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『ブロック論』と『再編論』を再考

2013年12月24日 00時04分 JST | 更新 2014年02月22日 19時12分 JST

最初に誤解無きよう記しておく。私はこれまで、そんなつもりはまったくなく、客観的に記してきたつもりだが、みんなの党や、結成された結いの党について記すと「非難合戦は止めた方がいい」「男は黙っているべきだ」・・・といった意見が寄せられる。しかし、今回、主に記述するのは、議席返上など巷間話題になっている事柄ではない。結いの党が結党されたことを受け、今だからこそ考えておきたい最も重要な政策について思ったことを記してみたい。

今朝、とある番組で、それぞれの政党の政策的な立ち位置について表が示された。多少、自分の視点と異なる部分もあるので、それを私なりの考えで多少加工したものを、以下に添付する。手書きで作成したので、字が汚い、読みにくいことをご容赦願いたい。

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その表は、政策を座標で示したもの。縦軸に保守とリベラル、横軸に既得権打破と維持、それぞれ取って、各政党がどういったスタンスにあるのか一目でわかるようにしている。保守とリベラルに関しては、当面、政策論争で対立軸になりそうな集団的自衛権に関し賛成、反対をそれぞれあてはめ、既得権の項目については、それぞれ経済的保守とリベラルと区分けしてみた。

経済的な保守とリベラルに関しては、言葉の表現等、異論があるかもしれない。あくまでも私の主観に基づいての記述だが、経済的な保守と言うのは、日本が資本主義自由経済の体制にある以上、それを追求する勢力は保守と呼ぶのにふさわしいと考える。反対側は、社会民主主義的な思考となるため、リベラルと言っていい。

これは私の持論であるが、保守という視点は、国防・天皇制といった視点とは別に、経済的な観点からも考えなくてはならないと思う。よく、天皇制護持、憲法改正など右寄りの考えの人の中にも、配分を重視し平等な社会を・・・と考えを示す向きも見受けられるが、私はこうした人は経済的には左派とみている。みんなの党は離党劇の前も後も、そして結いの党も、経済的保守に属しているのは言うまでもないし、私もその立ち位置だ。

さて、今回の離党劇と関連して記すと、先に高橋洋一氏も指摘されていたことだが、縦軸を語った場合、残留組と離党組の間では、先行き集団的自衛権に対するスタンスで対立点が生まれてしまう可能性が高い。今朝の番組でも、同じようなことを指摘していた。

つまり、こと政策的な部分だけを純粋に、客観的にみた場合、理論上"同居"することが難しくなってしまうのである。これまで、みんなの党は経済的保守の視点で一致団結していたものの、特定秘密保護法案、そして今後焦点となる集団的自衛権に関しては、党内で対立軸が生じるためだ。確かに、感情的な対立も存在することは否定できず、それによって残留組、離党組と双方が批判されがちだが、政策という本質だけを捉えれば、"分裂"したのはある意味自然だろう。マスコミが面白おかしく報道する"好き嫌い"の政治が前面に出てしまうため、本質が議論されなくなってしまうのだ。

他党についても記しておこう。番組では、自民党は以下の図の通り。縦軸は、集団的自衛権については賛成の立ち位置だが、横軸はやや経済的リベラル偏りがち。ただし、安倍首相については、みんなの党と同じ立ち位置に示されていた。この見方については私も同感である。よく、「みんなの党は改革の精神を忘れ自民党にすり寄った」などと批判されるが、それは当たらない。百歩譲って「安倍首相にすり寄った」というのであれば、まだ理解できるものの、政策的にみれば経済的リベラルの方が多数を占めるとみられる「自民党へのすり寄り」は間違い。あくまでも、みんなの党は経済保守なのである。

公明党、共産党、生活の党については、多少の異論があろうが、図に示した立ち位置ではないだろうか。他方、民主党について私は、表に記すことができなかった。それは、あまりにも、党内に縦軸、横軸で対立している向きが混在し、4つのエリア、それぞれにまとまった勢力がいるためである。維新の会に関しても、民主ほどではないにせよ、東西の考え方の相違が報じられる通りであるなら、同様にエリアに記すことはできないだろう。ゆえに、結いの党は民主や維新の一部に呼びかけ、経済的保守とリベラルの2点で一致する右下のエリアの勢力で結集を目指す・・・これを政界再編、野党再編に向けての同党の動きであると私は解釈した。

対して、みんなの党は、特定の政党とは手を組まないとのスタンスを明確にしている。それは、クロス連合において、右上のエリアに属する勢力でモノを決しようとしているのだ。縦軸、横軸の対立点がある中では、結いの党の考えとは異なり、これまでの各党ごとの経緯から結集が難しいと渡辺代表は判断したと私は想像している。

結集する際に考えるべき点は、選挙目当ての輩も新党を目指すことは容易に想像でき、またもや縦軸、横軸を考えずに人が集まる恐れが大きくなることだろう。そうなってしまえば、野党再編が実現したとしても、いかに言葉でうまく繕ったところで"切り貼り政党"なのである。みんなの党の純化路線にこだわるのは、立ち位置をあやふやにさせないため。そこから進められるのが"ブロック論"であり、私もこれが良いと思った。

多少、無理目に解釈するのであれば、再編を考える相手、或いは政策で組む相手が「自民党」か「民主党と維新の会」・・・この違いが、現状の立ち位置を踏まえての、離党劇の前に激論となった"ブロック論"と"再編論"の相違になったのではなかろうか。いわば、自民党を巻き込んだ政界再編によるガラガラポン、民主党と維新の会を巻き込んだ野党再編による政権交代・・・自民党は党内に異なる意見があるにせよ座標の中では比較的まとまりやすく、一方の民主党と維新の会は割れやすい。

私が示した以上の考えが正しいのであれば、集団的自衛権について自民党とともに実現しようとする一方、規制緩和など経済的リベラルと一線を画そうとするなら、対象相手の自民党は呑み込める相手ではないだけに、対応の仕方は再編ではなくブロック論が有効になる。自民党が分裂するのが、本来の意味での政界再編になるものの、それは現実的ではない。規制緩和を敵視する勢力とは絶対に組めず、横軸で自民党の立ち位置が安倍首相寄りになった時に連携することになる訳だ。

対して、集団的自衛権に反対し、なおかつ規制緩和を実現させようとするのであれば、自民党と組むことはできない(自民党内の反対派は少数勢力なので組む対象とはなり得ない)ので、必然的に民主、維新などの中から、集団的自衛権に反対かつ規制緩和賛成の勢力を結集するのが良いだろう。先述したように、民主と維新は根本的な政策において分裂の芽を孕んでいるからだ。蛇足的に記せば、みんな党、結いの党は、来たるべき国家の根幹に関わる重要法案を前に、その法案について考え方が異なる勢力が2つに別れた点からして、両党は現状の民主党や維新の会に比べて、あるべき姿が遥かに健全と言っていい。事前に有権者へ立ち位置を明確に示したからだ。

たまたま感情的対立が話をわかりにくくしたが、縦軸の対立と、再編の対象の違いから、ここにくるまでの一連の動きになったと私は冷静にみることにしている。さらに、一歩踏み込んで記すと、集団的自衛権については対立しながらも、みんなの党の結党の原点だった行財政改革に関しては、従来の見方と変わらず、私は根幹がまったく同じだと思う。結いの党については、昔の仲間ながら別の組織であるため、どのようなスタンスにあるのかわからないものの、みんなの党のブロック論に従えば、行財政改革の一点に関しては、手を組むこともありうる。それは、結いの党についても同じことが言えるのではないか。

みんなの党も、その点は考慮すべきだと思うし、離党したのだから、この部分については結いの党も今後は"党運営の在り方"を持ち出して欲しくない。一致する政策面で歩み寄れないのであれば、その時こそ、両党から支持が離れるだろうし、両党に所属する少なからずの議員も失望することになる。1人の地方議員として、決して"好き嫌い"で政治をしてはならないと願う。

さて、離党劇が集団的自衛権の考え方の対立によってもたらされたという前提で話を進めると、みんなの党、結いの党両所属地方議員にとり、集団敵自衛権は自らのフィールドでは直接関係ないながら、政党に属する以上、党人としてこれについての自分のスタンスを明確にすべきだろう。「どっちでもいいや。関心あるのは行財政改革だけだから」では済まされない問題なのである。

今回の離党劇に際して、「みんなの党に残留」「離党して結いの党に参加」「離党して無所属」の3つで揺れ動いている議員もいる様子だが、3番目の選択肢を考える議員は「地方議員として行財政改革だけに全力を注ぎたい」という考えからだと私は理解している。そうした議員を日和見と言うつもりはないし、地域のために今後も尽くして欲しい。いずれにしても、決して選挙に有利不利ではなく、自らの政治信条でそれぞれを選択していると信じたい。

やっと私が描いていた、政策の相違による政界勢力図の明確化が実現しそうな雰囲気になってきた・・・そのように感じている。そして、考え方、今回の行動について、決して相容れないものの、私が実現して欲しいと考える政策による立ち位置の区分け明確化に一石を投じたという意味で、江田憲司結いの党代表に対して、いずれ感謝する日がくるかもしれないことを否定しない。また、当然のことながら、渡辺代表が現在の局面において純化路線を唱えた意味も大きいと思っている。

最後に、以前、私が「ワンイシューでの離党はありえない」・・・と訴えた点について総括せねばなるまい。ワンイシューでの離党はないということ自体は正しいと思っている。しかし、特定秘密保護法案の先で議論される集団的自衛権は、それぞれの政治家の信条に関わる問題であるので、ワンイシューと括ることに無理があったようだ。私の見方の甘さは、みんなの党は「行財政改革の党」の一点での考えからきたもの。高橋洋一氏が指摘したように、集団的自衛権に関してそれまでの党内議論は生煮え・・・私は地方議員として、これまで党のアジェンダに沿い、行財政改革、成長路線を課題として取り組んでいたが、そこまで考えが及ばなかったのは反省せねばならない点だろう。

もちろん、こうした議論に関わらず、今後も私個人が取り組んでいる政策を粛々と進めていく。しかし、党に所属する以上、党に所属する意味についても深く考えていきたい。

2013年12月19日の水野文也ブログ「【記者魂65】今だからこそ考えておきたい!・・・結いの党結成で思ったこと」から転載しました)