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【相模原殺傷事件】市民生委員協議会長が偏見の助長を懸念

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山に囲まれた津久井やまゆり園(1日)

神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で起きた殺傷事件が与えた影響は大きく、相模原市では3日、民生・児童委員協議会が市内の地区会長会を開き、民生・児童委員としての今後の活動方針を確認した。障害者がありのままでいることを阻害されないよう地域福祉活動に励むこととした。

6日には、脳性麻痺があり、小児科医でもある熊谷晋一郎・東京大先端科学技術研究センター准教授ら有志の呼び掛けで事件の犠牲者を追悼する集会が都内で開かれ、障害者や福祉施設職員ら約200人が参加した。

集会は「議論する場ではない」と前置きされて医師、研究者、障害者の家族などさまざまな立場の人が参加し、事件の感想を述べた。国内外から400通超のメッセージが寄せられ、会場で一部が披露された。原裕子・同市民生・児童委員協議会長、熊谷准教授の談話は次の通り。

偏見の助長を懸念


相模原市民生委員・自動委員協議会長

原裕子

今回の凄惨な事件には心を痛めているが、県外の民生・児童委員の会長様からもお気遣いの言葉を頂戴した。津久井やまゆり園は県内の福祉関係者には研修先として親しみがあり、地域との交流も盛んな施設だ。入所者は環境の変化に弱い。他施設への移動は容易ではないだろう。

事件後、市内ではさほど大きな動揺はみられないが、容疑者の措置入院歴、重度障害者に対する差別的発言が報道され、精神障害者への偏見が進むのではと心配している。本市の民生・児童委員は定数916人、市内22地区で活動しているが、8月3日の地区会長会で、今後も揺らぐことなく自信と誇りをもって主体的に日常の地域福祉活動に取り組むことを確認した。

時計の針を戻すな


東京大准教授

熊谷晋一郎

今回の事件を受け、自分たちが今までやってきたことは何だったのかと無力感に襲われた。私は障害は本人ではなく社会の側にあると思うようになって生き延びてこられたが、犯罪を医療で対応しようとする動向には、時計の針が数十年前に巻き戻されるようなめまいを感じる。事件の真相解明には時間をかけるべきだが、事件の影響はものすごいスピードで起きている。

今回の事件の加害者、あるいは被害者に自分を重ねる障害者が少なからずいる。障害種別を超えた連帯があったはずだが、今回の事件はそれをむしばんだ。そこで追悼集会を企画した。国内外から寄せられたメッセージを私の研究室ホームページ(http://touken.org/)で公開する。ぜひ、多くの人と思いを分かち合いたい。

(2016年8月22日「福祉新聞」より転載)