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グーグル並に福利厚生が充実しているのに、なぜ韓国の大企業は不人気なのか

2014年07月10日 01時33分 JST | 更新 2014年09月07日 18時12分 JST
연합뉴스

福利厚生が世界的に人気を得ているグーグル。

韓国の大手企業も福利厚生を提供しているが、なぜ韓国であまり人気がないのか?

韓国企業の人事チームで働いていた時、会社の福利厚生制度を全体的によく知ることができて楽しかった。外国人として、韓国の大企業の福利厚生制度を初めて見た時は正直言って驚いた。私が以前勤めた韓国企業は「中」企業レベルだったが、福利厚生は信じ難いほどすごかった。

たとえばこんな感じだ。

社内食堂の昼食・夕食、社内カフェ、社内図書館、自己啓発支援(スポーツクラブ会費、英語学校の授業料)、ガソリン代支給、社内英語教師、通勤バス、社内看護師、社内トレーナー、リゾート会員及び割引券、会食・飲み代・タクシー代、子供の学費(大学の授業料含む)、結婚記念日休暇・ボーナス、休日プレゼント・ボーナス、無利子融資、MBA奨学金、会社コンサート・フェスティバルなどなど

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(会社フェスティバルで有名な歌手が出演することは普通だ)

その中で個人的に一番驚いた福利厚生は、子どもの学費支援制度だった。普通の大企業なら4~5年以上働けば、会社から子どもの学費支援を受けられる。大学の学費まで支援を受けている社員たちは、給料は少なくても(これらの福利厚生と)1年に2千万ウォン程度の支援を会社からもらえるのだ。

しかし、これほど充実した福利厚生をする韓国の大手企業は、外国でも韓国でも総じて人気がない。この程度の福利厚生は韓国なら基本だと思うかもしれないが、外国人から見れば実に立派なのに。

最近、毎年アメリカの就職先ランキングで「グーグル」が常に上位に顔を出す。理由を挙げればきりがないが、最も多い理由は福利厚生だ。韓国でもグーグルの福利厚生制度は有名だ。でもよく見ると、有名な福利厚生のいくつか(社内食堂、カフェ、ジム、社内バスなど)は、韓国の大企業と似ている。韓国で昨年、アイディーインキュ(オープン・サーベイ)と就職ポータル「ジョブコリア」が共同で実施した調査によると、大学生の就職先人気ランキングで上位に輝いたのはグーグルとサムスン電子だった。グーグルが1位で、サムスン電子は2位だった。サムスンは韓国企業の中で給料が一番高く、様々な福利厚生を提供しているが、なぜ韓国の大学生たちは「最も就職したい企業」にグーグルを選んだのか。

多彩な福利厚生を提供する大企業や中小企業が人気を得られない理由はまさに、若い人材への態度のせいだ。

グーグルは韓国の大企業と同じ目標がある。社員に多くの福利厚生を提供することで、オフィスでもっと長い時間を過ごし、さらに一生懸命働けるようにすることだ。しかし、グーグルの方がいいイメージで見られる。この違いは、グーグルは「補償」を払い、韓国企業は「身代金」を払うと思われているからだ。韓国の大企業が福利厚生を次から次へと与えたところで、社員に楽しむ余力や時間がなければ何の意味もない。

私は韓国の友人に「韓国企業の福利厚生はグーグルと同じ水準なのに、なぜ人気がないのか」と聞いたことがある。「大企業の社員たちは猛烈に働かないといけない」「大企業は奴隷のように働かせる」「大企業で働くのはしんどい」など、否定的な答えもたくさん聞いた。しかし「なぜグーグルに行きたいか」と聞くと「グーグルは社員に自由を与える」「グーグルの福利厚生はすばらしい」など肯定的な答えが返ってきた。

「○○の名刺をもらうために○○に就職したい」。かつて韓国の大企業が、就活生に与える影響力は絶大だった。しかし、最近の大学生(就活生)は就職への期待が大きくなった一方、会社への態度も変わっている。仕事と生活のバランスがより重要になり、昔よりも多様な進路を選択している。韓国内の外資系企業や、外国に渡って働く機会が増えつつあるなか、韓国の人材が韓国企業の多彩な福利厚生に背を向け、これといった福利厚生制度のない外資系企業や、外国に渡って働くケースが多くなっているのだ。

韓国の大企業が時代の変化を先取りして成功するためには、現在の態度とイメージを変えなければならない。優秀な韓国の人材が外国で働く機会がもっと増えれば、企業の採用競争は激化し、韓国の大企業が優秀な人材を採用できなくなるかもしれない。

福利厚生制度を変えるのではなく、社員に仕事と生活のバランスを取らせ、社員の私生活を尊重する態度がまず必要ではないかと思う。

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