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BBCとNHK

2013年12月24日 23時32分 JST | 更新 2014年02月23日 19時12分 JST

昨日ハフポストに憂慮すべき南スーダン情勢を発表した。そうしたら、直ぐにBBCに勤務する大井真理子氏から下記メッセージが届き、驚いた。

南スーダン関連、今現地で何が起こっているのか?理解するための基本情報のサイトを助言してくれた訳である。大井氏については、以前のハフポスト記事、BBCの記者・大井真理子さんは、なぜ南京大虐殺や従軍慰安婦の問題に立ち向かうのかを読んで知っていた。それにしても、随分とフットワークの軽い人だなというのが今回の印象である。仮に、BBCが前例尊重、リスク回避型の組織であれば、大井氏の様な人は採用しないに違いない。今一つ、強く印象に残ったのはQ&A: South Sudan army clashesを準備し、BBC Newsの読者やBBCの視聴者の理解を支援しようとするBBCの姿勢である。読者や視聴者に寄り添う姿勢は当然好感が持てる。

一方、ネットで日本の南スーダン関連記事を見ると、NHKが発表した下記の記事については、率直にいって余り良い印象を持てない。

韓国国防省の報道官は24日の記者会見で、ボルの数十キロ北で双方の部隊がにらみ合っており、戦闘は止まっていると、現地の状況を明らかにしました。そのうえで、銃弾の提供を求めた理由について、「状況が長引く可能性に備え、予備として確保するため臨時に借りた。不足はしていない」と述べて、当面必要な銃弾は所持していると説明しました。

韓国では、今回の事態について、軍の見通しの甘さが、韓国で反発の強い安倍政権の安全保障政策を後押しすることになったという批判の声が上がっており、報道官の発言はこうした批判をかわすねらいがあるものとみられます。

(NHKニュース『韓国の説明に食い違い「銃弾不足なし」』12/24 15:43)

重篤な人権問題が発生している南スーダン状況を矮小化し、視聴者の興味と理解を得やすい「日韓問題」にすり替える意図が見えるからである。日本が今世紀も繁栄の継続を希望するのであれば、世界の平和と安定に向けての目に見える形で貢献を行い、世界の信頼を勝ち得る必要がある。現地に駐留する韓国軍は膨大な人数に膨れあがった避難民の人命を守るために予備の弾薬が必要といっており、国連を仲介しての要請であればそもそも拒絶するという選択肢はなく、今回の展開はPKO参加を決断した時点で、既に想定された話である。

NHKはこんな枝葉に過ぎない話を針小棒大に伝えるのではなく、他に報道すべき重要事項があるのではないのか? そもそも、BBCは取材クルーを現地に送り込み生の映像を視聴者に提供している。視聴者の目となり、耳となり現地の状況を伝えている訳である。NHKが何故BBCと同じ事をしないのか、実に不思議である。報道機関としてのNHKは既に諦めたのであろうか?

私の勝手な想像であるが、NHKが劣化するのは彼らのメインの視聴者層を「高齢者」と「B層」をターゲットにしているからではないのか? 「高齢者」は勿論南スーダン問題には何の関心もない。大相撲の中継がある期間であれば、現役世代が仕事に忙しい夕方の4時から、終了する6時まで相撲の取り組みを見続ける。

B層もまた、高齢者同様南スーダン問題を含め国際状況には何の興味もない。生まれた場所から離れようとせず、昔からの友人が人間関係の中核である。国際問題や人権問題の様な難しいテーマを考える事は好きでもないし、考える頭もない。偏見から、何となく反中、反韓であり、中国や韓国を罵倒する意見に後先を考えず拍手喝采する。地元志向だから当然「あまちゃん」を支持しており、大晦日の紅白歌合戦で「あまちゃん」の特別コーナーが設定される事を期待している。

NHKの本音はきっと南スーダンの様な危険な場所にクルーを送り出す積りは毛頭ないし、南スーダン問題の様に難しいテーマを真面目に対応する積りもない。こういう事に興味のある意識の高い人は、きっと英語は出来るのだろうからBBCを活用したら如何ですか? NHKは高齢者とB層への暇潰しの材料の提供に徹します、という事なのであろう。何れにしても10年後のNHKの姿は私には想像出来ないし、読者、視聴者に徹底的に寄り添うBBCとのスタンスの違いには今回改めて驚かされた。 

NHK画像集