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"友情"こそ、脳のアンチエイジングに効果的な栄養素!

2014年05月15日 23時42分 JST | 更新 2014年05月15日 23時47分 JST

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イギリスの人類学者、ロビン・ダンバー教授が提唱する「ダンバー数」によると、私たち人間にとって、安定した関係を築くことができる人の数は150人が限界だそう。この「安定した関係」がどういうものか簡単に説明すると、お互いの間に信頼・尊敬の関係があったり、例えばカフェで偶然遭遇した時に、居心地の悪さを感じることなく一緒にお茶できる関係のこと。※1

Facebookで2000人の友達がいるアメリカのとあるライターが、「ダンバー数に友達の数を限定されているようで、この説は受け入れられない!」とFacebookでつながっている友達にコンタクトをしてみたところ、実際自分が「安定した関係がある」と断定できた人の数は200人以下に。「ダンバー数が間違っていることを証明しようと思っていたのに、結局正しいことを証明することになっちゃったよ」と敗北宣言。そして彼は、ダンバー教授への尊敬と同時に、自分が心から「友達」と呼べる人達の大切さを改めて認識したのでした。※2

自分が心から「友達」と呼べる人達との友情は、大変な時に支え合ったり喜びを分かち合ったりと、苦楽を共にする中で育まれ、私達の心の安定や健康に欠かせないものですよね。でも神経学者の先生が提唱するのは、長期的に見て友情は脳の健康(アンチエイジング)にも非常に有効だということ。その理由は……

(1)付き合いの輪を広く持っておくと、加齢による認識低下を抑える効果が期待できる(ただしこの輪にはFacebookやTwitterなどのSNSは含まれません)※3
(2)友達と一緒に多様なアクティビティを楽しむことで、認知症に強い脳を作ることができる(ここでのアクティビティとは、お互いの家を行き来する、一緒にトランプなどで遊ぶ、などのちょっとしたことも含まれます)※4
(3)孤独感は加齢による認識低下を2倍の速さで促進してしまう※5

という研究の結果にあります。特に(3)に関しては詳細な研究が行われていて、孤独感や社会生活の欠如は、次のようなリスクを伴うとされています。

・1日15本煙草を吸うのと同じ
・アルコール中毒であるのと同じ
・運動不足よりも害がある
・肥満症の2倍害がある※6

この結果には危機感を覚えますよね。自分の社会生活を見直すと同時に、周りに気を配ることも大切なのかもしれません。

神経学の言葉に「認知的予備力」というものがあります。これは、長期間にわたって脳に知的刺激を与えることで、認識低下を抑えることができる力のこと。充実した社会生活を送ることで、考える、感じる、判断する、直感を得るなどの刺激が脳に届き、それが健康的な脳細胞を保ち、生成するサイクルが生み出されるそうです。そんな「認知的予備力」を高めるために必要なのものの一つが、友達の存在ということになります。※7

普段友達のことを当たり前の存在に思ってしまうこと、ありますよね。でも生きていく上で欠かせない存在だということを忘れることなく、お互いが元気で長生きできるよう、その関係を大切に育んでいきたいですね。

脚注:

※1 ロビン ダンバー、「友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学」、出版社: インターシフト (2011/07)

※2 Rick Lax、Dunbar’s Number Kicked My Ass in Facebook Friends Experiment、WIRED、2012年2月3日

※3 Scarmeas N、Influence of leisure activity on the incidence of Alzheimer’s disease、Neurology、2001

※4 Crooks VC、Social network, cognitive function, and dementia incidence among elderly women、American Journal of Public Health、2008

※5 Wilson RS、Loneliness and risk of Alzheimer disease、Archives of General Psychiatry、2007

※6 Brigham Young University、”Relationships improve your odds of survival by 50 percent, research finds”、Science Daily、2010年7月28日

※7 Cognitive reserve、Wikipedia

(2014年4月2日「Lealtaレアルタ」より転載)