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異色の経歴を持つ大学院生が「慰安婦問題」のドキュメンタリー映画にかける想い

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みなさんは、「慰安婦問題」についてどのような意見を持っているだろうか。

「慰安婦は性奴隷だったのか?」「実際に何人いたのか?」「強制連行されたのか?」...その見解は、個人や国によって大きく偏ることが多い印象だ。そもそも「政治的なことには関わりたくない」と思考すること自体を避けてしまう人も少なくないのではないだろうか。

ただ出崎幹根(でざきみきね)という大学院生は、違う。彼は「慰安婦問題」の真実を探るべく、現在あらゆる人々にインタビューを行い、『主戦場 ("Shusenjo: The Main battleground of Japans's History War")』というドキュメンタリー映画の製作に奔走している。これまでにインタビューに応じた人たちは、国や思想、信条に関わらず、大学教授やジャーナリスト、活動家と幅広い。

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<出崎幹根(でざきみきね)>

ミッキーの愛称で親しまれる彼の経歴はユニークだ。彼は、フロリダ出身の元医学部予科生・元修行僧で、日本の大学に通う現役大学院生の日系アメリカ人だ。彼が、「慰安婦問題」のドキュメンタリー映画を製作しようと思い立つまでの経緯はこうだ。

ミッキーは、「人を助けて幸せにしたい」と言う思いから、医者になるためにアメリカでプリメッドと呼ばれる医学部予科コースに入学した。ある日、彼はストレスフルな学校生活を乗り越えるために、大学で催されていた瞑想のワークショップにふと参加した。

たいていの人なら、そのまま医学部に通って医者になりそうだが、ミッキーは瞑想を日課として続けるうちに、今までに経験したことのない心の平穏を感じるようになった。そして「瞑想を極めたい」という思いから、いても立っていられなくなり、タイでの僧侶になるための修行を見据えて、医学部予科コース卒業後の2007年に初来日を果たす。

英語教師として山梨県や沖縄県で5年ほど働きながらタイミングを窺いタイに渡り、僧侶になるための修行を行った。しかし、修行中に父の死に遭遇し一年ほどでアメリカに帰国。アメリカで一年半働いた後、日本と韓国が互いに抱く差別感情の解決の糸口を見つけるべく、2015年に来日して大学院へ入学し、現在に至る。

医者になるのも僧侶になるのも、日本と韓国が互いに抱く差別感情を取り除くのも「人を助けて幸せにしたい」という一貫した思いに通じた行動なのだろう。

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<修行僧時代>

でも、なぜ「慰安婦問題」なのだろうか?また、なぜアメリカの差別問題ではなく、日本の差別問題なのだろうか?

ミッキーは言う。「日本人の本来持っている他者を想う気持ちに、日本と韓国が互いに抱く差別感情を取り除く可能性を強く感じている。「慰安婦問題」をあらゆる思想や信条を持った人々が額を寄せ合って見つめることができれば、互いに理解し合える日が来るはずだ。その機会を生み出すきっかけとしてドキュメンタリー映画を製作している」

これまで、私費で本ドキュメンタリー映画を製作してきたミッキーは、既に撮影を終えた50時間に及ぶインタビュー映像の編集や翻訳、著作権のかかる映像の使用料や映画祭への出品にかかる費用を賄うために、3月8日にクラウドファンディングを立ち上げた。著作権のかかる映像の使用料は、映像によっては、数十秒で数千ドルもかかるというのだから驚きだ。

当初ミッキーは、目標金額として必要最低限の20,000ドルを掲げていたが、目標額はたった5日で達成してしまった。それだけ「慰安婦問題」についての人々の関心が大きいのかもしれない。現在は、目標達成金額30,000ドルを目指して、4月7日までプロジェクトを継続中している。

ところで、ミッキーは物議を醸す社会問題に真っ向から立ち向かうことが、怖くないのだろうか?疑問をぶつけてみると、こう答えてくれた。

「いつかここにいなくなる時がくる。つまり、人はいつか必ず死ぬ。これまでの人生で生死について多く考える機会を与えられて来たから、今生きていることに感謝をしながら、行動を起こしていきたい」

ミッキーのドキュメンタリー映画『主戦場 ("Shusenjo: The Main battleground of Japans's History War")』は、国や思想、信条に関わらず、大学教授やジャーナリスト、活動家など、あらゆる人々へのインタビューを盛り込んでいる点に置いて、これまでの「慰安婦問題」を扱ったドキュメンタリー映画と一線を画す作品になりそうだ。

あらゆる人々がインタビューに快諾してくれた理由について、ミッキーは「自身が日本人でも韓国人でもない日系アメリカ人であるから」と答える。確かにそれも一理あるかもしれないが、彼の製作したドキュメンタリー映画の予告映像からは、それ以上に、人々が巻き込まれたくなる、「慰安婦問題」に対する彼の真摯な姿勢が伝わってこないだろうか。

ドキュメンタリー映画は、冬の公開を目指している。