朴槿恵さんが続々と改名。元大統領と同じ名前で生きるのはつらい?

朴槿恵前大統領と同姓同名の人による、改名申請が増えている。

韓国で改名手続きを申請する、ある名前の人たちが増えている。元大統領と同姓同名の「朴槿恵」さんだ。

韓国では近年、年間15万件前後もの改名申請がある。件数が急増したのは、日本での最高裁にあたる大法院での、2005年の「原則的に許容」という判決以降だという。

気になるのは、「朴槿恵」さんが韓国にどれくらいいて、どの年代に多いのか?ということ。名前の流行りに時代背景が反映されていることがわかる。

■物議をかもした人物と同姓同名だと嫌?「朴槿恵」さんによる改名申請が増加

韓国では昨年秋から、朴槿恵氏が友人の崔順実(チェ・スンシル)氏を政権に介入させた疑惑で揺れ、最終的に朴槿恵氏は弾劾された。朴槿恵前大統領と崔順実氏によって全国民がストレスを受けていた。しかし、「朴槿恵」、「崔順実」という名前を持つ人たちのストレスはそれよりもっと深刻だっただろう。

生涯呼ばれてきた自分の名前を嫌いになった気分は容易に想像できない。名前を変え始めていた人たちもいる。

6月22日、韓国紙「朝鮮日報」は朴槿惠という名前を持つ人たちの改名申請が増えていると報じた。

これによると、2016年11月から12月の間にすでに4名の「朴槿恵」さんがソウル家庭裁判所に改名申請をした。今年も2名、他の「朴槿恵」さんが申請をしたという。別の裁判所4ヵ所でも12名の「朴槿恵」さんが名前を変えようと乗り出した。

これはソウル市内の裁判所が受け付けた事例だ。ソウル以外の地域に住む「朴槿恵」さんで、改名申請をした人もいるように思われる。

■全国にどのくらい「朴槿恵」さんがいる?いつ増えた?

ならば、全国に朴槿恵さんは何人くらいいるのだろうか?

6月9日、経済紙「etoday」によると、ここ50年間で生まれた国民のうち、朴槿恵前大統領と同姓同名の人物は501人だという。

これは李明博(イ・ミョンバク)前大統領(9人)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領(22人)と比較しても圧倒的に多い。

朴槿恵という名前を持つ人は、1968年から大統領に当選した2012年まで毎年平均11人の割合で増えた。

朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領が政権を担った時期は1963年から1979年までだ。その当時、「令嬢」の名前を子息につけた親たちが多かったことを知ることができる。

etoday」は2013年の2名を最後に、2017年までは「朴槿恵」がいなかったと伝えた。2013年は朴槿恵前大統領の就任初年度だ。

韓国紙「朝鮮日報」は裁判所の関係者の言葉を引用し、「社会を揺るがす事件が起こるたびに関連人物と同じ名前を持つ人たちがいっぺんに改名申請をする傾向がある。朴元大統領の同姓同名の人たちも、特異な点がなければ改名許可の決定を受けている」と伝えた。

■韓国の改名事情

日本では改名へのハードルは高く思われているが、韓国では近年、年間15万件前後もの改名申請がある。申請件数が急増したのは、2005年、大法院による「原則的に許容」判決以降だという。

大法院は、犯罪の隠蔽や法令上の制限を避けようという不純な意図でなければ、原則的に改名を許可しなければならないとの判断を下した。

当該の判決によると、

・名前を決める過程に本人の意思が介入する余地がなく、名前によって深刻な苦痛を受けることもあるが、生涯その名前で生きていくことを強要する正当性や合理性がない点

・名前が変わっても住民登録番号は変わらず、法律関係の混乱はそれほど大きくないことが予想される点

・個人より社会的・経済的利害関係がずっと広く複雑に絡みうる法人、中でも大規模な企業などにおいても商号変更は自由に変更できる場合が少なくない点

・改名による社会的弊害などの発生の恐れを過度に強調して、改名を厳格に制限した場合、憲法上の個人の人格権と幸福追求権を侵害する結果を招く恐れがある点

などといった理由から、「犯罪を企図、または隠蔽したり、法令による各種の制限を回避しようとする不純な意図や目的が介入しているなど、改名申請権の濫用と見られる場合がなければ、原則的に改名を許可することが相当と言えるだろう」という判決に至った

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。

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