エスプーマとは? クリーム泡立器が爆発、著名ブロガーが死亡【フランス】

エスプーマと呼ばれるクリーム泡立て器が爆発して胸に激突し、著名ブロガーが死亡した。エスプーマとはどのような機器なのか。

エスプーマと呼ばれるクリーム泡立て器が爆発して胸に激突し、フランスの著名ブロガーであるレベッカ・ビュルジェールさん(33)が6月18日に亡くなった。家族が6月21日、Instagramなどで発表した。家族はビルジュールさんが使用したエスプーマと同じ種類の写真を投稿。「欠陥品が流通している」などと訴えた。

家族が投稿したInstagramには「これは爆発してレベッカの胸に直撃した一例です」「この種類の道具が家にあるなら、使わないでください。何万個もの欠陥品がまだ流通しています」などの文言が書かれていた。

BBCによると、ビュルジェールさんは、フィットネスや旅行をテーマにブログを執筆。Instagramのフォロワー数は15万4000、Facebookのファン数は5万5000と、フランスでは著名な存在だった。

エスプーマは「泡」を意味するスペイン語で、あらゆる食材を泡状に加工する調理法として知られる。WIREDによると、世界一予約のとれないレストランとして有名な「エル・ブリ」のフェラン・アドリア氏が、食品に亜酸化窒素ガスを添加する方法を開発。増粘剤を混ぜ合わせた液体を専用の容器に入れガスを注入すると、泡が形成される仕組みになっている。生クリームだけでなく魚や野菜なども泡状にできることから、人気を得た。

しかし、これまでにエスプーマが原因で失明したり、歯が折れたりするなどの事故も発生。神経が損傷したケースもあった。フランスの消費者雑誌「60ミリオン」は、機器がガスの圧力に耐えられず壊れやすい構造であったと解説。機器の上部がプラスチック製になっており、圧力に弱くなっていたという。

これらの事故を受けてフランス経済財務省の消費者問題対応局は2014年、欠陥のあるエスプーマ製品の一覧を発表し、消費者に注意を促した。

2015年には機器が改良されたが、2016年にあるメーカーは、事故のリスクが残っていると発表。指定されたものよりも高圧力のガスを使うなどの誤使用により爆発する可能性があるとして、機器の販売を止めた。

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