ミス・イラク、自撮りが原因で家族ごと国を追われる

母親は「クソな社会のせい」と慰めた。

自撮り写真が原因で、ミス・イラクが家族ごと国を追われる状態になっている。

タイムズ・オブ・イスラエルによると、2017年ミス・ユニバース世界大会に出場したミス・イラクのサラ・イーダンさん(27)が、母国に戻れなくなった。11月にミス・イスラエルのアダル・ガンデルスマン(20)さんとの自撮り写真をInstagramに投稿したことがきっかけで、殺人予告が送られてきているのだという。

イーダンさんは11月14日、「ミス・イラクとミス・イスラエルからの平和と愛」とのコメントをつけて写真を投稿した。その時の写真がこれだ。

投稿は12月18日正午現在で7700以上のいいねを集めている。この投稿のあと、ガンデルスマンさんがFacebookで紹介した「ミス・イラクとともに、世界に平和をもたらす活動をしています」などと書かれた同様のメッセージも、4000件以上いいねされた。

イーダンさんはイラクで育ったが、音楽を学ぶためにアメリカに渡った。そして、ミス・ユニバースにイラク代表として出場する45年ぶりの女性になった。

しかし、イーダンさんの投稿に激怒する人が続出した。イラクはイスラエルという国の存在を認めておらず、両国は国交がないため、イーダンさんの投稿は国際問題だと批判する人が現れたのだ。

CNNによると、コンテストの6日前、イーダンさんはミス・イラクの組織から、写真を取り下げるか、ミス・イラクの地位から降りるよう警告を受けた。組織はイーダンさんへの電話で、政府機関から圧力をかけられているのだと話した。

さらに、生命を脅かす存在もでてきたため、イーダンさんは家族をイラクから、コンテストの行われているアメリカに呼び寄せたという。

写真は、ミス・イスラエル側からの提案だった。イーダンさんはガンデルスマンさんから、「お互いの国の人々に和平が訪れるようにしたい」と言われ、写真撮影に応じたという。

非難を受け、イーダンさんは「パレスチナ人に対する屈辱だと思った全ての人に謝罪したい」とInstagramに投稿。しかし、政治的な意図はないとして、写真を取り下げることはなかった。

イーダンさんは自分の自撮りのせいで、母国を去らなくてはならなくなった家族に謝罪した。しかし、彼女の母親は、原因はイーダンさんではなく「社会がクソなせい」と慰めたという。

結局、イーダンさんはミス・ユニバースに出場しなかった。ミス・イラクの組織はCNNに、イーダンさんからミス・イラクの地位を剥奪すると言ったことはないと述べた。

注目記事