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サイボウズ式:仕事での「無力感」ってむしろ、なくなってしまったらヤバイのでは?

2017年05月28日 15時59分 JST | 更新 2017年05月28日 15時59分 JST

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サイボウズ式編集部より:著名ブロガーによるチームワークや働き方に関するコラム「ブロガーズ・コラム」。今回は、新人にありがちな「無力感に対する悩み」をあらためて考えてみようと思います。 ブロガーズ・コラム チーム4人でお届けします。最終回は朽木誠一郎さんです。

こんにちは、朽木誠一郎です。みなさん調子はどうですか、僕は無力です。

「自分を無力と思いがちなあなたへ」というテーマのこの連載ですが、まさに僕は日々、無力感を感じている当事者でもあります。

でも、この無力感って、そんなによくないものなのでしょうか?

というより、この無力感ってむしろ、なくなってしまったらヤバイのでは?

仕事を始めて6年目、新人さんよりは少し先輩かもしれない僕の無力感とのお付き合いの仕方が、みなさまのご参考になれば幸いです。

やったことがないことができないのって当たり前なんじゃないか

できないのって恥ずかしいですよね、めっちゃわかります。でも、世の中には自分ができないことの方が多いと思うんです。

ごくまれに「この人、絶対、人生何周かしてる!」というような、初めからなんでもできる人もいます。しかし、ほとんどの場合、人生のイベントは初体験です。

そして、やったことがないことができないのは当たり前です。今はみなさんが労せず乗れる自転車だって、初めは補助輪をつけていたはず。公園で練習してたくさん転んだはず。

どうでしょう。仕事も同じではないでしょうか。

何度か繰り返していれば、たいていのことはできるようになります。周囲にヘルプしてもらったり、一度や二度失敗したくらいで落ち込んでいるのは、もったいないことです。

まずはとにかく、できるようになるまでやってみること。できるようになるまでやれば、理論上(?)何だってできるようになるじゃないですか。

それでもできなかったら、上司か先輩に相談してください。恥ずかしがらずに。

そもそも、できない仕事が振られることってあんまりないんです。だって、できなくて困るのは仕事を振る側だから。ということは、客観的にはできるはずなんですよね、その仕事。

でも、経験不足だと、何でできないのかは主観的にはわからない。だから、できる人の目でチェックしてもらうのが一番です。どこが悪いか、素直に聞いちゃいましょう。

自分を無力と思わなくなる方がヤバイんじゃないか

じゃあ、お前はなんで今(6年目)も無力なんだよ、ってなりますよね。僕は無力ではあるけれど、誤解を恐れずに言えば、無能ではない、ということだと思います。

だって、人生ってできないことの連続じゃないですか。挑戦し続けていれば、無力感を味わうというのは、仕方のないことです。

だからこそ、むしろ、自分を無力だと思わなくなる方がヤバイと思うんです。できることしかしなくなった人間は、それ以上成長しません。これは自明ですよね。

その仕事をする期間が仮に残り30年だとして、30年間同じことだけをずーっとやり続けたいのか、ということも考えなければいけません。

一方、無力感を味わう分だけ、人は無能からは遠ざかります。

多分、少なくとも僕のような凡人は、「何でもできる」ようになることはない。それでも挑戦を続けていれば、スキルは際限なく縦に深まり、横に広がります。

また、各自ができることしかやらないチームは、想定外の事態に弱いです。

人と人とが関わり合って社会が成り立っている以上、その中でおこなわれているビジネスが、想定内に収まり続けることはほとんどないでしょう。

チームが変化に柔軟であるためには、各自のスキルが網羅的に取りそろえられていること、そのためにはたくさんの「できない」を経験する必要があります。

だから、できないことを恥ずかしいと思う必要はありません。むしろ、自分を無力だと思い続けることは、確実にチームを強くしていると言えるでしょう。

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できないことにチャレンジするのはリスクヘッジである

少し自分の話をします。僕は普段、ライターをしているので、記事を作るのが仕事です。そうすると当然、まったく同じ記事を作ることなんてないわけです。コピペはダメ、絶対。

先ほど"人と人とが関わり合って社会が成り立っている"と言いましたが、取材するのはまさにその"人"。一番の不確定要素ですよね。

当然、取材が上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。

でも、何度も取材をしていると、だんだん「自分はどんな相手が苦手か」「そんなときどうすれば話が盛り上がるか」のノウハウが溜まっていくものです。

また、僕はもともとWebで記事を書き始めたので、紙(書籍とか雑誌とか)で原稿を書いた経験が、最近までほとんどありませんでした。

そうすると、本当にできないんです。もうライターも6年目になるのに。

そもそも、数万字以上の原稿なんてやったことがない。「明日までに簡単なラフ切って」って言われても、紙面を構成するのってぜんぜん簡単じゃない。徹夜とかしちゃう。

多少は仕事ができるようになったかな、などと思い上がってた分、恥ずかしさは倍増です。新人に逆戻りと相成りました。

だとしても。これをイヤがると、永遠に紙で書けるようになりません。歴史ある紙媒体に脈々と伝わる文章力や構成力が身につくことがないのです。

移り変わりの激しいこの業界で、僕のような後発がチャレンジをしなくなれば、真っ先に仕事がなくなってしまいます。できないことに挑戦するのは、そのリスクヘッジになるのです。

ただし、未熟さを振りかざすのは違う

とはいえ、できないことと向き合うには注意も必要です。それは一部の新人さんにありがちな「未熟者バンザイ!」という開き直り。

できないことは当然ではあるのですが、過剰に自分の未熟さを振りかざしてしまう新人さんをたまに見かけます。

口では成長したいと言いつつ、全く成長していない人、身の周りにいませんか? できない理由を並べて、挑戦しないことを正当化している人、身の回りにいませんか?

できないことはあくまでも改善対象の課題と認識し、その課題についてトライアンドエラーを繰り返しましょう。

そして、1つ無力感が消えたら、また次の自分の「無力」な部分に向き合いましょう。それが、正しい無力感との向き合い方なのではないかと思います。

できないことの連続である人生において、人はどうしても、次第にできないことに正面から取り組むことを避け、できることをすることばかりに逃げがちです。

その意味では、「できない新人」というのは、決してチームにとってマイナスの存在ではありません。失うものはないのです。全力でぶつかってみましょう。

その姿勢は、上司や先輩にも、いい刺激になっているはずですよ。

イラスト:マツナガエイコ

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サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。

本記事は、2016年10月 6日のサイボウズ式掲載記事仕事での「無力感」ってむしろ、なくなってしまったらヤバイのでは?より転載しました。

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