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田中将大が"ベスト"と"ワースト"を更新 現地の報道は日本と対照的

2014年04月30日 21時23分 JST | 更新 2014年06月30日 18時12分 JST

masahiro tanaka

現地27日のヤンキース対エンジェルスは、この日の唯一のナイトゲーム。この全米中が注目する一戦に田中将大が先発し、今季の"ベスト"と"ワースト"を更新した。

ベストは11奪三振。ワーストは5四死球だ。オープン戦中は、5試合21イニングを投げて計3四球。シーズンもここまで4試合29.1イニングで計2四球と、ずば抜けた制球力を見せてきた。そんな田中が、今日は4回までに5四死球。コントロールに苦しみながら、7回途中5安打2失点で何とかゲームを作った。

降板時には1-2と敗戦投手になる可能性を残していたものの、そこは「神の子」マー君。直後の7回裏に味方が追いつき、黒星は消滅。8回にはヤンキースがさらに1点を追加して3-2でエンジェルスに勝利した。

田中の制球難にあえいだ末の逆転劇に、日本の報道では多くが「田中乱調」「4勝目ならず」「勝敗つかず」の見出しが躍った。一方で、対照的に現地メディアでは多くが、「田中が圧巻~」「またしても強さを見せた!」「11奪三振!」と称えたタイトルが並んだ。

ジョー・ジラルディ監督は試合後、「これで田中が制球力を失った時ですら、ゲームを作れることが証明できたんじゃないかな」と誇らしげに語っている。(参照:ニューヨーク・タイムズ紙電子版

これまで田中が評価されてきたのは、まず修正能力の高さ。本塁打を浴びようとも、すぐに切り替えて修正し、その後圧巻の投球を披露したことなどが挙げられる。また、順応性についても同様に高評価。3試合目のカブス戦では、デーゲームへのスライド登板という変更に加え、ニューヨークで前夜降った雪の寒さや冷たい風がフィールドに降りる中、抜群の制球力をみせた。

そして今回は田中の最大の武器でもある、その制球力が失われるという、これまでにない困難な状況下でも、ゲームを作ったことが高評価につながった。

中でも話題を呼んだのは奪三振だ。試合前、エンジェルスは「田中のスプリッターには手を出さない」と宣言していたが、元ヤンキースの名投手で現在は解説を務めるデビッド・コーン氏に「メジャー最高レベルのスプリッター」と言わしめたその伝家の宝刀で、田中は今日も打者を次々と仕留めていった。

これで田中はメジャー初登板から5試合で46奪三振。これは1900年以来では、ハーブ・スコア(50)、スティーブン・ストラスバーグ(48)に次ぐ、メジャー史上3番目の最多奪三振記録という。

現地のファンは、「TanaKKKKKKKKKKKa!!!」と三振を表すKを並べて、田中の奪三振ショーに興奮の声援をツイッターなどのSNSで投稿。ヤンキースの公式フェイスブックにも「田中はヤンキースの申し子」「素晴らしいに尽きる」「この調子だ!」といった声が次々と寄せられている。

なお、この日はイチローがめずらしく左翼で捕球ミスをする場面が見られるも、今季初打点を挙げた。これにも、現地ファンのツイートでは「イチローはレフトが専門ではない」と擁護し、今季初打点を喜ぶ声が多くみられた。

幼い頃から、短所より長所を評価し、褒めて伸ばすスポーツ教育でも知られるアメリカ。田中やイチローといった一流選手でも、悪い面より良い面を称賛し、楽しく盛り上げようとするのは現地メディアやファンも同じ。

「自分への声援は力になる」と先日のホーム初先発で喜んだ田中、ヤンキースで躍動感あふれるプレーを続けるイチロー。今日の反応で明らかなったように、こうした声を受け、さらなる高みへと登って行くのだろう。

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スポカルラボ

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(4月28日J SPORTS「MLBコラム」より転載)

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