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朴 裕河 Headshot

『帝国の慰安婦』を巡る起訴について立場表明 私は元慰安婦の名誉を毀損していません。

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従軍慰安婦問題を巡る著書『帝国の慰安婦』で、元慰安婦らから「名誉を毀損された」として刑事告訴され、検察によって起訴された韓国の朴裕河・世宗大教授は12月2日、ソウルで記者会見し、告訴と起訴は誤解に基づくと批判した。

以下は記者会見での発言内容(原文は韓国語)。

■執筆の背景

私は10年前、『和解のために-教科書・慰安婦・靖国・独島』という本を書きました。その後も慰安婦問題の解決にずっと関心を持ってきました。

慰安婦問題の解決のために設立された日本の「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が2007年に解散してから、日本の慰安婦問題への関心は急速に冷めていきました。2010年、日韓併合100年を迎え、菅直人首相の談話が発表され、文化財が返還されましたが、慰安婦問題への言及はありませんでした。当時、私は、日本のメディアに書いたコラムで「この年に必ずすべきことは、慰安婦問題を議論するための解決」とも書きました。当時は韓国政府もこの問題に大きな関心を払っていませんでした。

そして2011年夏、元慰安婦によって憲法裁判所に提訴された裁判で外交部(外務省)が敗訴し、政府はこの問題の解決に積極的に動かなければならない状況となりました。続いて2011年冬、「水曜デモ」と呼ばれる慰安婦問題解決を求める駐韓日本大使館前の集会が1000回を迎えたのを記念し、少女像が日本大使館の前に建てられたことで、日本の韓国に対する感情が急激に悪化しました。私はこの時、他の本を執筆中でしたが、慰安婦問題を否定的に考える日本人を批判する文章も含まれていました。ところがちょうど、憲法裁判所での外交部敗訴と少女像の問題によって、慰安婦問題への関心が高まったので『WEBRONZA』という日本のインターネットメディアの依頼で連載しました。韓国で発刊された『帝国の慰安婦』は、もともと日本に向けてこの問題への関心を促し、無視したり否定したりする人々や日本政府、そして支援者の考え方とやり方にどのような問題があるのか分析するために書き始められた本です。

そんな私が慰安婦を批判したり蔑視したりする本を書く理由はありません。何よりも私はジェンダー理論に立脚して、女性の問題に深い関心を持ってきました。(『ナショナルアイデンティティとジェンダー・漱石・文学・近代』を参照)

2012年春、民主党政権の日本で謝罪と補償に向けた動きがありましたが、支援団体が長いこと主張してきた「法的責任」という壁に遮られ、接点を見出せずに終わりました。

韓国に向けて、再び慰安婦問題について書く必要があると決心したのはこの時です。支援団体に敗訴し、韓国政府は支援団体の主張どおりに動くようになりましたが、その支援団体の主張は、最初に「軍人が強制的に11歳の少女を連行した」と考えていたときに比べ、一歩も変わっていませんでした。私はそうした状況に疑問を抱き、支援団体の主張に果たして問題がないか検証しようとしたのです。

そして2013年8月、私は『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』を出版しました。タイトルにあるように、慰安婦問題を巡って、日本の否定論者が慰安婦を「売春婦」と呼び、支援団体は慰安婦少女像が表す「無垢な少女」というイメージだけを唯一のものと主張し、対立してきた20年の月日を検証し、それ以前に慰安婦とはどんな存在なのかを、中でも慰安婦問題を巡って日本と最も激しく対立してきたのが韓国だったので、「朝鮮人慰安婦」に焦点を当てて考察しようとしました。そして考察の結果、慰安婦とは「戦争」が作り出した存在という以前に、国家勢力を拡大しようとする「帝国主義」が作り出した存在であり、そうした国の欲望に動員される個人の犠牲の問題だという結論に達しました。そして、私はそうした認識に基づき、アジア女性基金という補償措置を評価しながらも「慰安婦問題は日韓基本条約で終わった」と考えていた日本にも、再考すべき部分があると強調しました。

言い換えれば、私の本は、これまで慰安婦問題に関与してきた当事者すべてを少しずつ批判しています。これは、みんな一生懸命努力したけれど、結果的に解決できなかった月日が20年を超えた以上、各関係者がその原因に自省して向き合い、新しい転機を見つけるヒントになることを願ったからです。そして『和解のために』も『帝国の慰安婦』も、発刊直後には、私の本の意味を真剣に受け入れようとしている書評やインタビューが少なくありませんでした。しかし一方で、その過程で明らかになった「少女像」とは違う慰安婦像や、日韓関係に大きな発言力を持つ団体に成長した支援団体への批判をためらう雰囲気もありました。

私の本が告発されたのは、実に出版から10カ月後です。この間、元慰安婦の支援施設「ナヌムの家」にいたある元慰安婦と親しくなり、この方と多くの対話を交わし、そのせいで「ナヌムの家」の所長に警戒され、排斥されるということが起きました。詳細は割愛しますが、その元慰安婦の女性が亡くなってから1週間後に、私は告発されました。私に向けられたのは、法科大学院の学生による雑な読解にあふれた告発状でした。この解釈は、誤読と曲解に満ちていましたが、彼らの読解そのままに韓国社会では、「朴裕河の本は虚偽」「慰安婦の名誉を毀損した」という認識が広まっています。

■問題となった部分について

原告側は特に「売春」と「同志的関係」という単語を問題視しました。

しかし彼らの考えは、売春婦であれば被害者ではないという考えに基づくものです。こういった職種に若い少女が動員されやすいことは、今日も同じですが、売春であるか否かや年齢に関係なく、その苦痛は奴隷の苦痛と変わりません。つまり、慰安婦を単なる売春婦として責任を否定する人々や、売春婦ではないとしながら「少女」のイメージに執着する人々は、売春への激しい嫌悪と差別感情を持っているのです。「虚偽」と否定する心理も同じと言えます。重要なことは、女性が国家の利益のために、故郷から遠く離れた場所に移動させられ、苦痛の中で身体を傷つけられたという事実だけです。

また、「同志的関係」という言葉を使った第1の理由は、朝鮮は他の地域と違って日本人の植民地支配を受けており「大日本帝国」の一員として動員されたという意味です。また、そうした枠組みの中で起こりえた、日本軍と朝鮮人女性のもう一つの関係を書いたのは、まず全体的な姿を見るためであり、同時にそうした姿を見て初めて、表面的な平和の中に存在していた差別意識、帝国の支配者の差別意識も見ることができるからです。

第2の理由は、朝鮮人慰安婦を、徴兵された朝鮮人と同じ枠組みとみなした場合、つまり「帝国」に性と身体を動員された個人とみなせば、日本への謝罪と補償を要求する理由がより明確になるからです。先に述べたように、慰安婦たちには保障された法の保護がなかったことを日本に向けて話すためでした。つまり、否定論者たちが言う単純な「売春婦」ではないことを言おうとしたのです。

この本で議論となったもう一つの概念、「業者」の問題に言及したのは、まず国家の政策を口実に協力し、利益を得る経済主体の問題として見たかったからですが、実はそうした「協力と抵抗」の問題を言いたかったからでもあります(なお、朝鮮人業者のみを強調しておらず、むしろ規模が大きい業者は日本人が多かったと推定されます)。国家がいくら悪い政策を行っても、国民が抵抗する限り、最悪の事態は防ぐことができます。しかし、当時の業者は、そうしませんでした。女性を買い、時に強姦したのは軍人でしたが、搾取し暴行し監視し、時に拉致と詐欺に関与したのは業者でした。そして借金を負わせて支配し「奴隷」の状態に置いたのは業者たちでした。しかし彼らの罪と責任は誰も問わず、私は今日も続く人間への搾取の問題と、そうした業者を利用する国家と帝国の問題、そして悪い「国家政策への抵抗」の意味を喚起したいと思い、業者の問題を指摘したのです。過去の協力者を直視せずして、繰り返される追従と協力を防ぐことはできません。

しかし、このすべての指摘は、研究者と支援団体を不快にさせたようです。彼らは、別の状況に目を向けることはただ「日本を免罪」することだと考えます。そして「日本」という政治共同体だけを罪と責任の対象としました。私もこの本で、日本に責任があると述べました。同様に、戦場に動員しながら朝鮮人日本軍人にはあった保障~生命と身体が傷つけられることへの保障~日本人女性を含む貧しい女性のための制度を作らなかったのは、近代国家の男性主義、家父長的思考、売春差別によるものだと言いました。それは近代国家のシステムの問題であり、そうした認識に立ち、謝罪と補償の必要があるとも指摘しました。日本で過分の評価を受けたのは、私はこうした考えが受け入れられた結果だと思っています。

そうした私の本が慰安婦を批判したり非難したりする理由はありません。検察が「名誉毀損」と指摘した部分は、大部分が「売春婦扱い」したと、彼らが断定した部分です。しかし、「売春」という言葉を使用したからといって、すぐに「売春婦扱い」となるわけではありません。さらに「(慰安婦は)売春婦だ」と言う人々を批判するために使った部分まで、原告も裁判所も検察も確認せずに、そのまま私の言葉ということにしてしまいました。もちろんマスコミはほぼそのまま報道しました。しかし、やはり1次的責任は原告と裁判所と検察にあると言わざるを得ません。

原告が最初に指摘した109カ所についてA4判150枚の反論文、53カ所について検察の捜査に応じるため作成した反論文、その他の裁判資料を、近くホームページを開設して公開するつもりです。

原告側は、最初に「虚偽」としていた主張を変え「戦争犯罪を賛美」し、「公共の利益」に反する本だと主張し始めました。告発当初の主張「慰安婦は自発的な売春婦」という「嘘」を書いた本だという報道は今でも回り回って私を攻撃する材料として使われています。特に刑事告訴・民事提訴、出版差し止めの仮処分、起訴と、合計3回、私は、全国民の非難の対象となっています。

これらの状況を引き起こし、放置し、助長してきた原告周辺の人々と、私の本を削除するように命じた裁判所、そして検察の非人権的な捜査と起訴に強く抗議します。原告側が今からでも、自分たちが作った元慰安婦の誤解を解く役割を率先し、訴訟が棄却されることを強く要求します。

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