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世界初! 北朝鮮をタイムラプス・カメラが駆け巡る! TimeLapseの名手が捉えた平壌の平和な日常"Enter Pyonyang"

2014年08月10日 00時55分 JST | 更新 2014年10月08日 18時12分 JST

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7月上旬に当コラムで紹介したところ、非常に大きな反響のあった傑作タイムラプス作品『Barcelona GO!』の作者であるRob Whitworth氏が、今度はなんと北朝鮮・平壌のタイムラプス作品『Enter Pyonyang』を発表した。

ただでさえ撮影が困難な北朝鮮で、1コマずつ撮っては進むというタイムラプスの撮影を成功させた『Enter Pyonyang』。

この快挙は、今や世界的なタイムラプス作家となったRob Whitworth氏と、上海在住でシティブランディングを手がけるJT Singh氏とのコラボレーションによって企画され、北京に拠点を置くイギリスのツアー会社であるKoryo Tours社と、北朝鮮の政府観光局の協力によって実現したのだという(尚、Rob Whitworth氏は無償で参加しているとのこと)。

まずは、発表されたばかりの作品をご覧いただきたい。

Enter Pyongyang from JT Singh on Vimeo.

前作『Barcelona GO!』が極めてゴージャスなつくりになっていたのに比べると、かなりシンプルな印象の作品となっている。

これは撮影中、常に北朝鮮政府観光局のガイドによる監視下にあったことや、ロケハンなしの一発撮りしか行えなかったことなど、様々な制約が影響している部分はあるだろう。

しかしそのことがかえって、巨視的な感覚でまとめられることの多いタイムラプス作品でありながら、肉眼レベルで見た日常的な平壌の姿をも垣間見せてくれて、この作品ならではの大きな魅力になった。

以下に、中村はるか氏の通訳を得て行ったスカイプ・インタビューをまとめてみた(中村さん、ありがとうございます!)。

──平壌の人々はタイムラプス撮影を見るのは初めてでしょうから、きっと驚いたんじゃないですか?

Rob「タイムラプスの撮影はごく普通の写真撮影のように見えるのに、私は何度も何度もシャッターを切ってそれでも終わらないので......きっと恐ろしく下手くそなカメラマンだと思われていたんじゃないでしょうか(笑)。

ただ、自分がなにを撮りたいのかを関係者と共有することはとても重要なことだと考えています。そのため、一日の撮影が終わったらすぐに動画化して、今日はなにを撮っていたのか見てもらうようにしていました。そうすることで "一緒に作っている"という感覚を共有でき、より大きな協力を得ることができます。今回も、北朝鮮政府観光局の女性ガイドは、朝日を撮影するためにとても早起きをしてくれましたよ」

──平壌市民たちの、カジュアルな表情が印象的でした。

Rob「北朝鮮はよく、隔離された極貧の社会だと思われてきました。しかし実際の街には、真面目で人情味にあふれた、礼儀正しい市民による暮らしがあります。地下鉄の警備員や交通整理をする女性警察官も一見すると機械的で冷徹に見えますが、はにかんだり、乳母車の母親に親切な笑顔を向けたりと、ごく自然な感情をみせてくれました」

──スケート場で、カメラに気がついてびっくりする少女は可愛らしかったですね。

Rob「あの撮影は最終日に行われたものですが、その日は国際労働者節(メーデー)で休日にあたり、市民たちはピクニックをしたりと、みなリラックスしていました。この日、私は平壌の人々とたくさんの笑顔を交わすことができ、より親密さを感じることのできた一日となりました。

北朝鮮はご存じのように長く孤立してきましたが、そのため "昔の暮らし"が色濃く残っていて、私が今まで訪れたどの国とも違った魅力を感じました」

Rob Whitworth氏よりも早い時期に、カメラと小型ステディカムを持って世界中の都市を撮り続けてきた永川優樹(egawauemon)さんは、次のように語ってくれた。

「制約の多い状況でありながらも、自分のスタイルを貫いているところに感服しました。

このスタイルで次々と世界中の都市を撮っていけば、数十年後には過去の様子を詳細に振り返ることができる貴重なアーカイブになると思います。

Rob氏の作品は単にいろんな人にみてもらってたくさん再生されるだけではない、もっと深い価値をもった作品です」

今回、Rob Whitworth氏が訪れたのはいわゆる「政府公認」の場所だけであり、その先の隠された場所にどのような世界が拡がっているかは、この動画からうかがい知ることはできない。

しかし、街という大きな生命体を縦横無尽に駆け巡ってきたRob氏の"視点"が、堅苦しくて陰湿というイメージを持つ平壌にまで到達したことは快挙であり、歓迎すべき変化の兆しと言って良いのではないだろうか。

Rob「私はアジアを中心に様々な都市を撮り続けてきましたが、急成長を遂げている都市には共通するものを感じてきました。それは"ワクワクする"ということです。そしてそれは、この都市からも強く感じることができました。もし平壌からあらゆる制限がなくなったとしたら──それは実に楽しみなことです」

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Rob氏のいつもの撮影スタイル。1コマ撮っては前進。撮っては前進......。極めてシンプルな撮影から、驚くべき映像が作られていく。

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一番右がRob Whitworth氏。その隣が、JT Singh氏。

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撮影の最終日は祝日で、人々はリラックスした様子だった。

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Rob Whitworth

Website: robwhitworth.co.uk/

Email: rob@robwhitworth.com.hk

Facebook: facebook.com/RobWhitworthPhotography

Twitter: twitter.com/kwhi02

【撮影データ】

241 Hours Total

68 Hours Shooting

12 Hours Scouting

138 Hours Post

20133 NEF Raw Files

Kit List

Nikon D800 DSLR

Nikon D7100 DSLR

Nikon D7100 DSLR

Nikon D3200 DSLR

Nikon 10.5mm f/2.8G ED AF DX Fisheye

NIkon 10-24mm f/3.5-4.5G ED AF-S DX

Nikon 16-35 f/4G AF-S VR Zoom Nikkor

Nikon 28mm AF f/2.8D

Nikon 50mm f/1.4G AF-S

Nikon 70-200mm f/2.8G ED AF-S VR II

Rob Whitworth氏の作品。

「Barcelona GO!」

「This is Shanghai」

コメントをいただいた永川優樹さんの代表作、「WORLD - CRUISE」シリーズ。

撮ったばかりの映像はその日のうちに滞在先からYouTubeにアップされ、Twitterを通じて世界中の人々が共感コメントを寄せる様は、新しい時代の映像コミュニケーションを予感させるものだった。

永川さんの最近作。4Kにグレードアップしている!

永川優樹(映像作家)

世界中を旅しながら映像を発信していくプロジェクト「WORLD - CRUISE」でYahoo! JAPAN Internet Creative Award 2011 グランプリを受賞。現在は地方自治体やメディアとともに地域資源を映像化する事業に携わっている。

通訳: 中村はるか  Twitter: adorer113