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寝る前にできる自己催眠で気持ちを前向きに。「なりたい自分」になる方法

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仕事や日常生活の忙しさなどから、大きなストレスを抱えている人は多いと思いはず。
そのままストレスを上手に解消できずにいると、なかなか寝つけなくなり、不眠によってさらにネガティブ思考に陥ってしまうことも...。

Fuminners(フミナーズ)ではこれまでにもネガティブ思考をコントロールする方法、「自分と向き合う心の整理術」をご紹介してきましたが、今回は「自己催眠」をご紹介します。

「えっ!あのバラエティー番組でよく見る催眠術!?」と思いきや、自己催眠はれっきとした心理療法で、上手に使えばストレス解消はもちろん、仕事のパフォーマンスも上がるそう。
自己催眠とは一体、どんなものなのでしょうか?「催眠誘導研究所」所長の林貞年さんに伺いました。

■「自己催眠」が心身にもたらす5つの効果

そもそも自己催眠とは、手品や超常現象などの一種ではなく、科学的な裏付けが取れた方法なのだとか。

「自己催眠とは、"意識"と"潜在意識(無意識)"の方向性を同じにしてあげる方法です。例えば、『本当は断りたいのに、つい無理して頑張ってしまう』人は意識と潜在意識が正反対を向いた状態で、判断が偏ってしまいます。自己催眠はこの2つの意識を同一の方向へ寄り添わせて心の葛藤を排除し、自分の心や置かれた状況を客観視することで、あらゆる場面でベターな選択を行えるようになるんです」(林さん)

また、自己催眠は「悩み事が多くてなかなか寝つけない」という人にもぴったりだそう。

「自己催眠の催眠状態とは『心が弛緩している状態』、つまり『脳から力が抜けている状態』で、睡眠に最適な究極のリラックス状態と言えます。ここで大切なのは『悩まないようにしよう』などと無理に思わないこと。問題を解決しようとする潜在意識と逆行して心に葛藤が生まれ、余計に眠れなくなるだけでなく、ストレスが増してしまいます。自己催眠の方法を習得して全体の状況を見渡せるようになれば、『悩んでもいいんだ』と自然と思えるようになり、心が軽くなって上手にストレスを解消できるようになりますよ」(林さん)

林さんによると、自己催眠は意識の方向性を同一にするために「一点集中する」必要があり、自然と集中力が向上。さらに自己催眠によって脳の緊張が緩むことで、潜在意識から斬新なアイデアやひらめきも生まれやすくなるとか。
日頃の仕事のパフォーマンス力を上げるのにも効果を発揮しそうです。

■今日からできる! 「自己催眠」の方法

「自己催眠のメリットは、いつでも誰でも簡単に始められること」という林さん。

「大切なのは全身の力を抜くこと。脳と身体はリンクしているので、全身の緊張を緩めると自然に脳の緊張もほぐれます」(林さん)

早速、林さんに初心者でも簡単にできる自己催眠方法を教えていただきました。

●自己暗示だけで催眠状態をつくる<自律訓練法>
「自律訓練法は催眠状態の見本とも呼ばれる自己催眠方法で、精神疾患の治療や心の健康法として世界中で活用されています。自己催眠の基本である"一点集中"を手軽にマスターできるので、初心者におすすめです」(林さん)

自律訓練法を行う際は、雑念をなくすために就寝準備をすべて終えた状態で、そのまま眠れるよう布団に仰向けに寝転んで行いましょう。

<ステップ1> 四肢の重感暗示 暗示:「腕・脚が重い」
まず「右腕が重い...右腕が重い...」と、30秒ほどゆっくり声に出して繰り返します(利き腕が左の場合は「左腕」)。30秒経ったら、「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながら暗示をかけた 右腕の重さをじっくり感じましょう。
重い実感があってもなくても、意識を速やかに反対の腕に向けて暗示を繰り返すという流れを、右腕→左腕→右脚→左脚の順に行い、重い感じを実感できるまで繰り返してください。暗示によって四肢の重みを実感できるようになったら、ステップ2へ進みます。

「このとき、意識的に重くなるように力を入れたり、気持ちを落ち着かせようと無理に意識してはいけません。実際に言葉を発しながら、暗示の力だけで脱力状態をつくるようにしましょう。重感を得られるようになれば、筋肉が弛緩して圧迫されていた血管がゆるみ、血液の流れが良くなった証拠。時間はかかるかもしれませんが、このステップさえ習得すれば、後のステップはスムーズに進みますよ」(林さん)

<ステップ2> 四肢の温感暗示 暗示:「腕・脚が温かい」
ステップ1と同様に、今度は「温かい」と30秒ほど暗示をかけ、最後に「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながら暗示をかけた部位の温かさをじっくり感じます。この流れを、右腕→左腕→右脚→左脚の順に行い、温かいと実感できるまで繰り返してください。四肢の温かさを実感できるようになったら、ステップ3へ。

「ステップ1で血流が向上したことで、体温は自然と上昇します。暗示によってその実感を強め、確認していきましょう。温かさを実感できるようになったら、心身ともに力が抜けてリラックスした状態になっているはずです」(林さん)

<ステップ3> 心臓の調整暗示 暗示:「心臓が静かに打っている」
ステップ2まで進んだ後は、「心臓が静かに打っている」と30秒ほど暗示をかけ、最後に「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながら心臓が穏やかに脈打つのをじっくり感じましょう。心臓が穏やかになることが実感できれば、ステップ4へ。
※心臓に疾患がある人はステップ3を飛ばし、ステップ4へ進んでください。

<ステップ4> 呼吸の調整暗示 暗示:「呼吸が楽だ」
ステップ3まで行った後、「とても楽に呼吸している...呼吸が静かに、ゆったりしている...」と30秒ほど暗示をかけ、最後に「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながら呼吸の穏やかさをじっくり味わいます。呼吸が穏やかになるのが実感できれば、ステップ5へ。
※呼吸器官に疾患がある人はステップ4を飛ばし、ステップ5へ。

「心臓が静かに打つことで、呼吸も比例して穏やかになります。無理に呼吸をゆっくりにしようとするとストレスになるので避けましょう」(林さん)

<ステップ5> 腹部の温感暗示 暗示:「お腹が温かい」
ステップ4まで行った後、「お腹が温かい」と30秒ほど暗示をかけ、最後に「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながらお腹の温かさを感じましょう。お腹が温かくなる実感が持てれば、ステップ6へ進みます。

<ステップ6> 頭部の冷感暗示 暗示:「額が涼しい」
ステップ5が終わったら、「額が涼しい」と30秒ほど暗示をかけ、最後に「気持ちがとても落ち着いている...」と言いながら額の涼しさに意識を傾けてください。

「額の涼しさを実感できるようになったら、人が最も健康な状態とされる"頭寒足熱"となり、心が完全に安定した状態になります。この時、頭の中からは雑念がなくなり、ストレスがきれいに消化されているので、勉強や仕事をする上で最高のコンディションといえます」(林さん)

また、「ステップ1から6までの所要時間は1回5~10分ほど、1日1回、毎日朝起きた直後に5分、寝る前に10分ほど行うのが理想的」と林さん。就寝前に行えば、心地よい状態になってスムーズに入眠できるようにもなるそうです。

ストレスをうまく緩和し、眠りの質も高めてくれる「自己催眠」。身体と心をしっかり休息させることができ、仕事のパフォーマンス力も向上します。 「気持ちを前向きにしたい」と思いながらもうまくいかない人は、まず、この方法で「心と身体が弛緩している状態」を実感することから始めてみては?

Fuminners 2016年8月5日の記事より抜粋