の側近らが偶然に情報機関の監視対象となっており、大統領自身の情報も収集された可能性があると主張し、事態はさらに混迷化した。

3月22日に開かれた一連の記者会見で、ヌネス委員長は、個人的にトランプ大統領と面会し、匿名の情報筋から入手した数十件の情報報告書の内容を手短に報告した、と述べた。これらの調査報告書の内容は通常、機密情報として扱われるものだ。情報源について何度も質問があったが、ヌネス委員長は情報提供者が現職のホワイトハウス職員である可能性を否定しなかった。その後CNNが、ヌネス氏が発表の前日にホワイトハウスの敷地内で情報源と接触していたと報じた。

ヌネス氏は、トランプ大統領の複数の代理人が内部報告書に記載されていたことを懸念していると述べた。声明発表後、ヌネス氏は情報特別委員会所属のアダム・シフ下院議員(民主党)に対し、報告書の中でトランプ氏の代理人と断定できたのは少数だったが、特徴に関する記述から複数の人物を推論によって導き出すことができたと語った。

ヌネス氏はさらに、「情報機関の監視対象ではないアメリカ人を特定することには、正当な理由がある」と認めた。さらに彼が目にした調査報告書には、外国のスパイだと疑われる人物に対する合法的な監視で得られた情報が記されていたと述べた。

さらにヌネス氏は、報告書にはロシアに関する記述は一切なく、従って下院特別情報委員会の調査とも関連はないと主張した。

シフ氏に相談なくメディアと大統領に対して同文書に関する報告をするというヌネス委員長の決定は、同委員会の脆弱な超党派協力を打ち砕いた。バラク・オバマ前大統領によってトランプタワーが盗聴されていたとするトランプ大統領の根拠のない主張の正当性を示そうとする目的で、ヌネス氏が通常の監視についての情報を誇張しているという批判の声も上がっている(ジェームズ・コミーFBI長官は、オバマ前大統領がトランプタワーを盗聴したという証拠はないと述べ、ヌネス氏自身もトランプ大統領の主張を否定している)。

当初、下院規則の違反として表出したものが、その後数日の間にヌネスとホワイトハウスのつながりの隠蔽が明らかになり始めた。

3月24日、ヌネス氏は報道に対し、公聴会の「延期」を決定したと発表した。この公聴会では、ロシア側からの選挙への関与とトランプの関係者とロシア政府関係者のつながりの疑惑に関して、サリー・イエイツ前司法長官、ジェームズ・クラッパー前情報長官、ジョン・ブレナン前CIA長官が証言を行う予定であった。

シフ氏はこの延期の意味を、情報を「妨害する」ことを意図したものだと指摘した。シフ氏はヌネス氏に対しロシアの疑惑の調査から離れるよう要求した。4月6日には、ヌネスの決断が「下院の利益を最優先」したものであり、調査が再び正常に行われることを期待しているとシフ氏は述べた。

3月28日付けのワシントンポストの報道によると、イエーツ氏による証言内容は情報伝達に関する大統領特権により保護されているとし、トランプ政権が同氏の証言を阻止しようとしたという。(トランプ政権側はそのような試みはなかったとしている。)

ニューヨークタイムズは3月30日、2人のアメリカ政府当局者、エズラ・コーエン・ワトニック氏とマイケル・エリス氏がヌネス氏に手を貸し、調査報告の入手と提供に協力したと伝えている。エリス氏はトランプ政権に加わる前、ヌネス氏と共に下院情報特別委員会で法律担当官を務めている。

ヌネス氏の発言全文は以下の通り。

左翼活動家数人が、私に対する訴えを議会倫理局に申し立てました。告発内容は完全なる虚偽であり、政治的動機に基づいています。そして、アメリカ国民は市民の身元の不適切な暴露や、他の権力乱用に関する真実を目の当たりにし始めています。告発は全くの無根拠ではありますが、下院情報委員会がこの件に関して取り調べをする間、トレイ・ガウディ、トム・ルーニー両下院議員の協力の上、マイク・コナウェイ下院議員に委員会のロシア調査を一時的に一任することは、下院情報委員会や議会にとって最善であると信じています。私は委員長としての他の責務を引き続き全うし、これらの事実に反する主張が棄却されるよう、一刻も早く倫理委員会での発言機会を要請しているところです。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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トランプ大統領の「オバマ氏に盗聴された」疑惑がさらに混迷 調査委員長がホワイトハウスから情報入手?