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北米のフリーランスが多い理由から日本の新卒一括採用を再考する

2017年06月06日 22時46分 JST | 更新 2017年06月06日 22時46分 JST

はじめまして、野村晶大(のむらあきひろ)です。

簡単に略歴を紹介すると、現在カナダ、バンクーバーのMy Loud Speaker Marketingという会社で2年程Digital Marketing Specialistとして仕事をしています。その傍ら2017年の5月から海外のリアルなマーケティング情報を届けるインタビューサイトTouch-Baseの運営もしています。

さて、本題の日本の新卒一括採用制度の再考の件について

日本と北米でのフリーランスの捉え方の違いから説明していこうと思います。

近頃、日本ではフリーランスの話題が盛んです。

よく引き合いに出される北米でもフリーランスは盛んです。Freelancers UnionのSurveyによるとアメリカのワークフォースの35%はフリーランス(フルタイム・パートタイム含む)で、2014年に5300万人だったフリーランスの数が2016年には5500万人に上ります。

実際に僕が滞在しているカナダでは、カフェや図書館にいくと、MacBookをカチャカチャ叩いている人の姿をよく見かけます。

ただ日本で語られるフリーランスと北米でのフリーランスの捉え方に乖離(かいり)を感じます。

フリーランスはフルタイムジョブのためのステップ

カナダのバンクーバーには日本のように、学校を卒業したばかりの新卒を育てる、いわゆるポテンシャル採用の文化がありません。

バンクーバーでは現地のトップの大学を卒業しても就職先を見つけることが難しく、特にフリーランスに多いWebデベロップメント、デザイン、ライティング、広告運用系はある程度の実務経験が必要になります。

学生は実務経験を積むために、在学中もしくは卒業後にインターンシップかフリーランスをします。

バンクーバーに来て間もない頃、BBQを通して現地でトップレベルの大学、UBC (University British Columbia)の学生と話をする機会がありました。

その当時仕事を探していたので、マーケティングの仕事を探しているという話をしたところ、その学生も卒業間近だけどフルタイムの仕事が全く見つからずインターンシップとフリーランスをしながらスキルを学んでいると話していました。それは彼だけに限った話ではなく、その周りのUBCの友達も似たような状況だと話していました。

あまりに腑に落ちなかったので就職後、同僚にこの話をすると、フリーランスを経てフルタイムの仕事に着くというのはバンクーバーでは普通のことだと話していました。

また冒頭で紹介したSurveyの年齢内訳まで細かくみていくと、若者世代(大学在学中・もしくは卒業後すぐ)のフリーランスが多いのがわかります。

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Image: Freelancing in America: 2016

これらを踏まえると、北米ではあくまでフルタイムの仕事につくためのステップとして、フリーランスを選ばざるを得ない人がいることがわかります。

日本の新卒一括採用は捨てたもんじゃない?

先に断っておくと、個人的に就職活動にいい思い出はありません。

また「新卒採用は絶対に参加しないといけない」とも思いませんし、ダメだったからといって落ち込む必要もないと思います。嫌ならやらなくても良いとさえ思います。

ただ、カナダで就職活動をしてみて、新卒で入った会社での3年半の経験が大きな助けになったと自信を持って言えます。

それは仕事をする上で直接必要なスキルだけではなく、段取りの組み方、ディテールの細かさ、報連相(ほうれんそう)、時間に遅れないなど・・・3年半、日本でフルタイムで働いて身につけた仕事の基礎能力です。

(※報連相の話でいうと、どの程度まで事前報告して、どの程度まで裁量で判断すべきかの度合いは北米と日本で全く異なりますが、全く不要なわけではありません。)

さて、バンクーバーでこのレベルの経験を積もうとすると

前述した通り、インターンシップ、フリーランスをしてスキルを身につけてからフルタイムの仕事を見つけるという流れになり、フルタイムの仕事を見つけるまでに超えないといけない壁がたくさんあります。

もちろんインターンやフリーランスで培ったスキルも仕事に活きますが日本で同じ期間、正社員として仕事をしていた場合と比較すると経験の質・深さの部分で劣ります。

日本でのフルタイムでの経験のおかげで、2年前、英語の能力はほとんどゼロだったのにも関わらず、仕事の経験・実績、それと少しの努力だけで仕事を見つけることができました。

日本の新卒一括採用制度にとても感謝しています。

ボトムライン

バンクーバーで日本の新卒一括採用制度の話をすると大抵、羨ましがられます。

確かに新卒一括採用の光景(皆が皆同じスーツを来ているなど)はいびつですが、給料を貰いながら仕事のノウハウを勉強させてくれるという条件は素晴らしいと思いますし、それを逃すのはもったいないと思います。

同じ会社で死ぬまで働く必要もないし、それを不義理だと思う必要もありません。

今後の人生のプラスになるように新卒一括採用制度を1つのチャンスと見て、うまく利用すればいいのではないでしょうか。