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新卒で海外に出て4年半経過した私が思う、新卒海外就職のメリット・デメリット

事実として、日本で就職するのとは異なる部分がたくさんあります。

2017年10月06日 13時08分 JST | 更新 2017年10月06日 13時08分 JST

「新卒で海外就職」という選択肢も、4年半前と比べるとだんだん珍しくなくなってきたかなと思います。「自分も新卒で海外に出てみようかな?」という学生さんも増えてきているかもしれません。

海外に出る方法は、出張、駐在、フリーランス、現地採用など様々ですが、私は新卒の時に、フィリピン・セブ島で現地採用として働き始めました。

新卒海外就職をして4年半が経過した今、他に新卒海外就職をした人、学生インターンでこちらに来た人、日本で就職して活躍を広げている人などを色々見てきて、私が感じていることを今回はまとめます。

事実として、日本で就職するのとは異なる部分がたくさんあります。長所は短所と言われたりしますが、ひとつの事実にもメリット・デメリット両面ありますので、今回は5つの事実に対してまとめます。

事実1:小さい会社が多い

でら:)

初めてセブを訪れた時の会社の様子

もちろん、国や職種にはよりますが、アジアの途上国に新卒で就職する場合には、歴史のある大企業ではないことがほとんどでしょう。このメリット・デメリットについては海外に限った話ではありませんが、海外就職をする時にしっかり考えておいたほうが良い観点かなと思います。

■メリット:チャレンジングな仕事

職場の人数が少なければ仕事が溢れており、それらを拾っていけば仕事の範囲はどんどん広がっていくと思います。若いうちからいろんな仕事が経験でき、経験を通してジェネラルに学んでいきやすいです。もちろん本人の頑張り次第ですが、普通の1年目や2年目ではできないような仕事にもチャレンジしやすいでしょう。

また社長との関係が近い場合も多いので、信頼できる社長なら、隣で観察するのにももってこいでしょう。他企業の上層部の方とお会いする機会も多く、刺激も受けやすいです。人の学びは「経験7割、他人からが2割、本や研修からが1割」と言われているので、しっかりと経験から学んでいける人には良い環境と言えます。

■デメリット:受け身だと成長しづらい

小さな会社の場合、整った研修制度がないのはもちろん、専門の上司がいないこともあるでしょう。自ら学び成長することはもちろんできますが、プロフェッショナルスキルを伸ばしにくいというのは、ひとつ大きなデメリットかなと思います。

また、少人数の会社では、身近な同僚から学ぶにも相手は限られています。そして万が一、職場の人と合わないと苦労します。他に、保証がしっかりとついている会社も少数派なので、そのあたりはリスクを取れるかどうかの判断にもなります。

事実2:人や情報が限られている

でら:)

ITコミュニティのイベントの様子

セブ島に日本人コミュニティが存在するように、大多数の中の少数だとコミュニティができあがります。

■メリット:流されにくい

日本のように、あちこちから欲しくない情報に追われて乗せられたり、行きたくない会に参加したり......ということは少なくなります。家族や友達も遠いので、時には寂しくもありますが、自分の時間を確保しやすいのはメリットでしょう。

また、コミュニティが存在したり、会社の人数も限られていたりすると、気が合う人とは濃密な関係になりやすいです。

■デメリット:人脈を広げるには限定的かも

セブの主要産業は、教育、IT、飲食、観光、コンサルくらい。新卒でこの環境に来ると、社会にはいろんな職種や業種が存在していることには気づきにくいかもしれません。

また、その他の業種の人と繋がるにしても、もともと日本での人脈や知識がないと広げにくい可能性もあります。日本帰国時や、ゲストが訪問してきてくださる機会は非常に貴重です。

他に、情報という点では、本を買いにくい、勉強会やセミナーも少ない、というのは大きなデメリットです。そのようなイベントで人脈を広げる機会も限定的です。本は電子書籍を買うことはできますが、本屋で好きに選ぶのとはまた違いますし、雑誌や技術書も読みにくいので、やはり日本ほど恵まれた環境ではありません。

事実3:文化が異なる

でら:)

干し魚が山積みのローカルマーケット

当然のことですが、日本とは文化が異なります。世界的に見ると日本はかなり特異な文化圏だと思うので、これはどこの国へ行っても感じるのではないかと思います。

■メリット:異文化理解力が上がる

早くから海外へ出て、様々な人と触れることで、世界にはいろんな人がいることを体感するでしょう。日本の個々人の価値観への理解も促進されるはずです。途上国の場合は小さなトラブルも多いので、大抵のことに動じなくなる心の強さも身につきます。

もちろん、語学力も日本にいるよりは向上しやすいでしょう。とはいえ、語学を伸ばしたい方は、ある程度の努力や、日々の業務から学ぶ姿勢は必須です。

■デメリット:日本でのマナーが心配

就職した頃は「日本ではマナーが堅苦しくて大変だな」と思っていましたが、今は思うのは、「マナーは思いやり」だということ。心を読み、相手のために動くという考えは、海外にいても強みのひとつになるので、身につけておいて損はありません。セブにいる方はマナーについてあまり気にしない方も多いですが、「知っていてやらない」と「知らなくてできない」は違うなと思います。それを身につけるには、日本のほうが厳しい目をもつ方が多いぶん、日々磨かれるのだろうと思います。

事実4:物価が安い

でら:)

マーケットの野菜たち。野菜はそこまで安くないですが

どの国を選ぶかにもよりますが、フィリピンは日本よりも基本的に物価が安いです(物によっては、日本のほうがコスパが良い場合もしばしばですが)。

■メリット:ささやかな贅沢、コストコントロールをしやすい

物価が安いと、日本では縁遠い高級料理を食べに行けるし、一方コストを絞りたい時には安く終わらせることもできます。セブの場合は、海が近く、週末に気軽にリゾートに行くこともできます。観光客向けのホテルだと高いですが、ローカルの交通手段と宿を使えば、数千円でミニトリップができる贅沢もあります。

■デメリット:給料も比較的安い

現地採用の場合、日本より給料も低いことがほとんどでしょう。ただ、給料以外で、家賃や交通費などの保証が手厚かったりする場合もあり、コストコントロールも可能なことを考えると、日常生活を送るぶんにはそこまで気にならないかもしれません。

しかし、休暇で日本に帰るときの飛行機代、その際の日本での出費も考えると、少し痛く感じてしまいがちです。日本にしばしば帰りたくなる方は、出張で日本に帰国できるように、仕事を作っていく道も念頭に置いておくと良いでしょう。

事実5:異なる生活環境

でら:)

オフィス近くの部屋の様子。家具は全て備え付け

文化の違いに近いところはありますが、生活環境も異なってきます。国によって、メリット・デメリットが大きく異なる項目だとも思うので、気になる国についてぜひ情報を集めてみてください。

■メリット:生活の負担が低い

フィリピンは新生活を始めるのが簡単です。家探しの際、立地や値段はもちろんですが、「Furnished(家具付き)」か「Unfurnished(家具なし)」かを選ぶのが一般的です。さらにFurnishedのところが多く、場合によっては、キッチン用具まで揃っていて、消耗品以外は購入せずに生活を始められたりもします。

また、洗濯機がない部屋(そもそも洗濯用排水の場所がない)も多いのですが、代わりにランドリー文化が発達しており、30ペソ/kg前後(≒70円/kg)で依頼できます。きれいに畳んで数日後に返してくれるので、洗濯に伴う「洗濯干し」「洗濯たたみ」の家事も外注できてしまいます。

また、建物にもよりますが、1回300ペソ~400ペソ(≒700円~950円程度 2017年7月現在)程度で、ハウスキーパーにお掃除を頼むこともできます。相手が良ければ、大掃除でもしたように隅々まできれいにしてくれます。

■デメリット:質はよろしくない

家の中に蟻が発生することは日常茶飯事です。時々攻撃してきますが、共生するつもりくらいで考えておきましょう。道端でも、大きくてトロい動きのGとよく遭遇します。強くなれます。

また、何でもすぐに壊れます。靴や服、カバンなども、日本ではありえないような壊れ方をします。また、ネットが突然落ちたり、家やオフィスが壊れて修理を依頼してもなかなか来なかったり...... 。途上国に住むなら、ある程度のストレス耐性や鈍感力は必要だと思います。

まとめ

でら:)

私も、今後まだまだ生きていく中で、様々な経験を通して、上記のメリット・デメリットも更新されていくのかなと思ってはいます。

現状では、細かいことはあまり気にならず、積極的に挑戦し貪欲に学んでいける人、将来なりたい像が上記メリット・デメリットを考えた先にちゃんとある人は、新卒海外就職に挑戦してみても良いかもしれない、と個人的には思います。

国や人が、合う・合わないはあると思いますので、まずは旅行ででも一度その環境に身を置いてみて、雰囲気を見てから決めるのもおすすめです。

ご参考になれば幸いです。

Ambassadorのプロフィール


でら:)

でら:)

東大機械工学科卒、東大院を半年で中退。南米・アジアを半年かけてバックパックし、「ガンジス川でバタフライ」を文字通り実行。強靭な体とタフさが武器。休学中にインターンとしてNexSeedの立ち上げ最初期から参画し、中退後は社員としてジョイン。Administrative Managerとして、経理、法務、労務、人事などバックオフィス全般を幅広く担当。約3年半務めた後、現在フランジアにて再度スタートアップ経験を積む。2017年6月からはフリーランスで慶応大学のプロジェクトにジョインし、ローカルのビジネス支援も行う予定。