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縫製の国カンボジアでシャツブランド 奮闘の日々は濃厚すぎる!

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カンボジアより、こんにちは!

カンボジアのプノンペンでSui-Joh(スイジョー)というファッションブランドを立ち上げた浅野佑介といいます。

Sui-Johは現在、プノンペンとシェムリアップに店舗を構え、僕を含めて合計7名(カンボジア人5名・日本人2名)の仲間がいます。

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▶プノンペンの街のテイラーで仕事をする筆者
 
 
日本で働いていた時とは違う種類のストレスや悩みを抱えながらも、それらを越える面白さや楽しさもあり、毎日が駆け足で過ぎ去っていきます。

――こんな風に書くと、もしかしたら僕が優秀な起業家だと勘違いする方がいるかもしれませんが、実像はそれとはほど遠いものです。

Sui-Johのメンバーや多くの方々に支えられながら、どうにかこうにか仕事をしています。
 
 

人の温かさに魅かれて


僕がカンボジアで暮らし始めたのは2010年の秋。もうすぐ満6年になります。これを小学校の入学から卒業までの期間と考えると、すごく長い期間のように感じられます。

しかし、カンボジアでの6年はとても早く、そして濃縮還元ジュースの原液のように濃密な時間でした。どの一瞬にも喜怒哀楽が混じっていて、退屈することはありませんでした。

それと同時に、多くの人々に支えられ、助けられ、「人はひとりでは生きていけない」教えてくれた時間でもあります。

僕は2002年に初めてカンボジアを訪れました。

バックパッカーとして東南アジアを回り、カンボジアの人々の温かさに魅了されました。大学卒業後に日本で働き始めてからも、数年に一度は親しくなった人々を訪ねていたので、カンボジアは僕にとってずっと身近な存在でした。

だから28歳で日本でのサラリーマン生活に終止符を打とうと決めた時、次の行き先は迷わず「カンボジア」だと考えました。

そして僕は、首都プノンペンのノートン大学 大学院 開発学専攻に入学したのです。
 

不安に泣いた夜


当時、自分がファッションブランドを立ち上げることになるなんて、1ミリだって思っていませんでした。

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▶筆者が立ち上げたカンボジアのオリジナルブランドSui-Joh
 
 
カンボジアは、まだ日系企業進出ブームの前で、クラスに外国人がたったひとりという環境の中で、この国の人々の生の声に触れ、僕にできる何かを見つけたい、自分の生きる意味を見つけたい、と必死でした。

28歳、三十路を前にした人生の大切なタイミングでした。今振り返ると、これといった計画やスキルもないのに、よく飛び込むことができたな、と我ながら感心します。

カンボジアに到着後、自分の無計画さに気づき、収入が無く支出だけがある現実に直面しました。

僕がその時もっていたものは、日本でサラリーマン時代に節約を重ねて貯めた数百万円の貯金と、「僕にでも何かできるのかもしれない」という淡い自分への期待だけでした。

その時に味わった恐怖感、苦しくて不安でちょっと泣いた夜のことを、僕は忘れることはないでしょう。
 

「好きなもの」を作るために起業


Sui-Joh起業のきっかけは、たわいもない世間話からでした。

大学院在学中に、僕は友人から勧められるままにローカルのテイラーでシャツを作りました

カンボジアでは、生地やデザインを選んで、自分サイズのシャツを仕立てられる小さなテイラーが、市場の周囲などにたくさん軒を連ねています。もともとファッションは好きだったこともあり、好みのスタイルを自由に選べる楽しさに胸が踊りました。

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▶カンボジアには仕立屋さんがいっぱい。市場で布をえらび、気楽にオーダーすることができる
 
 
ところが、テイラーAでの仕立てはバッチリだったのに、テイラーBではどうもいびつに仕上がる。

そんな世間話をプノンペンの縫製工場で働く日本人技術者の方(後の恩師)にしたことから、その方に縫製のイロハを学ぶことになりました。

全くの素人だった僕が、自分好みのシャツを作りたいがために踏み出した一歩でした。あるいは、全くの素人だったからこそ飛び込めたのかもしれませんが、こうしてオリジナルシャツ工房、Sui-Johが生まれました。

僕は、家族が金持ちでもなければ、高学歴でもない。おまけに、特別なスキルがあったわけでもない。

でも苦境を楽しむ勇気と覚悟、そして多少の貯金があれば、きっとあなたにもできると言いたいです。

僕がこれから、コラムとしてこれまでのさまざまな経験を書くことで、皆さんの背中を押すことができたらうれしいです。
 
 
 
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ライター
浅野 佑介/Yusuke Asano

日常にHAPPYと彩りをお届けするカンボジア発のファッションブランド、Sui-Johの創設者。1981年愛知県生まれ。4人兄弟の長男。会社員を経て、2010年秋よりプノンペン市内のNorton大学 大学院へ入学。その中で、ファッションと文化の融合を目指しシャツ作りを始め、現在はトートバッグやポーチなど幅広く制作をしている。モットーは"Happiness is only real, when it's shared"。
 

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