トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」が、いっそうシリアへの軍事行動に駆り立てる

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ドナルド・トランプ大統領がシリアをミサイル攻撃したことで、シリア国内でIS(「イスラム国」)と戦っているアメリカ軍の兵士たちは、今以上に命が危険に晒されるかもしれない。今後シリアに駐留しているアメリカ軍は、シリア政府軍からも標的にされる可能性がある。

「今回の決定が、大統領と側近の軍司令官たちを中心に下されたものだと願いたいところです」と、バラク・オバマ前政権で、国家安全保障会議の対テロ部門シニアディレクターを務めたルーク・ハーティグ氏はそう語った。

大統領選では、「当選したら軍事行動を減らしていく」と公約していたトランプ氏だが、4月6日夜にシリアに59発の巡航ミサイルを発射し、かえって軍事行動を激化させることになった。

1月20日の大統領就任以来、トランプ大統領はそれまでアメリカの影響力がほとんどなかったイエメン、イラク、シリアへの軍事介入を強めてきた。イエメンでは特殊部隊「ネイビー・シールズ」が襲撃に失敗し、隊員1人と民間人数十人が死亡しても、トランプ氏はイエメンへの空爆を拡大した。イラクとシリアに派遣される米軍兵士の数は増えている。

これらはすべてテロとの戦いの名目で行われてきたが、それも6日の夜に変化を迎えた。4日にシリア・イドリブ県でシリア政府軍が民間人に対して化学兵器を使用し、少なくとも87人が死亡したという情報を受け、アメリカ政府は海軍の駆逐艦から59発の巡航ミサイルをシリアの空軍基地に向けて発射した。

H・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、「空軍基地に狙いを定めたのは、シリアの殺戮行動の発端となったのがその施設だと判明したからだ」と述べた。

今回の件で、シリアでIS打倒を目標に活動しているアメリカ軍は、バッシャール・アサド大統領率いるシリア政府軍という新たな脅威に直面する可能性がある。シリア政府はロシアからの支援を受けている。

「今回の件でシリアとロシアが行動を激化させるかどうかについては分かりません」と、ハーティグ氏はそう語った。「この混乱がどう収まっていくのか、まだ分からない状況です」

現在シリアに駐留しているアメリカ軍兵士の正確な人数は不明だ。国防総省は3月、ISの拠点ラッカを攻撃する反体制勢力を支援する約1000人の兵士に加え、さらに1000人を派遣する計画を発表した。アメリカ軍兵士の大半は、アサド政府軍の影響力がそれほど及ばないシリア北西部に駐留している。

また、政府打倒を掲げる反乱を鎮圧しようとするアサド大統領が、アメリカ軍の兵士を直接攻撃するかどうかは不明だ。アサド氏自身が追放されたり、戦争犯罪で逮捕される可能性もあるからだ。

いずれにせよ、シリアでの意図しない軍事衝突を防ぐために築かれていたアメリカとロシアの脆弱な連携は崩壊した。ロシア政府は、オバマ政権下で設置され、ロシア軍とアメリカ軍の戦場司令官同士の通信を可能にしていた「衝突回避通信網」の使用停止を宣言した。

トランプ氏は2013年、化学兵器を使用したアサド政権への軍事行動を検討していた当時のオバマ政権を批判し、「シリアの内戦に介入するのはまずい考えだ」と語っていた。オバマ前大統領は1カ所だけでなく複数の標的への攻撃を示唆していたが、議会で共和、民主両党からの反対を受け、取り止めた。

大統領選でトランプ氏は、シリアに介入しない方針を一貫して主張し、「アサドは良くないが、ISはもっと悪い」と繰り返し主張していた。さらにトランプ氏は、「IS打倒のためにロシアやアサド政権との連携を模索する」とも語っていた。

軍事行動の直前、アメリカはアサド氏退陣は優先事項ではないというメッセージを発信していた。トルコを訪問したレックス・ティラーソン国務長官は3月30日、アサド大統領の運命は「シリア国民が決めることになる」と述べた。

しかし、イドリブ県で死亡した子供たちの映像をテレビで目にしたトランプ大統領は(彼が世界情勢についての情報の多くをケーブルテレビのニュースから得ているのは周知の事実だ)考えを変えた。トランプ氏は5日、民間人の殺害は「人間性への侮辱」であり、「アサド政権による極悪非道な振る舞いを許すわけにはいかない」と述べた。

トランプ政権は、次の行動について明言していない。ミサイル攻撃の直後、国防総省の関係者はロイター通信に対し、アサド政府軍に対するさらなる攻撃の計画はないと語った。しかし、トランプ大統領の別荘があるフロリダ州パームビーチで取材に答えたマクマスター大統領補佐官は、「アサド大統領は何が起きたのかよく考えるべきだ」と述べた。

「今回の攻撃は小規模のものではなかった」とマクマスター氏は語った。「今回の件で、アサド大統領には考え方を大きく変えるべきだというメッセージが伝わったはずだ」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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シリアの化学兵器攻撃、サリンか
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