「10億の利益をあげる人材が100人いる組織を」人事のスペシャリストが明かす"歴史に残る会社の作り方"

2014年11月11日 02時54分 JST | 更新 2015年09月04日 19時45分 JST
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サイバーエージェント、スパイア(現ユナイテッド)、ネオキャリアの人事部門を歴任した西村規子氏がトライフォートにジョインした。彼女はなぜ、このタイミングでトライフォートへの入社を選択したのか。彼女のキャリアを振り返ってもらいながら、WEB/IT業界における人事職の魅力や求められるマインドに迫った。

WEB/IT業界の人事スペシャリスト

成長軌道に乗ったスタートアップへ、業界で実績を積んだスペシャリストがジョインする事例が増加している。ことプロダクトを生み出すエンジニアやデザイナーといったクリエイターのみならず、ビジネスデベロップメント領域やバックオフィスで支える人材の移動が顕著だ。

そこで今回は、WEB/IT業界の人事にフォーカスを当ててみたい。お話を伺ったのは今年9月にトライフォートに入社し、執行役員に就いた西村規子氏。サイバーエージェント、スパイア(現ユナイテッド)、ネオキャリアなどの人事部門を歴任した彼女はなぜこのタイミングでトライフォートへの入社を選択したのか。自身のキャリアを振り返ってもらいながら、WEB/IT業界における人事職の魅力や求められるマインドに迫った。

[プロフィール]
西村規子 Noriko Nishimura

慶應義塾大学を卒業後、矢野経済研究所に入社。その後、ベネッセコーポレーション、コムテックを経て、2001年9月 サイバーエージェントに入社。創業間もない同社で、新卒・中途採用や人事制度設計、人材育成を手掛ける。その後、スパイア(現ユナイテッド)、ネオキャリアの人事部門責任者を経て、2014年9月 トライフォートに入社。

サイバーエージェントで学んだ、WEB/IT業界・人事のイロハ

― 西村さんが最初に人事職に就かれたのは、サイバーエージェント時代だそうですね。

創業3年目のタイミングで入社しました。実はサイバーエージェントは、コムテックで営業をしていたときのお客様でした。人事制度や規程などのパッケージ商品をカスタマイズして導入する仕事でお付き合いがあったことがきっかけで入社することになって。

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― それまで人事の経験がないにもかかわらずですか?

藤田社長や当時の副社長に「新しい時代の新しい会社を作っていくためには、何年も人事をやってましたっていう人ではなくて、これから一緒にゼロから創っていける人がいい」という言葉をかけていただき、それならば是非、と。

とはいえ、最初は右も左も分からないところからのスタートでした。入社して「まず何をしましょうか?」と伺うと「自分で考えて」と言われて(笑)。それから中途・新卒採用、人事制度や育成など様々な施策の企画・導入に取り組みました。

現在活用されている制度も元々は何かしらの課題があってその解決策から生まれたもの。それを社内外で評判になるくらいインパクトのある制度に仕立てていく、その経営の考え方、文化創造の思想や緻密な設計、導入プロセスに関われたのは本当に大きかったです。

企業ブランディングの一翼を人事は担う

― サイバーエージェントの採用は今でこそ"ブランド力"があると思いますが、当時はやはり大変だったんですか?

仰るとおりで、採用には本当に苦労しました。ネットベンチャーに対する不信感もあるなか、事業拡大のため目の前の採用を必死にやりつつ、「採用ブランドを創りあげる」ということをすごく意識しました。

例えば新卒採用では、OB社員を連れて学内セミナーに行くという基本的なことから、ターゲット学生が集まる団体に潜り込んだり。学生主催の新規事業プランコンテストのスポンサーになって、自ら審査員になったり。はじめてインターンシップを開催し、それまで採用できなかった層の採用に結びつけたりと、採用ツールや採用方法含めて地道なことですが、高い目標を掲げ、粘り強く挑戦し続けてきました。

私、サイバーエージェントで働いていた時の記憶が一部ないんですよね(苦笑)猪突猛進になってしまうところは私の不器用な部分なのですが、もうそれくらい熱中して仕事に取り組んでいて。「自分が採用に携わった人が会社の成長を支えるんだ」という使命感から、試行錯誤しながら毎年いろんなことを仕掛けてきたと思います。

いつまでも"攻める人事"でありたい

― そして、今年9月にトライフォートに入社されました。今年2月にWiLから4億円を調達し、創業2年で180名以上の規模に拡大したスタートアップにはどんなきっかけで?

CEOの大竹はもともとサイバーエージェントの後輩でもあり、私が採用に携わった関係もあって、創業期からトライフォートのことはお聞きしていました。

そしてCTOの小俣とお会いした時、この二人の組み合わせであればきっと大きなことができる、これからの新しい時代の新しい経営になるだろうと思ったんです。

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新しい会社、組織を創っていくその一翼を担い、歴史に残るような会社を創っていきたい、そのなかで私自身ももっと成長したいと思いJoinしました。

― 業界各社、採用難と叫ばれる中でも様々な手で採用強化されています。

採用は待っているだけじゃダメだと思うんです。採用の仕事はルーチンになってしまいがち。人材紹介会社からのご紹介や求人広告である程度採用はできますが、それだけでは採用力が高まっていかない。

成長している業界、成長している会社の中で、ルーチンな仕事を同じようにやっていたら後退しているのと同じ。そこは自分自身も戒めています。

市場に対して自らも会社も魅力的にアピールして採用ブランドを創っていく。新しい採用を仕掛けていく。それはトライフォートでもチャレンジしていきたいと思っています。

時代の変化、事業の成長・拡大によって必要な人材も変わる。まずは常に時代の流れを読みつつ、自社の動きを把握すること。そして他社の動向もインプットして、新しい施策を考え、挑戦し続けるしかないんですね。やってみないことには成功もありません。いかにチャレンジしていけるか、どれだけ攻められるかが大事だと思います。

― それでは最後に、西村さんが考える人事という仕事の魅力を教えてください。

私はもともと営業だったので自ら売上をあげて会社に貢献していました。

思わぬきっかけで人事の仕事をすることになりましたが、「自分が10億の利益をあげるより、10億の利益をあげる人材が100人いる組織を創り、成果を発揮してもらったほうがレバレッジのきいた貢献ができる」と気づき、視点を変えて取り組んできました。

人事制度や採用、育成、組織活性化など様々な施策は手段にすぎず、目的は会社の成長、事業の成長です。そのために取り組むべきことを考え、導入し、その結果の手ごたえを感じられるのはとてもやりがいを感じますし、仕事の魅力だと思います。

特にアーリーステージのベンチャーではそれがよりダイレクトに感じられると思っています。人事の仕事の魅力は人それぞれだと思いますが、自分自身を含めて、より経営に貢献する人事でありたい、そのために成長し続けないといけないと思っています。

― 人事の仕事の魅力と、企業に与える影響力を改めて感じることができたインタビューでした。ありがとうございました!

[取材・文] 松尾彰大

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